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いきつけの場所がなくなった。。。

 中学生になった頃から音楽を聞くようになった。実は、小学生の頃は、親から、見るテレビ等の制限を受けていた。そのこともあって、同級生たちとの音楽の話題には入れなかった。
 そのように抑圧されていた影響も大きかったのか、中学生になった途端、友達から手当たり次第にCDを借りた。
 当時は、MDの全盛期であった。中学生になってすぐにCDとMDとカセットテープが使えるコンポを買ってもらい、手当たり次第に借りたCDで気に入った曲をMDに入れていた。
 まわりの友達からは、小学生の時の抑圧されていたことから解放されたから、あんだけ一気に音楽を聴くようになったんだろうね、と噂されていたらしい。

 友達から借りられるCDは、やはり、当時の流行していたものばかりであり、もっと、いろんなものを聴きたいと思っていた。「もっといい曲があるんじゃないか」「そこにはまだ見ぬものがあるはずだ」という気持ちだった。言い換えてみると、自分の知らないものを求めていたのかもしれない。自分の知っている範囲を超え出ようとする衝動だったのかな。

 そんな時に発見したのが、CDのレンタルサービスだった。私の住んでいる自治体は、人口が少なく、そんなCDレンタルサービスをやっているようなお店はなかった。CDレンタルサービスを利用しようと思った場合には、数十キロほど移動しなければならなかった。私の住んでいる地域では、そのぐらいの移動は生活の範囲内であったため、難しいことではない。しかし、当時は、中学生であり、免許も自動車も所有していないから、移動を親に頼らざるを得なかった。私の両親は、あまり運転が好きな方ではなく、仕事以外では運転をしたがらないため、親との交渉は難しかった。しかし、親に運転してもらい、何度もそのレンタルショップAに通った。高校生になっても。大学生になり、郷里を離れて、実家に帰って来た時も、そのお店に通った。不思議なくらい通ったものだ。

 大学生の時には、大学がある地域の一番大きく、品揃えのいいレンタルショップBに数十分かけて通った。ご存知のことと思うが、CDの新譜は、発売日が水曜日に決まっている。大好きな歌手のインタビューを読んだ時に、自分の記念日にデビューシングルを出そうと思ったら、オリコンチャートで少しでも上位にくい込むためには、水曜日じゃないとダメだと言われたそうだ。彼にとっては、記念日にデビューシングルを出す予定が、デビューシングルを出したという記念日が新しくできたのだった。

 話は戻るが、CDの新譜の曜日が決まっており、だいたい、レンタルが開始されるのは、特別な事情がなければ、発売後二週間後だ。私は、レンタルショップBに、ほぼ、土曜日の10時ころに行き、新譜で気になるレンタルCDを借りていた。異常なほど、いろんな歌手の曲を聴いた大学生時代だった。CDで聴くだけではなく、ライブも三ヶ月に二本は行っていた。本当に今から思い返しても、これだけよく音楽ばかりを聴いていたなと思う。

 大学生を卒業してから、携帯電話、いわゆるガラケーが少なくなり、スマホの割合が増えていった。そして、出てきたサービスが、サブスクリプションサービスだ。AmazonやApple、LINEなどが行っている。しかし、私は、どうしても、サブスクリプションやKindleなどは、大人の事情で、突然、音楽や書籍が消されてしまう可能性があるので、あまり信用できず、最低限でしか利用していない。やはり、所有権があったほうがいいと思う。Kindleは、確か、閲覧権や利用権といったものだったと記憶している。それでは、いろいろ困ることも発生しないかなと心配になってしまうのだ。

 話を戻そう。サブスクリプションサービスは、音楽に関して言えば、月額制で、楽曲の聴き放題のサービスだ。許可を出しているアーティストの楽曲が聴き放題なのだ。ここ数年、若い人と会う機会が多く、音楽の話題をすると、多くの人がサブスクリプションサービスを使用している。そして、流行りの曲をおさえていると言っていた。まるで感覚が違う。これがジェネレーションギャップか、、、と思った。

 そして、サブスクリプションサービスの影響もあってか、レンタルショップAのレンタル商品の品数が、どんどん少なくなっていっていた。ついに、去年、レンタルショップAは、CDレンタルサービスを終了してしまった。20年以上通ったお店だったから、非常に悲しかった。しかし、「時代の流れには、勝てない」としか言いようはない。私の「いきつけの場所」が1つなくなったわけだ。

 このようにして、世の中は移り変わって行くということを感じさせられた出来事だった。懐かしい風景が永遠に残っているわけではない。日々、時代の流れによって、変化していく。私よりも上の世代の方々は、こういうものをいろいろ感じているのかな、という思いが湧いてきた。そんな中、懐かしいままに残る風景とはなんなんだろうか。そんなことを思いながらも、新しい「いきつけの場所」を探しているのであった。

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