【将棋】初心者〜初段が選ぶべき定跡書の特徴 by初段
はじめに
みなさんこのような経験はないだろうか。
定跡書を買ったはいいけど、そんな展開にならない!
名前のついた戦法で対抗してくる相手いない!
だから結局読んでない!
実際、このような状況になるケースはかなり多いと思う。
もちろん「定跡を応用して違う形に活かす」という使い方があるのは理解しているが、これができるのは定跡書のうち仕掛けの周辺のページだけではないだろうか。
終盤の入り口やその先まで変化を解説している定跡書ではコスパが悪く、何より応用できる棋力があるなら初段で留まっていないだろう。
話が逸れたが、このような状況に陥ってしまう原因として、以下のようなコンセプトの棋書が多いことが挙げられる。
①定跡を網羅しました系棋書
名前の通り、ツラツラと定跡を綴ってある棋書で、相手が何もしなかった時などの方針や狙いなどはほとんどなく、プロの実践で変化してきた形を解説したもの。大抵符号が多い。
最近は出ていない(気がする)。
②歴史系棋書
戦法の進化の歴史を綴った棋書。消えていった理由まで詳しく書かれているため定跡ファンには嬉しいが、ただ実践で勝ちたい人にはノイズがあまりにも多い。
③相手の最善の抵抗と戦う系棋書
これは最近非常に多いタイプ。新しい戦法の棋書はほとんどこれで、序章に上手くいったパターンと狙い筋が書いてあり、1章からは対局相手の棋理にかなった素晴らしい抵抗が始まる。相手の狙いを察知して最善の抵抗をできるような人は初段に留まらないため、大抵序章で得た知識より後を使うことがない。
④(高段同士の対局で)よく出る形まとめた系棋書
これは極悪で、級位者フレンドリー棋書に擬態した高段向け棋書である。ここで言うよくでる形とは《皆さんご存知あの有名定跡の○○手目》であり、定跡を知らない人がその場で考えて出した応手ランキングではない。テーマ図にまず行き着かない。
⑤緻密な戦法系棋書
藤井システムなど、歩が1個ついてあるかどうかで展開がガラリと変わるような戦法を扱った棋書。戦法の難易度が高いため棋書が出るのは大変うれしいが、それは高段者の話。そんな緻密な戦法を指しこなせるなら初段に留まっていない。
どれも心当たりがあると思う。
ではどんな棋書が向いているのか
これまで紹介した特徴の逆で、
1.狙いや方針が示されている
2.悪くなる変化に力を割いてない
3.最善の抵抗をひたすら深堀しない
4.定跡知らない人がやってきがちな形を扱っている
5.難しい戦法じゃない
のような特徴を持った棋書が向いていると言える。
が、
このような棋書、実はものすごく希少なのである。
数多くある初心者おすすめ棋書もガチの定跡をやさしく解説して
「エッセンスを感じ取れたかな?実践ではこれを応用してみよう!」
という終わり方をするものが多い。
読了した時はうまく指せる気がするが、実戦に投入すると似た形にすらなることはなく有象無象急戦が飛んできて轢き殺される。
そういう思いを5000兆回してきた。
ので、今回は戦型別のおすすめ棋書を紹介したいと思う。
本文より長いはじめに、終わり。
棋書紹介
居飛車
相掛かり
なし。緻密。棒銀の受け方だけ覚えて実戦経験積もう。
角換わり
なし。緻密。棒銀の受け方だけ覚えてあとは形をマネしよう。
横歩取り
決定版!横歩取り完全ガイド
横歩取りは定跡知っている人しか誘導してこないので緻密だが対策もしやすい。先手横歩指すときにやられたら怖い戦法について、筆者のおすすめ対策のみ掲載している。ノイズがない。実戦で役に立った。
ただ、結局指し始めるハードルは高い。
後手横歩は青野流が飛んでくるので学習コストが高い。
矢倉
指さないのでわかりません。なしの雰囲気はしている。
振り飛車
中飛車
中飛車のポイント
タイトルで「またたどり着かない局面の解説か」と思って見送っていたが書店で見て購入。有象無象対策もされていた(右玉じゃない63銀43銀とか)。ただ丸山ワクチン以外先手中飛車なので、後手で同じようにやると超速が間に合って死ぬ。
四間飛車
なし。A級対策が多すぎる上に有象無象対策もわんさか。そもそも指すハードルが高いと思う。
三間飛車
さわやか流疾風三間飛車
これにはこれ。これにはこれ。という対策を明快に示している。穴熊のほうは結構類似局面になる。急戦はそもそも対局数が少ないので不明。
原始棒銀対策はググろう。
向飛車
なし。バランス重視の囲いにした後適当に飛車ぶつけてみよう。飛車がぶつかるぞ!
相振り
なし。がんばれ。虫を殺すな。老人の荷物を持て。
【追記】
角交換四間飛車
角交換四間飛車を指しこなす本
大事な大事な戦法を忘れていた。
こちらはそもそも戦法自体がおすすめで、棋書との合流率が全戦型で一番高いと思う。
流行りの地下鉄系の対策は別途必要。
結論
初段くらいなら強い人の真似で十分!
細かい手順気にする前に実戦をしろ!
この結論は私に刺さる......。
今度、初段まで向けのちゃんと勉強したい人向けのおすすめ棋書の紹介するかもしれない。
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