音楽会

ころあい自然楽校 小学部スタッフ静です。
今日、4年目にして初めての音楽会が行われました。

私、音楽会が大好きなんです。
だからころあい自然楽校が始まってから、何度も何度も音楽会しない?と提案しては、えー!!!と言われて却下されておりました。

実は、ころあい自然楽校が始まったころの子どもたちは、ものすご~い恥ずかしがり屋さんだらけでした。

はじめて保護者の人に見せたのは、
開校から1年たったころに行った「劇」だったのですが
(詳しくは、下の記事から!)

その時に4年生だったAちゃんBちゃんなんて、お母さんに見てほしい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り混じって、部屋の外から声だけ聴いて!と言っていました。
(結局お母さんたちは、大きな板を部屋に持って入り、その板の裏からこっそり覗くという、斬新な参観スタイルに!笑)

学習発表会も、実現までには結構時間がかかりました。
(確か2年目の3学期だったかな!)
みんなの前で交代で発表する形式もやってみたのですが、それだと緊張するので、お店屋さんスタイルがいい!など、
とにかく、ドキドキに敏感な子どもたちなんです。

それなのに今年、6年生になったAちゃんが、みんなで音楽会がしたいというのです。
いいね、やろうやろうと子どもたち。

何の曲をする?から話し合いが始まって、今日までおよそ2か月。練習をしてきました。

その本番が今日だったのです。

それぞれのお気に入りの曲をたくさん言って。
やりたい曲から練習を始めました。

積極的にガンガン練習を始める子。
友だちの様子を見ながら、途中から練習しだした子。
あんまり来られなかったからと、かざりをたくさん作ってきた子は、一緒にやろうよと誘われて、直前に2曲も参加することになり、ほぼぶっつけ本番でも、ドキドキしながら挑戦していました。

ケンカしたり、泣いたり、焦ったり、笑いころげたり。
やっぱやめた!とか、さらにこれにも挑戦してみる!とか。いろんなドラマがありながら。
毎日毎日、朝からピアニカの音が鳴り響いて、ついに本番。

お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、それに学校の地域の方まで見に来てくれて。
お客さんの数はなんと30人越え!!!

あんなにシャイな子どもたちが、大丈夫なのかしら!!???
見知らぬ人に敏感なあの子はパニックにならないかしら!!!!!

いらぬ大人の心配をよそに。
子どもたちは楽器やダンス、歌や絵、それぞれの方法で、
思いっきり自分を表現していました。

子どもはそれぞれ、心に自分のコンパスを持っているのだと思います。

音楽会をやろう!となった時、コンパスがぐーんと動いて挑戦を始めた子は、3,4人だったと思います。

けれどその3,4人の挑戦を見て、周りの子どものコンパスも、だんだんと動き始めたのが分かりました。

そして動き始めた子どもたちに、ちょっと頑張ればできる課題を渡すと、
あっという間に、ものすごい速さで成長していく所を目の当たりにしました。

何かに挑戦してみたい!
何かができるようになりたい!!
心のコンパスが、未来に向かって指した時、
人はものすごいパワーを発揮するんだな。
それを深く実感させてもらった素晴らしいステージでした。

私達スタッフは、ここに来る子どもたちの可能性を、最大限伸ばす手伝いをするのが仕事です。

音楽会なんてなーんにもやりたくないという1年生のCくん。
スタッフは悩まされました。
なんでやりたくないのかな?っていろいろ父ちゃん母ちゃんと想像したり。あの手この手で誘ってみたり。

スタッフの本音は何としても、ぜひとも、彼にも何か挑戦してほしいのです。

だけど。。。これをやりなさい!!!と
コンパスの針を無理やりぐいと引っ張りたくなるのだけれど、
あんまりいいことないなと思います。

かといって、針がぐるぐる回っているのを放っておくのは違います。

どうしてかなって対話して。その子がちょうどチャレンジできそうなことを見極めて、誘っていきました。音楽会だからと、音楽スマートだけに目を奪われず、いろいろな観点から。

けれど、やるかやらないかの自由は子どもにある。それを肝に銘じていました。

当日、彼は裏方仕事が主でしたが、絵や音響など、めちゃくちゃ頑張っていました。

スタッフのお願いを聞いてくれたような形で、自分から前のめりに積極的に、というわけではなかったけれど。
でも、コンパスの針を無理やり動かさずにいられたかな、と思っています。

今回の音楽会で、子どもたちの心にはまた、たくさんの種が蒔かれただろうと思います。

父ちゃん母ちゃんたちのリコーダー演奏。緊張で手が震えてたね。
みんなの前で一人で堂々とマイクで歌ってた子。すっげーな。
あんなに難しかったのに、できるようになった!!!

誰にも強制されず、自分で見つけたコンパスの行先。

超シャイから始まったのに、いつの間にか芽吹いていたものが、
こつんと押して指した、思いがけないコンパスの行先。

みんなでだからたどり着けた、コンパスの行先。

今日の種は、どんな風に芽吹くだろうな。楽しみです。


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