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瞑想の種類と効果 その2「集中瞑想」

何を求めて瞑想をするのか。

求めるものにより取り組むべき瞑想法は変わります。

大きく3分類できる瞑想の種類のうち、

今回は集中瞑想についてを少し掘り下げます。

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Ⅰ.集中瞑想(サマタ瞑想) 

概要:自分の内側の1点に集中する

例:座禅、マントラ瞑想、読経、祈りの一部など

効果:集中力、落ち着きが出る、処理能力が上がる

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どのような瞑想なのか

集中瞑想とは、

・自分の内側の1点に集中する

・意志使って主体的に取り組む

ものです。

ただし、ここでいう集中とは、力んで「集中しなくちゃ!」と無理強いすることでありません。

体の力を抜いて、穏やかに意識を定める行為だと思ってください。


集中瞑想の例

集中瞑想の代表と言えば座禅です。気が散ったり緩んだりすると、体が揺れたり眠くなったりしてきます。そうならないように、意識を集中し、自己コントロールをします。

マントラや読経も集中瞑想に含まれます。口にするあるいは心の中で唱えることで、自分の意識を一箇所に留めます。

自らの行為をアンカーにして、意識を「外側」に持っていかない。集中瞑想は「意志を使う瞑想法」でもあるのです。

ちなみに、祈りの一部も集中瞑想に含まれますが、懺悔や願いを考えたりするの場合は、頭を使ってしまい、集中している状態ではないので、瞑想には含まれません。


意志から始まり、自動操縦へ

集中を持続、あるいは気が散る→集中を繰り返すうちに、やがて意識が自動操縦されて無意識に領域に入り、安定した集中状態に入ることがあります。

これは、ヨガの8支則でいう「ダラーナ」「ディヤーナ」の段階に当てはまります。

また、別の言葉で言うならいわゆるゾーンです。ゾーンは、スポーツや音楽演奏、仕事中にでも入ることがあります。集中瞑想を続けたことでゾーンに入りやすくなった、という人もいます。


集中瞑想は主体的

「音楽鑑賞も瞑想では?」とたずねられることがあります。

その時の状態による、と答えていますが、意識のベクトルが内側に向いていなければ、主体性が自分にないため集中瞑想には含まれません。

ただし、歌詞のないインストメンタル、あるいは歌詞が聞き取れない曲など音に身を任せられる音楽であれば、脳で考えずに聞いていられるので、シンギングボールの瞑想などと同様に、後で取り上げる拡散瞑想に含めることはできます。


集中瞑想により「得られるもの」

集中瞑想を続けることで、

・集中力アップ

・落ち着きが出る

・処理能力が上がる

といった効果を実感できるかと思います。

これらは、集中するトレーニングにより集中力がつくうえに、無駄な脳の動きを留めている状態なので脳が休まります。続けていくことで脳の処理能力が上がると考えられています。

要するに集中瞑想は、「自己コントロールの練習と脳の休憩をしている」のです。


集中瞑想により「失う可能性のあるもの」

一方、集中瞑想をすることで、失う可能性のあるものもあります。

必ず全員が失うものではないですが、失いがちになるもの。

それは「謙虚さ」です。

能力が上がるというのは、あくまでも「自分比」。外部と比べてではないですし、比べる必要もありません。

自分が上がったことで、「あの人はあんなこともできないのだろう、遅いのだろう」と見下したりするようになっては仕方ありません。

荒業をなし得たというお坊さんが横柄だった、高額なお布施を要求されたという話を聞くことがあります。

こういう方はどうやら、修行を乗り越えた自分を尊大に評価し、勘違いしまっているようです。

これでは、自己コントロールを身につけたのではなく、いっときの我慢比べに勝ったというだけです。

瞑想によりエゴが育ってしまい、信頼を無くしてしまう方がたまにいます。瞑想をしている自分に優位性を感じてしまうようになったら、

「成長はあくまでも自分比。私も彼と同じだった」

と微笑んで、エゴを流しましょう。


瞑想の師の選び方

もちろん、荒業や日々の修行を続けて、素晴らしい心と行いをされている僧侶の方もたくさんいらっしゃいます。

集中瞑想のみ限りませんが、瞑想を学ぶときには、説法だけでなく、日々の行いも見て判断された方が良いかと思います。言動一致は大切です。


集中瞑想まとめ

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○重要点

・自分の内側の1点に集中する

・意志使って主体的に取り組む


○得られるもの(あくまでも自分比)

・集中力

・落ち着きが出る

・処理能力が上がる


○失う可能性のあるもの

・謙虚さ(エゴが育ってしまうことも)

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以上を心がけて、集中瞑想に取り組むことをおすすめします。




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