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既読と未読

「既読・未読」を気にする必要なんてなかった

 スマホでLINEが普及するまでは、メールでお互いに連絡を取り合っていました。その時には、LINEの「既読・未読スルー」を気にする必要なんてなかったわけです。

 私も高校生の頃は、メールを送って、「彼女は、今時間があるかな?」と思いながら、送って、返信がなければ、「今日は、忙しかったんだな」と思って、あきらめました。そして、後日、会った時に咎めるようなこともありませんでした。というよりも、まともな人は、「昨日、メール返してなくてごめんね」「気づいたときは遅くてさ」ぐらいのことを言ってきました。私の場合そういう人が多かったです。たまたまそういう人に恵まれていただけかもしれません。

 ただし、同じ学校にいて、お互いにギスギスするの嫌です。つまり、同じ共同体にいるからこそ、そういうお互いに対する気遣いをしていた面もあると思います。

mixiの足跡機能

 しかし、「事態が変化したな」と思ったのは、mixiが流行しだした頃ですね。mixiは、「足跡」機能がありました。自分がmixiの自分のページに文章を書いた場合に、それを見に来た人の「足跡」がつくため、誰が見に来たかわかるんです。それで、「足跡」をつけて、読んだにもかかわらず、リアクションをとらない、つまり、コメントを書かないことに対してギスギスするようになったと思います。mixiで「足跡」をつけてもコメントを書かないことを陰口にするんです。そして、場合によっては、共通の敵にして、話を聞いていて怖いやつらやなと思いました。別に見に来たんだなって気にしなければいいのですが、自分が「見に来たのにコメントもくれないの?」って言われると自分も他人に言ってしまうんですよね。めんどくさいもので。私は、仕方なしでコメントを適当に書いていたものです。

 また、他人に期待して、「この人なら、私のこの文章に対して、コメントをくれるはず!」と思っていても、その人の足跡がついていても、コメントはもらえず、結果、精神状態が悪くなるみたいな人がいました。考えすぎじゃないの?と思いましたが、要するに当人からすると特定の誰かに向けたものではないけれども、誰かしらは、それに反応してくれるだろう。でも、結果を見ると、誰も反応してくれない。私は、無視されているって感覚だったのでしょうね。

LINEの既読・未読

 私の中では、これが私にとっての「既読・未読スルー」の中身と同じような気がしています。LINEの場合は、特定の人に宛ててです。言うまでもないですが、「既読・未読スルー」は無視と一緒ですよね。あなたと関わりたくない、好意はありませんっていう意思表示だと思います。

 私が女性とLINEでやりとりしていて、驚くことの一つには、既読をつけて、すごい遅れて返事を送ってくる人がいることです。私は、LINEで既読をつけると返事をすることを忘れてしまうので、あえて、未読にして、既読にするのは、返事をする時にしています。既読にしてしまうと返事をしそこねる可能性があるので、あえて未読です。

 女性が既読をつけて、あとから返信してくる方は、既読をつけることによって、あなたのメッセージを読みました、ということをこちらに伝えてきているんだと思います。その上でタイミングを見て、返信をしてきているんだと思いました。しかし、これは、返信が来たからこそ、既読に「あなたのメッセージを読みました」という意思表示だったとわかるもので、返信がこなければ、既読スルーなのか、既読をつけて読んだという意思表示なのか、わかりません。やっかいなものです。

 「既読・未読」の表示がなければ、こんなことに悩まなくていいのにな。高校生の時のメールのやりとりぐらいの気持ちでいれればいいのにな。それだけ余裕やゆとりがなくなったのかな、とふと思うのであった。

最後に

 Facebookのメッセンジャーでも、マッチングアプリ(有料オプション)でも、既読・未読がわかる仕様になっています。

 時代の流れなのかな、という気がします。

 最後に一時期、話題になった真宗仏光寺の掲示板の言葉を引用して終わることとしたい。


ひと月待てた
手紙の返事
メールになって
一週間
LINEになって
一時間?
待てなくなってる
せわしないね


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