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事業承継はいつできるのか①

事業承継をするということ

 ファミリービジネスのオーナー一族(娘婿)として老舗の建設会社の経営に携わっている。当社は数年前に社長が交代し役員も若返り(私は取締役)、そのタイミングで事業承継は終わったことになっている。一方でまだ組織として不安定なところは多い。取締役としての僕の役割もたくさんある。会社の現状を見ながら本当の事業承継とは何なのか、事業承継した経営陣(社長だけでなく)に必要なことは何か、自分なりの考え方を整理しておきたい。

安定しているが故の承継の難しさ

 当社は、建設業という斜陽産業を代表する業界ではあるが、財務状況も問題なく番頭さん的役割も各部門に配置されており、何となく安定している。
たくさんの借金を抱えて承継されたなんて環境とは全く異なる。当社の事業承継は、ジャイアンツの監督交代を”読売新聞内の人事異動”といったナベツネ同じく、会社内の人事異動で経営陣が変わたって感じだ。
 創業100年を超える会社は本当に良くできている。新しい経営陣にみんなちゃんと忠誠を尽くす。私もこのタイミングで課長から取締役になったが、総務の対応なんて一気に変わる。それはもう恐ろしいほどである。たとえ冗談を言ったとしても、笑って良いかどうかを皆慎重に判断して大丈夫だと思ったら苦笑い、みたいな感じ。逆に普通に笑ってくれる奴だなと思ったら単なる失礼なやつだったりするw。

新しいリーダーに必要なこと

 本当のリーダーになるために必要なことは何か。当たり前だけどメンバーの心をちゃんと掴むことである。たとえば、選挙をしたらちゃんと得票率を取れる人間とでも言おうか。「社長の娘婿として入ってきたけど”俺たちのリーダーとしてふさわしいのか”」、みんな冷静に見極めようとしている。立場的リーダーではなくて、パーソナリティとして1対1で自分を伝えていかないといけない。
 ここで問題なのが「ふさわしいか否か」の判断基準。やっぱりみんなできるだけ現状を変えたくない、自分の都合のよいリーダーが好き。でもちょっと待ってほしい。建設会社は斜陽産業、このままの延長線上には会社の未来はないの。その判断基準を飛び越えたところにリーダーはもっていかないといけない。嫌われるかもねってところ。僕は感情の機微を感じ取るのに長けていて、「あっ言いすぎたかな」って思ったらすぐにリカバーしちゃう、もう無意識に。これはこれで諸刃の剣である。メンバーに迎合して方向性を緩めてしまうこともある。あくまでも判断基準は”自分が嫌われるか”ではなく”会社にとって必要なことが”である。
まぁ、頑張ろう。

続く


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