大阪・百草湯さん
大阪市生野区・大阪コリアンタウンにちかいユニークな銭湯・百草湯さんへ。
百草湯さん
見た目はビル型・レンガの外観。
百草湯さんは、あさはやくから、お湯がわいてる地域に愛されるおふろ屋さんです。
大阪市生野区鶴橋5-21-5
不定休
8:00~20:00
もより駅は……
●JR大阪環状線・近鉄・Osaka Metro(大阪メトロ)・鶴橋駅…徒歩約15分
●大阪環状線・桃谷駅…徒歩約15分
◆暖簾が出てないと、ついつい通りすぎてしまいます。
◆夜は早じまいの地域密着型の銭湯。
遠方からこられるかたは、ご注意ください。20:00まで
工場のまち
百草湯さんのちかくには大通りがあり、いつも車が走っています。むかしから鉄工所などの町工場がたくさんあるエリア。
近所には、大阪コリアタウン。
もしかしたら百草湯さんも大阪コリアタウンのエリア内かもしれません。下町らしい雰囲気と銭湯。
きっと、そう。
最寄りの鶴橋駅。まわりの鶴橋市場では、あさ早く夜明け前から働くひとの声。お昼すぎに仕事が終わる部署もあります。
ターミナル駅の鶴橋駅は、通勤・通学で朝から靴おとが鳴りひびく。ひとの歩くはやさが違います。住んでいるひとも、くるひとも。
いろんな国のひとたちがいます。
平野川が染まる夕暮れ。鉄工所・金属加工業の機械のおとが止まります。
さあ片づけて、百草湯さんへ。ひとっぷろ。
さっぱりしてからチョッと一杯や、晩ごはん。
むかしからの、そんな情景がうかびます。
ママのおてつだい
文字は書いてありません
銭湯の下駄箱に靴をいれると気持ちが、ゆるゆるとほぐれます。
木の下駄札(カギ)を、かぱりと抜いて。
からから、ガラス戸をあけます。
番台の上、ママのおひざにすわった男の子。
まだ「いらっしゃいませ」は言えないぐらいあどけない。
ママと仕事。ちょっと、はずかしいね。
なんの小銭かわからない顔。
未来の百草湯の大将かしら。
ちいさいときから家のおてつだい。銭湯も個人業・家族経営が多い世界。
男の子を見て、こころなしか常連さんも嬉しそう。
こどもが減った。統廃合がすすむ近隣の小学校。男の子が行く小学校は残ってるかな。
ママも常連さんも心配かもしれない。これから、どうなるの……
ユニークな湯船
浴室の真ん中に、まんまるの湯船がひとつ。フチは御影石になっている。なにやらカワイイ。半分に仕切りがあって、真ん中に、まるい石がのっている。
マサラタウンのサトシくんが持ってるボールみたい。
大阪コリアタウンの男の子の秘密兵器かも。未来の銭湯マスターの。
真ん中の仕切り。浅湯と深湯にわかれる。
まぁるい湯船は、別の銭湯でもみたことがあります。
そこは創業100年の銭湯。
百草湯さんも古そうだ。
寝ぶろ・ブクブクのおふろ、アイテムいっぱい。
奥にはサウナがあります。なんと、無料。
水風呂には三匹のライオンちゃん。キバのある口から勢いよく水を吹き出している。
なんかわからないが、おもしろい銭湯。百草湯さんだから薬草とか薬湯のおふろと思っていました。
浴室のかまぼこ形の天上からは蛍光灯が五本。
大阪メトロ御堂筋線の天王寺駅みたいな照明器具。
これよりと、すこし傘を広げたかんじの。
天王寺駅の正面器具
珍しい、長い蛍光灯。
百草湯さんは、やはり歴史が古いのだろう。外観も派手な看板はないし。
湯あがりドリンク
嬉しくもビン入り牛乳がありました。
冷蔵庫から一本取って支払いにすすみます。
番台には、男の子がひとり。
「牛乳、いくらかな？」
わたしは台に200円を置く。
男の子はハテナの顔。
無言で小銭を回収。
こちらからは死角の置き場におさめたようだ。
ちゃんと、しごとしてる。えらいな……
牛乳を飲んでたらママさんが帰ってきた。
「あ、牛乳は、160円です」
「さっき200円、置きましたよ」
「おつり、おつりですね」
あわてたようすのママさん。
大丈夫。息子さんはキチンと、仕事をしましたよ。
「おつりいいです。
息子さんに、なんか買ってあげてください」
おつりの40円。
駄菓子ぐらいしか買えないけど。
おだちん (お駄賃)
おもいだした。
じぶんも家の仕事を手伝ったら、もらえた。
湯あがりの帰り道。平野川の橋を渡る。
橋の名前を見ると、
「寿橋」だった。
きっと、この街の将来のなまえ。
「銭湯」の日
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり、
ありがとうございます。
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