B-NOVELの説明書

 お久しぶりです。
 面白ければ読まれる。
 面白い作品が読める。
 長編向け小説投稿サイトB-NOVELです。

 早いもので、サイト公開から一ヶ月が経過しました。
 サイト開発に協力してくださった皆様。
 サイト公開後に作品を投稿してくださった皆様。
 現在B-NOVELを利用してくださっている皆様。
 改めて、御礼を申し上げたいと思います。
 本当にありがとうございました。

 さて、今回この記事を投稿したのは、今までアップした記事は冗長な部分もあり、しかも4つに分かれてしまっているために、利用者にB-NOVELの考えが伝わりにくいと感じていたためです。
 そこで、今回は4つの記事を一つにまとめ、さらにまだ描いていなかった部分を加えた以下の7点ついて、改めてご紹介させていただくことにしました。


 去年2月に投稿した一連の記事と被る部分も多いですが、大きく考えが変わった部分もあります。
 以前の記事を読んでくださった方も、お手数ですがこの記事も読んでいただけると、さらにB-NOVELへの理解を深めていただけるかと思います。
 ぜひ御一読いただけると幸いです。

 それでは上から順に詳述していきます。

1.平均、確率型評価制度

 まずはこの点です。
 ほとんどの小説投稿サイトでは加算型の評価制度が採用されています。
 加算型の評価値によってランキングの順位が決められていますし、加算型の評価値が高い作品に多くの読者が集まる仕組みになっています。

 たとえば小説家になろう様では、読者1人につき1作品に最大で12ptを付与します。
 その最大12ptを評価者数分、単純に足し合わせていくことで『総合評価』として小説の評価値を算出しています。

 一見すると、何の問題もない制度に見えます。
 この評価制度において、評価値の高い作品は『多くの読者に評価された作品』になるのですから、民主的な制度と言えます。

 しかし詳細に見ると、大きな問題があります。
 加算型の評価制度は『小説の人気』を測るには有効ですが『小説の面白さ』を測るには適していないのです。

 前提として、小説の面白さは読まなければわかりません
 これは一目で良さがわかるイラスト等とは事情が異なります。
 小説の場合、一目見てわかるのは『タイトル・あらすじ』くらいです。
 これだけでわかるのは、せいぜい『面白そうか、否か』でしかありません。

面白そうな作品』にも『面白くない作品』はあります。
面白くなさそうな作品』にも『面白い作品』があります。
冒頭がすごく面白かった作品』にすら、完結まで読んだら『面白くない作品』が存在するでしょう。

 例えば『誰が勇者を殺したか』という作品があります。
 今からすれば、この作品は2023年に最も評価された小説の一つですが、完結するまでは評価ポイントは1ptも入れられていなかったそうです。
『面白い作品』が『面白くなさそう』と判断されたために評価されなかった実例です。

 このように、読まれさえすれば評価される作品ですら『面白くなさそう』であれば読まれず、評価されないのです。
 この例をとっても一目で小説を評価するのは難しいことがわかります。

 ところが現状のweb小説界では一目で読む作品を選ぶことを強いられます。
 毎日、絶対に読み切れない数の新作が投稿されるからです。
 更新ではありません。
 新作が、新たに投稿されるのです。
(小説家になろう様に限っても1日で200作以上

 読み切れるはずがない数の作品を前にして、それでも面白い作品が読みたい。
 そんなときに人はどうするか。
 簡単です。

 一作品あたりの読むか否かを考える時間を減らすのです。
 すると、一目で得られる不十分な情報から『面白そう』な作品を無理矢理探すことになります。
 上述したように一目で見てわかる情報とは『タイトル・あらすじ』しかありません。
 必然的に下のような状況ができあがります。

 面白くない作品でも『タイトル・あらすじ』が『面白そう』であれば読まれる。
 面白い作品でも『タイトル・あらすじ』が『面白そう』でなければ読まれない。

 という状況です。
 具体的にどれくらい差が出るかというと、以前の記事にも書きましたが『あらすじ・タイトル』は作品の評価値に50倍も影響を及ぼせます。
 対して、『作品の内容』が及ぼせるのは5倍程度です。
 加算型の評価制度において『あらすじ・タイトル』は『本文』より10倍も大切という計算です。
 加算型の評価制度で評価されたいと思えば、物語の構成を考えたり、本文を洗練するより、『あらすじ・タイトル』でパンチを利かせて集客した方が10倍も効率的なのです。

 この状況を是正するには『平均値・確率型評価制度』が有効です。

平均値

 まず平均値を例に取りましょう。
 たとえば作品の読者に☆1個(低評価)~☆5個(高評価)のどれかを選択してもらい、そこから平均値を算出するのです。
 このとき☆5に近い作品は面白い可能性が高く、☆1に近い作品は面白い可能性が低い。
 これは自明のことと思います。
 よって、平均値が小説の評価指標として適切なことも、また自明のことです。

 さらに平均値や確率には『タイトル・あらすじ』の集客力に惑わされないという強みもあります。
 これも例を挙げると、以下のような作品があったとします。

・10人に☆5個
・10人に☆4個
・合計評価者20人

 この作品の平均値は☆4.5個ということになります。
 そうであればこの作品が200人に評価されたとしても、多少の上下はあれど平均値は概ね☆4.5個になるはずです。
 それが平均値の性質だからです。
『タイトル・あらすじ』がもってしまう集客力の差に関係なく、より本文の内容によって評価できるようになるのです。

 この平均値が一目でわかれば、面白い作品も一目でわかるようになります。
 よって、たとえ『タイトル・あらすじ』が面白そうでなくとも面白い作品には読者が集まることになります。

 もちろん問題もあります。
 平均値だけを見ては、一部の作品は過小評価されてしまうという問題です。
 たとえば、以下のような作品は過小評価されると予想されます。

 ・特定の層にだけ深く刺さる作品。
 ・深くは刺さらないけど多くの人が面白いと思う作品。
 ・好悪いずれにしても強く心を動かされる作品。

 こういう作品も、やはり良い作品と言えるはずです。
 しかし平均値だけを見ていては過小評価されると予想されます。
 そういう作品のためにも

『読了率』
『満点率』
『評価率』

 という評価軸でも作品を評価します。

読了率

 読了率は『読み始めた人のうち、第一巻分を読み終わる割合』です。
 作品を評価するのは、読者としては勇気のいる主体的な行動です。
 しかし読了するかを決めるのは、比較的に受動的です。
 ゆえに『読了率』では、勇気を出して評価することはなくとも、多くの人が十分に読み進められる、という作品が評価されます
(完結までの文字数だと『面白さ』よりも『作品の短さ』で大きく差が出てしまうので、現状では『完結まで』ではなく、後述する『十万字ライン』までを読んだ人の割合で評価しています)

満点率

 満点率は『評価者のうち、最高点の5点を付けた人の割合』です。
 B-NOVELでは一人の読者が満点を付けられる数は10個までに制限されます。
 よって、読者は強く感動しない限り、満点を付けないことになります。
 さらに満点率では『最高点の5点を付けた人数』と『評価者の総数』だけが問題になるので、平均点よりも『特定の層にだけ深く刺さる作品』が評価されることになります。
 

評価率

 評価率は『読み始めた人のうち、小説を評価した割合』です。
 このとき低評価、高評価は問いません。
 これは『好悪いずれにしても、強く心を動かされる作品』は『良い作品』であるというB-NOVELの思想によるものです。
 また、万が一に悪意のある評価が作品に集中したとき、この評価軸によって露出が増え、適性評価に近づくことを意図した指標でもあります。

 まとめると、以下のようになります。

『平均値』
『満点率』
『読了率』
『評価率』

 この4つの評価軸で小説を評価
 そして評価を読者にわかるように表示し、面白い作品に読者が集まるようにする。
 さらに評価軸別にランキング等の露出する場を作ることで、多種多様な良さをもった作品が埋もれないようにする。
 これがB-NOVELの掲げる『平均、確率型評価制度』です。

 また問題点として、もう一つ。
 母数が少ないときは悪意ある評価に弱いのも『平均値・確率型評価制度』の弱点です。
 たとえば

「アカウントを大量に作って自作を最高評価しまくれば、ランキング一位になれるんじゃね?」
「イライラするから気に入らない奴の作品に最低評価を入れてやろう」

 というような場合です。
 ですが、それも問題のないレベルまで無害化できると考えています。
 それについては不正対策の項で詳述しようと思います。

2.3段階評価制度

 今度も評価制度に関する話です。
 B-NOVELにおいて、作品の評価は

『暫定』
『十万字』
『完結』

 という3段階で行われます。
 具体的には以下のタイミングで行われ、下に行くほど高い比重を持つことになります。

 暫定  …… 2万字読んだ段階。比重は完結の1/4
 十万字 …… 8万~15万字読んだ段階。比重は完結の1/2
 完結  …… 字数を問わず、完結まで読んだ段階

 なぜこんなことをするかと言えば、作品を適正に評価するためです。
 どういうことか説明すると、以下のような意味です。

 第一話だけ読んだけで下した評価。
 最後まで読んでから下した評価。
 どちらが信頼できるかといえば、最後まで読んでから下した評価の方が信頼できます。
 しかし全て読まないと評価できないのでは200万字といった大長篇はいつまでも評価できないので問題です。
 作者も読者も、できるだけ早い段階で評価を知りたいものだからです。

 この『信頼性』と『速さ』という、二つの要求を折衷させたのが3段階評価制度です。
 より詳細に説明します。
 どうして

・2万字から(暫定評価)
・8万~15万字(十万字評価)
・完結まで(完結評価)

 という分け方にするのか。
『完結まで』は単純に完結まで読んだ評価が最も信頼できるからです。
 これについて異論は出ないかと思われますが、他の二つについては不満・疑問を感じる点もあると思われるので、ここで説明します。

暫定評価(2万字から)

 これを2万字以上で切っているのは、評価される作品の多様性を確保するためです。
 具体的には、そもそも作者がターゲットとしていない読者が評価に参加しないようにするためです。

 前提として、webという場は開かれています。
 そのため作者が重厚なダークファンタジーとして書いても、ヒロインとのラブコメを読みたい人も読みに来ることがあります。
 あるというか、そういうミスマッチは起こる方が自然です。
 小説投稿サイトには宿命として『流行』があり、その『流行』の要素を持つ作品を読みたい読者が多く集まる場所だからです。

『流行』がどういうものかはここでは述べませんが、実感が湧かない方は各投稿サイトのランキングを見てみるといいでしょう。
 どれだけ大きな影響を与えるかわかるはずです。
 こういう状況で、もしラブコメが『流行』だった場合、ラブコメ作品でない作品にもラブコメ要素を求めるミスマッチが多く発生します。

「ラブコメ要素がないから」

 と低評価する読者も増えます。 
『流行外』の面白い作品が、面白くないと評価されてしまうのです。

 だからといって、無理にラブコメ要素を加えたら物語の軸がブレてしまいます。
 せっかくのダークファンタジーの傑作が、ラブコメ要素を加えたために中途半端な凡作になるという悲劇も起こります。
 それを防ぐための、2万字の“遊び”です。

 例えば、冒頭で仲間が死亡する作品があるとします。
 この作品でラブコメ要素を求める人は少数でしょう。
 人の死を書かなくても暴力を振るわれたりする描写があれば、その場合も

「ラブコメ要素がないと認めない!」

 という人は評価する前に離脱するでしょう。
 明確な描写がなくとも、2万字も読めば“認めない派”の大半は“空気”を感じとって離脱しているはずです。

 つまり2万字の“遊び”を持つことで、作者はターゲットでない読者に迎合することなく、より個性的な作品を書き、しかもそれで評価されるようになります。
(もちろんターゲットにとっても面白くない作品は評価されないでしょうが)

 評価される作品の多様性を確保する、とは上のような意味です。
 他には不正対策という面もあるのですが、これもやはり不正対策の項で説明します。

十万字評価(8万~15万字)

 次に8万~15万字で切る理由ですが、2つあります。

 ・『埋もれた名作』を生んでしまう危険が高まるから。
 ・読者の評価がここである程度は固まるから。

 例によって順に説明していきます。
 しかし今回は、それより先に『8万字~15万字』と言っているが、具体的に8万字~15万字のどの部分で区切られるのか、という話からしていきます。

どこで区切られるのか

 結論から言うと、8万~15万時の間で、作者自身に決めていただくことになります。
 B-NOVELでも小説の更新は一話ずつ行うのですが、その更新フォームには以下のように「区切り」という項目が設けられています。

B-NOVEL小説更新ページ


 ここにチェックを入れて更新すると、その話数までが『十万字評価』の対象になります。
 この『十万字評価』の対象範囲を読んだ読者だけが『十万字評価』をできるシステムになっています。
 説明はここまでにし、理由の説明に移っていきます。

『埋もれた名作』を生んでしまう危険が高まるから。

 これはB-NOVELが長編向けを謳う理由でもあります。
 端的に言うと、すべての小説を対象にしたら『平均・確率型評価制度』にとって不可欠な『統計を信頼できるだけの母数』を確保できないからです。

 信頼に足る母数がなければ、以下のような事例が無数に発生することになります。

 ・1人しかいない読者が☆5を入れたからランキング一位。
 ・1人しかいない読者が☆1を入れたからサイト内最低評価。
 ・1人の読者がたまたま☆5を入れなかったから埋もれる。

 これではB-NOVELの評価制度は信頼できないものになります。
 しかし残念ながら先行サイト様の様子を見るに、投稿される全ての作品に必要な母数を確保することは不可能です。
 信頼に足る母数には1作品あたり100人程度の読者または10人の評価者は必要です。
(それも運営が正確に動向を追えるログインユーザーである必要があります)

 対して、小説家になろう様の作品数は100万作品以上。
 年間で言えば、少なくとも数万作規模の作品が投稿される計算です。
 これら全てに『信頼に足る母数』を確保するのは現実的とは言えません。

 これが8万字以上の作品とすると、10万作品にまで減ります。
 これならやり方次第では何とかならないとも限りません。
 8万~15万字とは、作者様がそこまで書いてくださったのなら、B-NOVELは責任をもって『信頼に足る母数』を集める、というラインでもあるのです。

読者の評価がここである程度は固まるから。

 読者からのリアクションが多いタイミングとして「物語の第一の山場を終えたとき」が挙げられます。
 紙の本で言うと、第1巻が終わったタイミングです。

 ここで面白いと判断していたら読者は次の巻も購入するでしょう。
 第1巻が面白かったのなら、次の巻が面白くなくても

「この巻は“溜め”かな?」

 と判断して、次の巻も買う人も比較的に多いはずです。
 逆に第1巻が面白くないなら“溜め”だとは思ってもらえません。
 大抵の読者はここで読むのを止めてしまうでしょう。
 ここから面白くなる可能性もありますが、無理に続きを読ませるわけにもいきません。

そもそも本を手に取ってもらえないのは作者の責任ではない

 これはB-NOVELの基本思想ですが、1巻分を読んだ上で面白くないと判断されたのなら、それは残念ながら作者の責任という他ありません。
 話が逸れてしまいましたが、ここで重要なのは次の点です。

 第1巻を面白いと感じた人は、第2巻も面白いと思う可能性が高い。
 第1巻をつまらないと感じた人は、そもそも第2巻は読まない。
 ゆえに他の巻と比べると、第1巻の評価は小説全体の評価と一致する可能性が高い。
 だからB-NOVELは、この『第1巻』が終わったタイミングで一度評価する。

 そして小説の1巻とは大体『十万字』前後です。
 小説によって違うので、厳密にピッタリ十万字ではありませんが、概ね8万~15万字の範囲に収まります。

 もちろん少し拡大して、6万字~20万字などにする選択肢もあるのですが、

 ・読者としては早く作品の評価を知りたい
 ・あまり幅を広げすぎると、読了率で顕著な違いが出てしまう
 ・下限を広げすぎても「『埋もれた名作』を生んでしまう危険が高まる」という問題が出てきてしまう。

 以上の理由から8万~15万字で区切るべきだと判断しました。
 もうすこし枠を広げて欲しいという要望もありましたが、ひとまずはこれで行こうと思います。

 

3.長編主義

 B-NOVELは長編小説向け投稿サイトです。
 ※長編小説という言葉には色々と定義がありますが、ここでは単行本一冊以上の小説という意味で使っています。

 しかし長編小説“向け”と言っても、他のサイトに長編小説を投稿するのと何が違うのかという疑問が浮かぶと思います。
 ここではこの点について話をしようと思いますが、一言で言うと長編小説の方が読まれやすい仕組みにする、ということになります。
 では、具体的にはどういう仕組みがあるのか。
 それが以下の2つの施策です。

 ・十万字ピックアップ
 ・一巻分以上書いた作品が有利なランキング

十万字ピックアップ

 B-NOVELにおいて、以下の条件に合う作品は全てサイトトップページにある『十万字ピックアップ』欄に表示されます。

 ・8万~15万字が投稿され「区切り」のチェックが付いている。
 ・一定以上の読者または評価者を獲得していない。

トップページ十万字ピックアップ欄

 つまり『1巻分を書き上げた作品』には『無条件で信頼に足る母数を確保する』システムになります。
 B-NOVELの評価は母数さえあれば信頼できる『平均・確率型』です。
 言い換えれば『面白い作品を十万字書けば面白いと評価される制度』です。

 もう一点、B-NOVELのランキングは『加算型数値』ではなく『平均・確率型数値』で順位が決まります。
 ランキング作品に読者が集まるのは色々なサイトで証明済みです。
 以上から『面白い作品を十万字書けば読まれる制度』とも言えます。

一巻分以上書いた作品が有利なランキング

 ランキングシステムの詳細は後述するので、ここでは『ランキングシステム』と『長編主義』との関わりに絞って話をします。

 最初に一言で言ってしまうと、第一巻分まで書かれた作品だけが表示されるランキングと、第一巻分まで書かれた作品の方が有利なランキングがあるということになります。
 B-NOVELのランキングは全部で以下の15種類です。

・日間ランキング
 暫定、十万字、完結

・月間ランキング
 平均点、読了率、満点率、評価率
 
・累計ランキング
 平均点、読了率、満点率、評価率

・奨励ジャンルランキング ※詳細は後述
 平均点、読了率、満点率、評価率

 これまでの内容も考え合わせてもらえばご理解いただけると思いますが、まず日間ランキングの『十万字』『完結』は一巻分以上書いた作品だけが対象になります。

『読了率』についても1巻以上書いた作品だけが対象になります。
 なぜそうするのかというと、読了率という指標では文字数が少ない方が圧倒的に有利になってしまい、不公平だからです。

『平均値』も1巻分以上書いた作品の方が若干有利になります。
 対象こそ2万字以上書かれた作品になりますが、システムの特性上、自然に数値が上がると予想されるからです。
 どういうことか説明すると、以下のような意味です。

 そもそも読み進めているなら、その時点で面白いと感じている確率が高い。
 さらに「2万字で読むのを止めた人」と「一巻分読んだ人」なら「一巻分読んだ人」の方が高い評価をする確率が高い。
 そして「一巻分読んだ人」の方が比重が重いので、自然と1巻分以上書かれた作品の方が『平均値ランキング』において有利と言えるのです。
(しかし有利になり過ぎるようであれば、比重を調整することで対応することになると思います)

 以上まとめると、B-NOVELのランキングは

 ・5/15が1巻以上書いた作品しか載らない。
 ・3/15が1巻以上書いた作品が有利。
 ・それ以外のランキングも2万字以下の作品は載らない。

 よって、B-NOVELのランキングは圧倒的に長編小説が載りやすい。
 ということが言えます。

短編の取り扱い

 最後に短編作品の取り扱いですが、投稿していただくことは可能です。
 ただし、一巻分に届かない限り、大幅に露出機会が限られることになります。
 そのため、短編作品を投稿する場合は『短編集』という形で投稿することを勧めさせていただきます。

4.小説の「ジャンル」「舞台」「作風」の三軸による分類

 小説の分類は重要なものです。
 特に『平均・確率型』の評価制度をもつB-NOVELにとっては重要です。
 ここの認識に読者・作者間の齟齬があると、作品が低評価されてしまうからです。

 ダークファンタジーを読みに来たのにコメディ的な作品だった。
 心温まる恋愛が読みたいのに悲恋だった。

 こういった場合、読者の評価は「面白くなかった」ということになります。
 たとえコメディとして良質でも、悲恋として心を揺さぶられる作品でも、やはり「面白くなかった」となってしまいます。
 好ましくない状況です。
 これを防ぐには『作品を読む前』から内容をある程度知れる仕組みが必要です。
 それが小説の「分類」です。

 しかし現行の分類には大きな問題があります。
 分け方が大雑把であり、しかも複雑に過ぎ、ジャンルを言われても自分の求める内容なのか予想できないという問題です。

 例えば「歴史小説」というジャンルがあります。
 しかし一言で「歴史小説」と言っても、それがどこの国の歴史なのかで、読者の好みは全く異なります。
 中国の歴史小説が好きな人はたしかに「歴史小説」は好きなのでしょう。
 しかし「ヨーロッパの歴史小説」も好きとは限りません。

 以下のような事例も考えられます。
 ダークファンタジーは好きだけど、それ以外の明るいファンタジーは好きではない。
 同じ恋愛小説でも甘い恋模様が好きで、悲恋は嫌い。

 こういうことは当たり前にあります。
 だから既存の「ジャンル」より、もっと詳細に作品を分類する必要があるのです。
 そこでB-NOVELでは「大ジャンル」「小ジャンル」の2段階でジャンルを分ける方法を考えました。
 例えば恋愛という大ジャンルに付随する小ジャンルは以下のようになっています。

ボーイミーツガール
ガールミーツボーイ
愛憎劇
悲恋
ボーイズラブ
ガールズラブ
ラブコメ
青春恋愛
その他(恋愛)

 上のジャンル分けも、いわば“あたりをつけた”だけの段階です。
 不十分だったり過剰だったりするかと思います。
 とはいえ、これでも「読む前に小説の内容を想像できるようにする」という役割はかなり果たせているのではないでしょうか。

 しかし、まだ不足です。

「見所」「舞台」「作風」の三軸による分類

 小説のジャンルには「ジャンルを分ける基準」が何パターンかあります。

 例えば「見所」による分類という分け方があります。
 恋模様を見所にすれば恋愛小説。
 謎解きを見所にすれば推理小説。
 恐怖を見所にすればホラー小説。
 そういった具合です。

「舞台」による分類もあります。
 魔法などの非科学的な力が存在する世界が舞台ならファンタジー。
 現実にはない科学技術が存在する世界が舞台ならSF。
 実在した過去が舞台なら歴史小説や時代小説。

「見所」と「舞台」は言うまでもなく別物です。
(一応、ファンタジーなどは、そのファンタジー世界という『舞台』自体が
『見所』という面もありますが)
 別物である以上、それは一つの小説が兼任していても不思議はありません。

・江戸時代を舞台にした推理小説(時代小説?)
・近未来を舞台にしたゾンビホラー小説(SF小説?)
・ファンタジー世界を舞台にした恋愛小説(ファンタジー小説?)

 上の三つは適当に「舞台」と「見所」を繋げてみただけです。
 しかし、こういう例は数え切れないほどあるはずです。
 しかしながら、ほとんどの小説投稿サイトでは「ジャンル」しか選べません。
「舞台」と「見所」のどちらを強調するかを選ばなければならないのです。

 これは喜んでくれる読者に自作を届けたい作者にとっても、面白いと感じられる作品を読みたい読者にとっても不利益です。
 よって、B-NOVELではこれらを同時に設定し、同時に表示されるようにします。
 つまり、下の画像のような表示になるわけです。

この作品は存在しません

 さらに「作風」も作品の分類に使われる場合があります。

「ライトノベル」
「文芸」
「純文学」

 異論は大いにあるでしょうが、これらは多分に「文体」による分類ではないでしょうか。
 それ以外にも、男性向けなのか、女性向けなのか、大人向けなのか等の「対象」
 ダークなのか、ライトなのか、シリアスなのか、ほのぼのなのか等の「雰囲気」
 悲劇、喜劇、群像劇、戦記などの「構造」

 これらを「作風」として一纏めにし、三つまで選べるようにもしました。
 どういうことなのかは実際に見てもらった方が早いでしょう。

小説検索ページの表示
作風タグ一覧

 いかがでしょうか。
 かなり作者と読者のミスマッチが起こりにくくなっているのではないでしょうか。
 
 

5.ランキング制度


 長編主義の項で、B-NOVELのランキングは全部で以下の15種類と言いました。

 日間ランキング
 暫定、十万字、完結

 月間ランキング
 平均点、読了率、満点率、評価率
 
 累計ランキング
 平均点、読了率、満点率、評価率

 奨励ジャンルランキング ※詳細は後述
 平均点、読了率、満点率、評価率

 お気づきかと思いますが、集客力の影響の少ない「平均・確率」型の数値でランキングにしています。
 これはどうしてかというと、理由は2つ。

 ・『集客力のある作品』ではなく『面白い作品』が多く読まれるようにするため
 ・ジャンル間の格差を軽減するため

集客力のある作品ではなく、面白い作品が多く読まれるようにするため

 これについては「平均、確率型評価制度」の項で書いた通りです。
 加算型の数値で評価すると、読む前にわかる『タイトル・あらすじ』の集客力で読まれる作品が決まってしまいます。
 しかし『タイトル・あらすじ』に集客力があるからといって、作品が面白いとは限りません
 結果として面白くない作品もランキングに載ります。
 ランキング入りした作品には読者が集まるので、そうすると読者は面白くない作品を読むのに時間を取られることになってしまいます。

 これは読者にとって損ですし、ランキングが面白い順に並んでいたらランキング入りするはずだった作者にとっても損です。
 そのためB-NOVELは『平均・確率』という集客力の影響の少ない数値でランキング順位を決めます。

(もちろん読者の数が少なすぎる『平均・確率』は信頼できないので、ある程度の母数をランキング入りの条件にしたいところですが)
 

ジャンル間の格差を軽減するため

 では、ジャンル間の格差を軽減するため、とはどういうことか。
 これはジャンル別ランキングにしてしまうと、必ず「大人気ジャンル」と「不人気ジャンル」が生まれ、結果として「不人気ジャンル」はどれだけ面白くても読まれないという状況を生んでしまうからです。

 作者は読まれたい生き物です。
 読者は評価の高い作品が読みたい生き物です。
 とすると、不人気ジャンルを以下のような構造が支配することになります。

 作者は評価されないから書かない。
 読者は読む作品がないからジャンルから離れる。
 もっと評価されなくなるから作者ももっと書かなくなる。

 どんなジャンルで投稿されたとしても面白い作品は読まれるべきです。
 まして、書きたいと思っている作者は一定数いて、読みたいと思っている読者も一定数いる。
 それなのに一番人気のジャンルでないだけで、書かれず、読まれない
 B-NOVELはこの状況を『悪』だと考えます。

 そういう観点からも『加算型』の数値よりも『平均・確率型』の数値を使った方が理に適っています。
 不人気なジャンルの作品でも、そのジャンルの読者に面白いと思わせることができれば人気ジャンルの作品よりも上位に入り、多くの読者を獲得できるようになるからです。

 しかし、これだけでは不十分と考えます。
 webという空間は現状、ファンタジーが圧倒的に強く、商業では比較的に手堅く売れているジャンルですら読者がいない状態だからです。
 このような状況では、不人気ジャンルの作品でも面白ければランキング上位に来れても無駄になってしまいます。
 これを無駄にしないためにはwebから退散した読者をwebに引き込む策が必要になります。
 

奨励ジャンルランキング 

 そこで『奨励ジャンルランキング』という制度を作ります。
 比較的に人気のない1つのジャンル――『奨励ジャンル』だけを対象にしたランキングを設置し、数ヶ月ごとに『奨励ジャンル』を変更するのです。
 たとえば「奨励ジャンル」が「ホラー」だった場合、B-NOVELのランキングは以下のようになる、ということです。

・日間ランキング
 暫定、十万字、完結

・月間ランキング
 平均点、読了率、満点率、評価率
 
・累計ランキング
 平均点、読了率、満点率、評価率

・ホラー小説ランキング (奨励ジャンルランキング)
 平均点、読了率、満点率、評価率

 小説投稿サイトにおける、作品への最大の導線はランキングです。
 そのジャンルだけのランキングがあれば、そのジャンルの作品が圧倒的に読まれやすくなるということでもあります。
 こうすればwebから離れていた「不人気ジャンル」の作者・読者たちにも

「不人気とされていたジャンルも日の目を浴びる可能性がある」

 と認識し、もう一度webの場に戻って来てもらえるのではないでしょうか。

 もちろんB-NOVELでは他のランキングも『平均・確率型』です。
 絶対数の影響が小さいため、不人気ジャンルだから奨励ジャンルランキング以外には載れないということはありません
 単純に『奨励ジャンル』の作品の露出が増えるだけです。
 他のランキングと奨励ジャンルランキングに重複して掲載される作品も出てくることになります。
 その光景を見せることが出来れば、離れかけていた読者を引きつける効果を一層発揮できるのではないでしょうか。

 なお、どのジャンルを『奨励ジャンル』にするかは未定です。
 決定方法は、また別途告知することになります。
 一種のイベントのような形を取ろうと思いますので、どうかお楽しみに。

6.不正対策

 今まで何度か

「不正対策の項で ~ おそらくは問題ない」

 と言ってきましたが、ここでその根拠を御説明します。
 ここでいう不正とはつまり「悪意ある評価操作」であり、上で言っているのはそれを心配しないでいいという意味です。
 
 まず最大の根拠はB-NOVELと同じように『平均値』を使っているハーメルン様の作品評価が概ね「悪意ある評価操作」から守られているからです。

 しかし、こういった反論もあるでしょう。
 ハーメルンの『平均値』が上手くいっているのは二次創作小説を主に扱っていたり、サイト開設時の空気や流れが生んだ特殊な文化によるものだ。
 だから他のサイトが『平均値』を使えば失敗する。

 これも一理あります。
 ハーメルンが特殊なのは間違いありません。
 しかしハーメルンの『平均値』が守られているのは、文化というふんわりした理由の他にも、ハッキリした制度上の理由があります。
 そのハッキリした制度を参考にすれば、少なくとも不正を減らすことはできます。

 以下では、まずハーメルンの防御システムについて解説します。
 次にB-NOVEL独自の防御システムを加えることで、文化を差し引いても盤石なシステムにできることを説明しようと思います。

調整平均制

 一つの小説に寄せられた評価のうち、高評価の上から10%と低評価の下から10%を間引き、中の80%のみで平均値を計算する方法です。
 言葉では分かり難いと思いますので、下に例を挙げます。

 ☆5 20人
 ☆4 60人
 ☆3 10人
 ☆2 5人
 ☆1 5人
 合計 100人

 普通の計算をすると、上の作品の平均値は☆3.85個ということになります。
 調整平均性ではここから合計100人のうちの上下から10%分ずつを間引きます。
 すると、☆5の20人から10人と、☆1☆2の5人ずつ(合計10人)が間引かれるので、以下のようになります。

 ☆5 10人
 ☆4 60人
 ☆3 10人
 ☆2 0人
 ☆1 0人
 合計 80人

 計算すると、平均値は☆4.0個ということになります。
 では、なぜこんな面倒な計算をするかといえば、作品を悪意ある評価から守るためです。
 こんなことで守れるのかと言えば、概ね守れると言えます。

 そもそも悪意のある評価をするのは極一部です。
 評価者全体で見れば一桁%にも届きません。
 だから単純に10%も間引けば、悪意ある評価から作品を守れると言えるのです。

“晒し首会場”

 もう一つ、ハーメルンには特殊な防御システムがあります。
「利用規約違反一覧」、俗にいう晒し首会場の存在です。
 見てもらうと早いのですが、ここには利用規約に違反し、運営が何らかの対応をとったユーザーの名前、違反した規約、対応の詳細が書かれています。

 なぜこんなことをするのか。
 それはハーメルン運営に聞かない限りは予想するしかありませんが、一つには“見せしめ”的な目的もあるのだと思われます。
 いえ、仮に意図がなかったとしても、以下のような『メッセージ』をユーザーに与えているのは間違いありません。

・規約違反者はバレます。
・規約違反者には厳しく対応します。

 というメッセージです。
 すると「もしかしたら不正してもバレないんじゃないか」と考えているユーザーは

「あっ、やっぱりバレるんだ」
「じゃあ、しない方がいいかな」

 と思い止まる可能性が上がり、結果として作品の評価が守られるのです。

 正直に言えば、特定ユーザーの行動を名指しで批判する仕組みは好きではないのですが、有効な制度ではあります。
 僕個人の価値観としても、作品の適正な評価が不能になるよりはこういう仕組みを作ってでも適正な評価が守る方が大切と考えています。

 現時点では、この制度を導入する気はありません。
 しかし、もし不正が多くなるのであれば、このような対応も止むなしかというのが正直なところです。

 以上がハーメルン様が独自に行っている不正対策です。
 かなり効果的であり、これだけでもかなり不正を防げると考えられます。
 しかし上にも書いたようにB-NOVELでは念を押して、さらに『不正への障壁』を設けます。

最低二万字

 いま問題にしている「悪意ある評価」には以下のようなタイプがあります。

 ・評価クラスタ
  作家同士で徒党を組み、徒党の仲間内でポイントを入れ合う。

 ・評価依頼
  作家が第三者に依頼して自作品を評価してもらう。
  お金を払って評価を入れてもらう事例もあるようです。

 ・低評価攻撃
  気に入らない作品に対して最低評価を入れる。

 これらには共通点があります。
 手間を嫌うという点です。
 彼らは作品が好きなわけではないからです。
 好きで、楽しいと思っているわけではなく、頼まれたり、逆に嫌いだからという理由で、わざわざ「評価する」という手間をかけているからです。
 当然、彼らからしてみれば手間は少ない方が良いと言えます。

 評価クラスタであれば、手間をかけるより自分の作品を書きたいでしょう。
 評価依頼であれば、手間が必要な分だけ「時給」が下がってしまいますから、やはり手間は少ない方がいい。
 低評価攻撃についても、嫌いな作品に手間をかけるより、サクッと低評価を入れられた方が都合がいいに決まっています。

 なので、B-NOVELでは彼らに手間をかけてもらうことにします。
 それが「最低2万字は読まないと評価できない制度」です。

 これだけでもかなり「悪意ある評価」を防げるはずです。
 僕の見たところ、上に挙げた人々は断固たる決意をもって評価を操作するわけではないからです。

 例えば評価クラスタによって高評価を受けている作品は基本的にPVが伸びていません。
 場合によっては評価ポイントよりもPVが少ない作品すらあります。
 クラスタメンバーは基本的に作品を読まないからです。
 そういう人たちがB-NOVELに来て

「2万字は読まないと評価できない」

 と言われたとき、急に仲間意識に目覚めて2万字も読むでしょうか
 僕には読むとは思えません。

 評価依頼についても同様です。
 依頼人への好意だけで2万字も小説を読む人は限られます。
 有償で評価依頼を請け負い、大量の評価ポイントを入れる人もいるそうですが、2万字を読むには速い人でも10分程度はかかります
 新規のアカウントを作って同じ作品に評価を入れるなら、もっと時間がかかるでしょう。
(そもそも複アカは運営が概ね把握できます
 評価依頼の問題が表面化するのは年に数回程度という、あまり多いとは言えないことでもあります。
 2万字を読む手間がかかるなら、もっと件数が減るのは明白です。
 以上から評価依頼を受ける人は激減するという予想も立ちます。

 低評価攻撃についても、やはり大きな問題にはなりません。
 そもそも人間の心理として、嫌いなものに手間をかけたくないものです。
 その人間心理を乗り越え、強い意志で嫌いな作品を2万字も読んで低評価を入れ続けるような人は稀少です。
 いたとして、そういうバイタリティを持て余している人は他の作品にも同じことをしている可能性が高いと言えます。
 そういう人はやはり運営側で把握できますし、垢BANや評価機能のロックなどの対応も取れます。

 この上で調整平均制です。
 他のサイトより「悪意ある評価」に手間がかかる上に、評価者の10%以上が「悪意ある評価」をしなければ無効になるのです。
 たしかに100%、全ての作品がすべての「悪意ある評価」から守られるとは断言できません。
 しかし守れないのは希有な「例外」だとも断言できます。 
 もちろん作品の評価が操作されている気配があるなら運営に連絡していただければ調査を行いますし、そういう不幸な「例外」が発生しないようにできる限りの努力もします。

7.低評価作品の取り扱い

 最後になりますが、ある意味でここが最も重要な事柄になります。
 サイトの利用者に強い心理的な負担を強いることになるからです。
 場合によっては運営の側で、評価の低かった作品の非公開化に踏み切らなければならないと考えているのです。

 いきなり「評価の低かった作品の非公開化」と言われても反感を覚えられるでしょう。
 それが当たり前の反応だと思います。
 しかし僕は「面白い作品は読まれる」にはおそらく必要な処置だろうと考えているので、この場で説明をさせていただこうと思います。
 欠点は説明するまでもないと思われますので『利点』だけを書いていきます。

 また前提として

 1.削除対象になるのは『信頼できるだけの母数』を確保でき、ある程度評価が固まった作品のみになること。
 2.B-NOVELの最大の懸念は『埋もれた名作』が発生しないような『統計を信頼できるだけの読者数』を『一巻分以上書かれた全ての作品』に確保できるかどうかにあること。
 以上、2点は御承知おきください。

作者視点の利点

 意外かもしれませんが、利点は作者にとっての利点はかなり多いと言えます。

 ・埋もれる名作が減る。
 ・面白い作品はさらに読まれるようになる。
 ・他サイトで読まれない作品も『統計を信頼できるだけの読者数』は確保できる。

 なぜこういう利点が生まれると言えるのか。
 単純な話で、非公開化された作品を読むはずだった読者が他の作品に流れるからです。
 そして、こういう『評価が比較的低い作品』や『まだ埋もれている作品』を読むのは『スコッパー気質』の読者が多いはずです。

 そういう読者が『埋もれた名作』に流れれば、埋もれたままになる確率が減ります。
 また、当然『名作とは言えない埋もれた作品』にも読者が流れてくるので、こういう作品も読者数――母数――が増えることになります。

「B-NOVELに存在する『面白い長編小説』が例外なく読まれるようにする」
「そのため、まずは『一巻分書かれた全ての作品』に『統計を信頼できるだけの母数』を確保する」

 この目標がグッと実現に近づくのです。
 たしかに流れてくる読者が『スコッパー気質』でないこともあります。
 そういう読者は『すでに評価の高い作品』を読むはずです。
 しかし、これはこれで『面白い作品』に読者が集まるという健全な話でしかありません。
 

読者視点の利点

 次に読者側の利点としては以下の点が挙げられます。

 ・面白い作品を見つけるまでの時間が短くなる。(コスパが上がる
 ・そもそも『スコップ』する必要性が薄くなり、する場合も楽になる。

 今回も例によって何故そうなるかという話をしたいのですが、その前にまた前提を確認しなければなりません。

 1.B-NOVELが掲げる「面白ければ読まれる」という文言の「面白ければ」には「読者にとって」という枕詞がついていること。
 2.そういう観点に立つとき、よく言われる『全ての作品には等しい価値がある』というような言葉は明白に『嘘』であること。
(『全ての作品は絶対に誰かにとっては価値がある』という言葉は否定しません。これなら僕も真実だと思います)
 3.B-NOVELの『平均・確率型』評価制度において、評価の低い作品は『読者が面白いと感じる深度・確率が小さい』作品であること。

 上の前提を御理解いただければ、上に挙げた『読者側の利点』も御理解いただけるかと思います。

 さらにイメージしやすいように例を挙げましょう。
 読者が適当に10作品ほど手に取った場面を思い浮かべてください。
 このとき『面白いと感じる深度・確率が小さい』作品がある程度非公開化されていた場合と、されていなかった場合。
 どちらが『面白いと感じる深度・確率が大きい』作品を多く手に取れているでしょうか?

 このとき手に取った作品の中に『面白いと感じる深度・確率が大きい』作品が8作あった場合と、2作しかなかった場合。
 どちらが幸福でしょうか?

 スコップする場合も同じです。
 読者が適当に10作品ほどスコップした場合。
 このとき『面白いと感じる深度・確率が小さい』作品がある程度非公開化されていた場合と、されていなかった場合。
 どちらが『面白いと感じる深度・確率が大きい』作品を多くスコップできるでしょうか?

 このとき『面白いと感じる深度・確率が大きい』作品を5作スコップできた場合と、2作しかスコップできなかった場合。
 どちらが幸福でしょうか?

 たしかに以下のような方もいるとは思います。

「スコップする作業自体が楽しいから『自分が面白いと感じない作品』もあった方がいい」

 こういう方は僕も深く尊敬するところです。
 しかし多くの人は短時間で多くの良作を見つけられた方がいいと考えるのではないでしょうか。

読者と作者の利益

 以上、評価の低い作品を非公開化する『作者側の利点』と『読者側の利点』でした。
 ここで、もう一点だけ補足します。
『作者側の利点』『読者側の利点』ですが、この二つは繋がっているものでもあります。

 読者の利益の多い場所には読者が集まります。
 これはつまるところ、小説を読んで欲しい作者にとっての利益でもあります。
 作者の利益の多い場所には作者が集まります。
 これもつまりは多くの小説を読みたい読者にとっての利益でもあります。

 個人ではなく『作者』と『読者』という集団の括りで見たとき

「サイト側が評価の低い作品を非公開化する」

 という暴挙は大きな利益を双方にもたらすことができるのです。

 いかがでしょうか。
「サイト側が作品を非公開化する」こと自体が不快という方がいるのは当然ですが、ここまででも一理くらいはあるものと思っていただけたのではないでしょうか。

最後に

 以上、B-NOVELの説明書でした。
 まだ今後も色々な機能を追加したり、評価比重やジャンルなどバランス調整もこれからという部分もあります。
 しかしサイト設計についての考え方は、今後も大きくは変わらないと思っています。
 まだまだ機能を追加していきますが、新機能等の実装・運用についても、上に書いてきた考えに沿って行われるはずです。
(まだまだ先になるでしょうが、作者やレビュアーに対する利益還元もしていきたいと考えています)

 ただしこの一ヶ月で、あることに関しては大きく考えが変わりました。
 作品の宣伝についてです。
 今まで作品の宣伝は、ユーザーが反応した場合に限り、その反応をX上でリポスト等をするだけに留めていました。
 これはサイト設計上、運営が小説の評価に関与すべきではないという考えに基づくものでした。

 この考え自体は変わっていません。
 しかし、まだまだB-NOVELには読者が足りません
 せっかく作品を投稿していただいたにも関わらず、十万字以上も投稿してくださった作品が45作もあるにも関わらず。
 まだ読者を一人も獲得出来ていない作品も多くあるという状況です。
 面白ければ読まれるという目標には、まったく届いていません

 そのため、今月からは運営も積極的に作品の宣伝をしていくことに決めました。
 手始めにこれから4週間、毎週土曜日に1作ずつ2千字以上の宣伝文を投稿します。
 僕個人の好みが入ることは避けられず、そのため不公平と感じる方もいらっしゃるかとは思います。
 しかし、これもB-NOVELを盛り上げるためであり、引いては投稿していただいた全ての作品のためと御理解いただけますと幸いです。

 以上になります。
 不明点や御要望等があればtwitterやサイト内の問い合わせフォームからご連絡いただければと思います。

 記事を読んで興味をお持ちいただけた方は、以下のURLから遊びにきていただけますと幸いです。

https://www.bays-novel.com/

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