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雫という存在の始まり

私が初めて男性と身体を合わせたのは19歳の時だった。

昔からずっと太ってた。それは今もだけど。

彼氏もいたことはあったが、以外にウブな気持ちもあったり、思い切ることも出来ず、ただただ高校の友達の初体験の話を聞いては羨ましいなと思ってた。

その中で私はいつしか仲の良い友達とエッチな話になると雫は紙のパンツと言われるようになった。簡単に脱がせそうなのに意外と手こずるからとの理由で。

惚れやすかったので、常に好きな人はいた。でも太ってた私は当然付き合える訳もなく、好いてくれる人と思い切って付き合ってもみたが、結局キスすら出来なかった。今思えば、私がさせない雰囲気を全開に出していたんだと思う。

でも、友達が紙のパンツという度に私のコンプレックスも大きかった。

ほんとは処女から抜け出したいのに、そんな勇気もなく誰でも言い訳じゃない。ほんとは私も好きな人としたい。ちゃんとお付き合いしてしたい。

そうこうしてるうちに私は専門学生になり、20歳までもう目の前だった。

私自身、このまま20歳を処女出迎えるのはどうしても許せなかった。何故なのかは今でもわからないが、10代で私も処女を抜けたという無駄な自負を掲げたかった。

結局、男友達がたいしているわけでもない私がとった行動は中学の時に少しだけ付き合った元彼に連絡することだった。

高校の時も何度か連絡は取っていたが会うことも無く、その後突然会いたいと言った私に彼はすんなり受け入れてくれた。

どこかで察してくれていたのかもしれない。

いざ行為が始まると私はただのまな板の鯉だった。色々な知識はたくさん目と耳に入れてきたはずなのに、実際の行為には何の役にもたたなかった。

感じるということもわからないまま相手が射精して終わった。

終わったら急に虚しくなって、そそくさと服を着て家に帰った。

下着にはうっすら血が滲んでいた。

それが私の初めてだった。

19歳の春の出来事。


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