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2024年ファクハクに向けて

大成功だった2023年の熱がさめやらぬまま、2024年の開催が決まりさらに盛り上がるファクハク。普段見られない工場を開放して、多くの方に“モノづくり”の魅力に触れていただくイベントですが、お客様を迎え入れる工場の側にも素晴らしい効果が表れています。もちろん、私たちナガハシ印刷でも見られることで芽生えた意識の変化があり、働く表情まで変わったように感じます(みんな凜々しくなったような・・・?)。
 工場の意識まで向上させてしまうファクハク。この素晴らしいイベントが恒常的に開かれていくようナガハシ印刷も全力で取り組みます!と、前口上はこれくらいにして、ナガハシ印刷の工場のお話を始めます!!

いいかげんノートができるまで

まだまだ、知らない方たちが多くいらっしゃると思いますが、ナガハシ印刷では自社開発の文房具の製造と販売をしています。“いいかげんノート”(しずおか女子きらっ☆プロジェクト認定、グッドデザインしずおか特別賞受賞)という、かく楽しみにこだわった商品を皮切りに展開している“いいかげんシリーズ”や紙の面白さに着目した“カミアウシリーズ”など、印刷会社ならではの技術、知識、アイデアをふんだんに生かして、ナガハシ印刷だからこそという商品を多数生み出しています。

 今回は、「いいかげんノート いろちがい いちご」の増刷とタイミングがあったので、この商品が完成するまでの工程をご紹介いたします!!

いいかげんノート いろちがい いちご

いいかげんノート いちご

「いいかげんノート いろちがい いちご」は、A5 サイズ 64 ページ中綴じ製本という仕様です。
中綴じ製本は、図のように中央部分を針金で止める製本方法です。したがって、A5 サイズの倍の大きさの紙を半分に折り、それを 16 枚重ねて、外側に表紙を付けて針金で閉じればA5 サイズ 64 ページのいいかげんノートが完成します。

面付けってな~に?

それでは、A5サイズの倍、つまりA4サイズで沢山印刷すれば良い・・・とならないのが、印刷の面白いところ。資源を最大限に活用して、機械の性能を最大限に引き出し、その工程を効率化するのが「面付け」という技術です。これを簡単に説明すると、大きな紙に、沢山絵柄を並べて一気に印刷するという方法です。一ページずつ印刷するよりもはるかに効率的なのは一目瞭然ですね?さらに、後の製本加工を見据え紙を折ることで本の形をなし、それを組み合わせて製本できるというのが素晴らしい!まさに、先人たちが生み出した叡智の結晶です!

印刷をする前に、

いいかげんノートは「トモエリバー 菊判 31kg」という用紙を使っています。菊判というのは紙の大きさで、939mm×636㎜というサイズです。しかし、今回ノートの印刷に使う機械ではこの大きさの紙を印刷できません。そこで、まず紙を印刷するのに適したサイズに断裁する「大裁ち」を行います。今回の場合は、約半分にして使用します。したがって、面付けもそれに適したように行います。

いよいよ印刷!

前述の「面付け」を行った版を印刷機にセットして印刷開始!デザイナーが指定した特色のインクを配合して刷り出しを行っていきます。チェックと調整を繰り返しながら、想定どおりのクオリティを実現していきます。ここでデザイナーが思い描いた表現が実現できたらいよいよ、機械を本格的に稼働させていきます。「パシ、パシ」と心地よいリズムで紙が運ばれ、次々とノートの本文が刷り上がっていきます。

印刷の様子
色の確認

早速刷り出されてきた印刷の品質をチェック、正確な色の表現ができているのか?ズレはないのか?オペレーターの視線も、自然と厳しくなります。

印刷の次?

無事印刷が完了して、これで完成!・・・なんてことはありません。ここからは製本の作業・・・とは言っても、製本は協力会社さんで行います。しかし、印刷物をそのままポイっと手配すれば本になって帰ってくる!な~ん。てことはありません長いお付き合いでツーカーの仲の協力会社さん相手でも甘えてはいけません。手配の前に、今一度刷り上がりをチェックして、実際に自分の手で折り、加工をして見本を作り、それと一緒に製本会社さんに手配をします。この工程で重大なエラーに気付くこともあるので、自分の手で、折って加工していくことはとても重要です。

本になっても終わらない?

製本会社さんで、ノートの形になって帰ってきた「いいかげんノート いろちがい いちご」ですが、完成までに大事な工程を残しています。それが、検品とパッケージングです。どれほど腕の良いオペレーターが印刷をしたとしても、わずかな汚れが付いてしまうことがあります。或いは、製本の過程で紙が擦れて傷がついてしまうこともあります。そういった製品が商品に混ざらないように一冊、一冊手に取りページをめくりチェックをします。そして、その良品をパッケージングして、はじめて商品が完成するのです。

商品の完成まで、沢山の“手”と“目”によって、実現されていくクオリティ。デザイナー、オペレーター・・・それだけじゃない多くの人の想いがカタチになるのがナガハシ印刷のモノづくりです。2024年のファクハクでも、面白いモノを見せられるよう鋭意企画中ですので、ぜひ期待をしてください!また、ファクハク開催までnoteを通じて、モノづくり、印刷、工場のオモシロさをお伝えしていきます!

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