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心の弱さ 最終話

新型コロナウイルスで休校になったのを利用して私は姉と2人で中学生の頃の恩師に会いにいった。ちょうど、中学校の卒業式でバタバタしていた日だった。ファミレスで待ち合わせた。しばらく2人でソワソワしながら待った。こういうのは初めてなのでちゃんと先生に会えるかどうか不安でドキドキしていた。

1時間後、扉が開いて先生の姿が見えた。

夜ご飯をそれぞれ注文して、最初は姉が近況報告をした。私は先生から「勉強どうね?」と聞かれて、話し始めた。今まで抱えていた悩みを全て。重い空気になるかなと思ったが、私の話を聞き終えると先生は

「悩め、悩め」

と笑顔で言ったのだ。私が抱えている悩みは人生で通過すべきもので、悩んだ分だけ成長できると、悩むことを肯定してくれた。悩む事があっても、いつの間にか乗り越えれるからと、前に進む事を後押ししてくれた。

今日、本当に出会えてよかったな。心からそう思った。

かなり話し込んで、気付いたら夜の11時。未成年だからと、解散した。ずっと楽しかった。中学生の頃とは違った感覚で恩師に会うことは、私にとって、前を向くきっかけになった。

私はまだまだ子供だ。大人からしたら、なんて小さい事でウジウジしているんだと笑われると思う。自分の世界は狭いものだし、将来に希望や目標があるわけじゃない。すぐに自分を見失うし、ひょんな事で心の中にドロドロした物ができてそれに引きずられる。

高校に入って約1年、私は自分の心の弱さを自覚した。

いろんな人に迷惑をかけて、いろんな人に救ってもらった。

今では、悩むことも、辛い、苦しいと吐き出すことも、逃げることも、全て良いことだと思える。弱い心は鍛えれば良い。鍛え方は知らない。でも、人生を放棄しないで、毎日を必死に生きて、たくさん悩む事で、必ず成長できると信じている。

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