ジャングルジムにのぼれなかった
ジャングルジムに登れなかった。それも登れないのは自分だけだった。小学校の校庭にまあまあ大きなジャングルジムがある。ほとんどの子は低学年でそのジャングルジムに登ることができていた。4年生にもなるとジャングルジムを使って鬼ごっこしたり、速く登る競争をしたり、普通に登るのにも飽きてアクロバティックに登ったりといろんな遊び方を誰もがやっていた。自分だけが登ることすらできなかった。
放課後、人もまばらになった頃、一人でそのジャングルジムに行って少しだけ登ってみることにした。棒をし