見出し画像

ファクハク×静鉄×JA静岡中央会研修vol.1⑤村田ボーリング技研チーム

こんにちは!静岡鉄道とJA静岡中央会の村田ボーリング技研チームです!

ファクハクに向け村田ボーリング技研の皆さんとひとつになり日々試行錯誤を重ねています。
今回はそんな私たちの取り組みを主に

  • 村田ボーリング技研の概要

  • ファクハクに参加する目的

  • ファクハクに向けた話し合いの様子

  • 9/29,30で実施されたプレイベントの様子

に分けてお話させていただきます。

<村田概要>

皆さん「村田ボーリング技研株式会社」の「ボーリング」とは何のことかご存じですか?
ピンを倒すボーリングや地質調査のボーリングが思いつくかもしれませんが、実はどちらでもなくエンジンの修理のことをいいます(エンジンのシリンダー内径をボアという。これを元に戻すのでボーリング)。
それでは村田ボーリングはエンジンの修理をしている会社かというと、今はそうではありません。
しかし、創業当時から「社員とその家族、そして取り巻く全ての人々の安心と幸福を実現する」という理念は変わっておらず、その想いを引き継ぐという意味を込めて「村田ボーリング技研株式会社」のままとしてるのです。
エンジンの修理をしていないとなると、村田ボーリングは何をしている会社なのか?
皆さん疑問に思うかもしれません。
答えは一言でいうと主に「溶射」をしています。

「溶射」とは溶かした金属などを素材に吹き付けて、表面をコーティングする技術のことです。溶射によって機械部品の摩耗した部分だけ修復することができ、機械全てを買い替える必要がないため、コストを抑えることができます。
村田ボーリングは、摩耗した部品に溶射するために下地を整える「旋盤」、金属を吹き付ける「溶射」、溶射して盛り上がった部分を調える「研磨」の工程を一社で完結させられることが強みです。

なんとこの流れを一社で完結できるのは全国で数えるほど!
これによって時間もお金も節約できるんです。

<参加目的>

村田ボーリングの仕事は主に工業用機械の部品の修理や製作であり、一般消費者の方々からすると、少し遠い存在に感じるものかもしれません。しかし、村田の技術は私たち消費者が日々生活を送る中での「当たり前」を陰ながら支えています。
そんな村田には、全国でも数えるほどしかいない貴重な技術を持つ職人さんがたくさんいます。ただ、日々当たり前のように仕事をしている職人さんたちは、意外と自分たちの技術の希少性、重要性になかなか気付くことができていません。
今回のファクハクを通じて身近な家族や友人、お知り合い、そして一般の方々に職人さんたちの仕事を肌で感じていただき、その技術や思いに触れてもらいたい。
少しでも村田を身近に感じてもらいたい。そして、感動しているお客様の反応を通じて、今一度職人さんたちに自分たちの技術の素晴らしさ、社会における重要性を実感し、誇りをもって働いてほしい。
また、工場見学を通じて生まれたさまざまな思いで静岡を盛り上げたい!
そんな思いでファクハクへの参加を決意しました。

<話し合いの様子>

8月18日に初めての顔合わせをしたのち、週に一回ハイブリッド形式でMTGを開催しており、ファクハクに向けた課題整理やアイディア出しをしています。
参加メンバーは、実際に工場で作業される方から採用や事務をご担当される方まで、幅広く有志で構成されています。私共含め合計10名で、いつも和気あいあいとミーティングをしております!

はじめてミーティングに参加する前はやはり緊張しておりましたが、リーダーの村田浩康さんはじめ村田ボーリング技研のみなさまに気さくに接していただいているおかげで、チームの一員として溶け込むことができています。

また、まだ業界の知識のない中でも私共の意見を尊重して聞いてくださるため、硬い雰囲気ではなくメンバー全員でフラットに意見を出し合っております!

どれくらい気さくに接してくださるかというと。。。。それは村田ボーリング技研のInstagramでご確認いただけますのでぜひチェックしてくださいね♪

<参加目的>にて前述の通り、今回のファクハクに向けての大きな課題は「一般の方向けの見学内容構築」ということです。
工場見学自体はこれまでも実施しておりましたが、その多くが業界の方へ向けたものでしたので使い回しがあまりできません。さらに、村田はBtoBでかつ技術が売りの業種で、お仕事も業界の方でないと想像しづらい内容のため、単なる「紹介・説明」では一般のお客様にはほとんど響かないまま終わってしまいます。
そのようなこともあり、今回は「とにかく一般の方々にも楽しく安全にご見学いただく」を軸に据え、毎回ミーティングを実施しております。

工程の概要

さらに、村田では9月29日㈮と9月30日㈯にリハーサルイベントを実施することになっていたため、研修スタートからの約1か月の間で一から内容を組み立てなくてはならず、スピード感を持って進めていく必要がありました。
何なら魅力を感じてもらえるか、どのくらいの時間ならお客様が耐えられるか、どの程度まで理解してほしいか、どのような動線なら見やすいか、何人人員を割くか、など実に様々な決定軸が存在し頭を悩ませるミーティングも多くありました。
特に工場見学の部分については「何をどこまで紹介するか」の取捨選択が非常に難しい点でした。すべてを話しつくしても理解が追い付かないですし、村田の特殊な業種の都合上省きすぎても理解しやすくなるかといえばそうでもなく、そのバランス感を探って定めるにあたっては様々な葛藤もありましたし、勇気も必要でした。1から工場見学を組み立てることの大変さを痛感したところです。。。

「内容を決める」までがとても大変な中でしたが、ミーティングやファクハク推進メンバー以外の方にもご協力いただくことで、課題に対し一定の方向性を定めていきました。

  • 見学前の座学を削り、現地で必要なことを説明し飽きを防ぐ。

  • 見学工程を大きく3部門に区切り、各工程の印象的な部分を中心に紹介する。

  • 唐突な専門用語を避ける

  • 身近に想像しやすい物で例える。

  • 説明時にはスケッチブックによるスライドを用い、分かりやすさを向上させる。

  • 実物確認、実演、インタビューを交え抑揚を付ける。

以上の内容も踏まえて、9月29日㈮は1回、9月30日㈯は3回の計四回のリハーサルイベントを実施することになりました。

<実際にやってみた(リハーサルイベント当日)>

…ということで、無事当日を迎えました。
おかげさまで金曜日は9名、土曜日は合計12名の方々にご参加いただきました!ありがとうございます!
最終的に1回あたり約2時間~2時間30分コースとなりましたが、皆様には楽しんでご参加いただけたようでホッとしました。

まずはイントロ

イントロでは工場見学がより分かりやすくなるよう、村田がどんな仕事をしているのか、どんな強みがあるのかを座学形式でご説明いたしました。
土曜日の回は静岡鉄道・JA静岡中央会のメンバーが村田の社員になりきってご説明をいたしました!

続いて部品に溶射する前の前処理工程へ映ります。
こちらでは村田のベテランリーダーの方からご説明!ベテランならではの落ち着いたご説明と知識量でとても安心感があります!

こちらでは実際に前処理のための削る作業を実演!リーダーによる実演もあり臨場感がわきます!
一通りの作業ののち、今度はリーダーから作業スタッフへインタビュー!実際に職人さんに口にしていただくことで、やりがいや難しさがよりリアルに伝わります。

つづいて今回の工場見学で最も迫力のある溶射ブースに移動
溶射ブースからはご担当の方謹製のスケッチブックスライドが登場!一般の方にもイメージしやすい表現や飽きないような言い回しに最大限の配慮がなされております!

見る、触るの要素がたくさん用意されています!

そしてメインの溶射シーンでは、3種類の溶射を見学!どれも見た目や音に迫力がありとても印象に残ります

メタ
サーモ

さらに溶射パートでは実際に使用するガンを持って写真撮影が可能!サングラスもあいまって皆様楽しく撮影されておりました!ちなみにこのガン、想像以上に重いです…

もちろんこのパートでもそれぞれの職人さんにインタビューを実施。お客様からの質問もたくさんいただきました。
 
続いて、溶射の後に部品の表面を整える研磨工場へ移動!
研磨工場でも担当の方によるスケッチブックスライドが登場!一つ一つの表現が分かりやすく、初心者の方でも理解しやすくなっています。

研磨工場では溶射のよう強烈なインパクトはないものの、実況スタイルで実演をすることで興味をひきつけられる構成となっておりました。

職人さんの一つ一つの手つき顔つき、部品が磨きあがっていく瞬間や火花が散る瞬間など、皆で固唾をのんで見守ります。

研磨は基本的に最終工程となるため、ここでミスをするとこれまでの作業が振出しに戻ります。また自社では修復不可能な部分まで削ることがあるので、その責任の重さが分かります。
最大で1/1000単位での調整を人の手で行うとのこと…毎日20段トランプタワーを作るような神経の使い方です。
 
今回を踏まえて、本番に向けて以下の課題に取り組んでいきたいと思います!

・見学時間の短縮
イベント中は何か所か工場を回りたい人も多いと予想される中、ひとつの工場で2時間半かかってしまうと、参加ハードルが上がってしまうのではないか。また、一般の参加者さんが楽しく集中して見学することが難しいかもしれない。そのため、細かな説明を省略し、見学を通じて肌感覚で感動してもらえる方法を検討する。

・玄人コースの設定
一般参加者の参加ハードルを下げる一方で、製造業に詳しくより深い内容を知りたい参加者にとっては少し物足りない内容になってしまう可能性があるのではないか。
見学行程を2パターンに分け、「玄人コース」を設定し事前に周知することを検討。参加者の属性に合わせてコースを設定することで、より多くの人に満足していただけるような工場見学を目指す。

・ワークショップの実施検討
ワークショップで楽しく村田の技術に触れる機会を作りたいと思っているが、プレイベントではオペレーションや内容がまとまらず実施できなかったため、本番での実施を検討する。

・自社製品の製作
本番までには、工場見学で触れた技術を持ち帰ってもらえるような製品の製作を検討する。

このように短い期間で課題は山積みですが、ひとつひとつとしっかり向き合い、当日はお越しいただくお客様とお迎えする村田ボーリングチーム双方が、充実感に溢れ、余すことなく村田の魅力を伝えられる1日にしたいと思います!

最後までご覧いただきましてありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?