White’s Boots

拘りを持つ物と言えば人それぞれ、様々あるだろうが、殆どの場合は人間は寝ている時間と、靴を履いている時間が長いだろう。
生涯でおよそ地球一周を歩くと言われている人の足には当然、 #靴 が履かれている。
家で靴を脱がない欧米ではさらに僕らより靴と過ごす時間は長いし、ある意味では拘りを持って損の無い物の代表的な存在と言えるだろう。
僕は #ファッション が好きだが、今回は愛してやまない #ワークブーツ の話しをしたい。
中年の人口も増えたろうし、そろそろオジサンが大人のオシャレの文化を作ったってよい頃合だし、若者とは一味違う選択もアリなのではないかと思う。
ワークブーツはビジネスシーンに於いて履かれている様々な高級なブーツや靴よりも当然の事ながら出来が良い訳でも履き心地が良い訳でも、素材が良い訳でもない。
だから中年になってジョンロブなど、40万や50万とかする靴を履きこなす層にはあまりに素材の悪く履き心地の悪いワークブーツに興味はないかもしれない。だが、敢えてそんなブーツから大人の選択をしても良いではないか？とも思うのだ。
○そもそもワークブーツとは？
職業に適した機能とデザインが成された靴であり、歩く為に作られた物ではなく、安全と用途によりデザインされた日本で言えは安全靴に相当する物だ。

whites、ホワイツの #smokejumper は、森林消防士の為に作られたモデルだ。
ヘリコプターから煙の中に飛び降り、山の中で彼らの脚を守る為にデザインされている。
ホーウィン社のクロムエクセル革を仕様しているので、オイルをたっぷりと含んだこの革は買った当初から柔らかく足に馴染みやすい。
この革の欠点は傷つきやすく色落ちしやすいので頻繁に色クリームを入れて磨いてやらねばならず、そうしないとすぐに茶の地肌が出てしまい、工事現場の職人のような汚い靴に成り果ててしまう。
日本では何故かそうした簡単に色落ちしてしまう鞣し方をした革が人気なのだが、良い品質の革という訳もなく、安価な丘染と呼ばれる表面だけに色を入れた芯まで色が通っていない素材だ。

ヒールは高く、これが高い場所から柔らかい土の上に飛び降りる時に役立つ訳だが、これと土踏まずの所にサポートがしっかり存在し、ワークブーツであるのに歩きやすく良い印象を与えてくれる。
たまに足が痛いという人も居るだろうが、そもそもホワイツはオーダーであり、その人の足形を計測して発注するものだ。
だから、たまたまショップにあった物を吊るしで買ってしまうとそんな事もあるかもしれない。
オーダーは足の実寸を計測する程度なので、数十万するような顧客の木型まで作るような物ではないが、それでも足によくマッチしていて気持ちが良い。

既に6年程手入れをしながら履き続けてはいるが、 #オートバイ が好きな僕には良い靴だ。
これにシフトチェンジペダルの保護カバーを装着して乗ったりしているのだが、安心感も含めて得難い雰囲気を持っているので好んで秋から冬には履いている。
#レッドウィング 　が悪い靴とは思わないが、靴の出来と価格のバランスが本国とあまりにもかけ離れた現状では、新たに買う気にもならないし、若者ならではのブーツという、少し年齢がいくと気恥ずかしいと思う僕のような世代には、 #ウエスコ 　や、ホワイツも検討されたらどうか？
ただ、現在ではホワイツはそのキングオブブーツという称号と似つかわしくなく、日本のABCマート傘下になってしまった。
ティンバーや、ダナー、ホーキンスなど海外の良いブーツブランドは軒並み日本傘下に入るか、消滅して名前だけ日本と契約をしてブランドとしての価値は地に落ちてしまっている。
名靴ダナーライトなども、存在意義であるゴアテックスを初めて靴に流用したにも関わらず、低価格でゴアの無い名前だけの製品が同じ名前で販売されているくらいなので、二桁万に近いか越えるホワイツも安価なラインになってしまうかもしれない。
それはそれで良いと考える人も多いかもしれないが、あまり本国生産以外のホワイツなどみたいとは私は思わないので、多少の心配はあるし、拘る人は良く調べた方が良いのかもしれない。
このブーツを纏めると、値段は少しお高く、オーダーが可能で自分の好みに合わせて素材や、デザインを選べて、足の形もそれなりに合わせてくれ、基本デザインは森林消防士用のヘリからジャンプし、悪路で活動可能なタフなブーツなのが利点だ。
オイルレザーの柔らかさと傷つきやすさ、クロムエクセルの色落ちの早さは大人の足元を飾るには、多少のメンテナンスが必要だが、ワークブーツにしては確かに値段なりの良さはある。
形は好みもあるだろうが、良い歳を取った大人のワークブーツとしては色気もあると感じる。
オートバイが好きなら尚更、こんなブーツを選んでみたらどうか？