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9時5時の変化

『最も強い者が…(略)唯一生き残ることができるのは、変化できる者である』と有名な言葉はダーウィンによるものだが、私は『どうでもよいことは流行に従い、重大なことは道徳に従い、芸術のことは自分に従う。』という小津安二郎監督の言葉が気に入っている。この「芸術」に当たる部分こそが、心の声に従うという意味の自分の生活の変化をもたらすこと、と捉えて日々を過ごしている。

9時5時

「クジ・ゴジ」という音を聞くだけで、共通して思い浮かべるものがある。

それは、9時から5時までの「勤務時間」。一般的に理想とされる一日の仕事の時間である。

おうち時間が推奨される今、在宅勤務や自粛によって、これまでと全く違う時間の過ごし方をしている方も多いと思われる。

あなたの9時5時はどう変化しましたか。

そもそも私は自営業なので、この時間に囚われることはなかったが、それでも大きな変化を遂げた。コロナ危機によって、仕事が減った分(正確には、ほぼなくなってしまった)、私の9時5時がどう変化したかを紹介したい。


1つ目の9時5時(9:00〜17:00)

さりげなく一つ目と書いてみたのでお気づきかと思うが、一日の中の「9時5時」は2度ある。その1つ目は、前述した一般的に勤務時間にあたる時間である。学生なら学校の時間にも当たるかもしれない。

私は今、ファスティングをしており、この8時間=「1日の中で食事を摂れる8時間」と定めている。

いくつか参考にしたサイトを紹介する。


キッカケは、ベンゼマ(サッカー選手です。笑)がファスティングをするというインスタが流れてきたことだった。自身、栄養に気をつけているのに、なかなか体重の変化や調子が上がらない時期でもあったので、「これだ!」と思い、まず調べたことは「ファスティング」「ラマダン」だった。美容やダイエットについてはあまり関心がないのだが、これらはすでに一般的な30代女性の中では一般常識なのかもしれない。

内臓を休める時間を確保できるので、内臓の消化・吸収・解毒・排泄機能が高まり、腸内環境も改善して免疫力も高まります。ものを食べない時間を長く取るほど、血液中の糖質や脂質が減り、血液や血管の状態が改善されます。体内の余計な脂肪も分解され、エネルギー源として使われていきます。特に、ポッコリおなかの一因であり、さまざまな悪玉ホルモンを分泌する内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて落ちやすいという特徴があります。加えて、オートファジーが活性化して細胞の生まれ変わりが促進され、体の不調や老化が改善されます。【特選街webより抜粋】

食事を摂らない時間を確保すること=消化器官の機能を休ませることに繋がり、かつそれが機能を向上させるという目的で、「16:8 ダイエット」と「5:2 ダイエット」という方法を知った。今回選ばなかった5:2ダイエットとは、一週間のうち連続しない2日間を低カロリー日に設定する、というものである。双方のメリット・デメリットを検討し、「8時間ダイエット(16:8ダイエット)」を2週間ほど継続することにした。

その8時間というのは、自分の生活ペースに合わせて良いので、夜型なら12:00-20:00に設定してもよい。大切なのは、24時間のうち16時間は固形物を入れずに水分で過ごすこと。そしてそれはまず内臓・消化器官のためであるということ。個人的に、4月の目標は『美腸整』だったので、発酵食品やサツマイモを積極的に摂ることに加えて実行するには最適に思えた。

朝9時近くになれば食事の準備を始め、16時半ごろに夕食の準備を始める。気持ちが良くて遅めに起きた日は10時6時にすることもあった。

プラスの変化

おうち時間が増える生活に入ってからもしばらくは、24時間のうちの食事時間は8:30-20:00と、なんと約12時間(一日の半分!)も胃腸を休めず動かしていたものが、それよりも3時間短くなったこと(一日の3分の1!!)で次の5つの変化を体感した。

1.一日に食べる量が圧倒的に減った(食費も1000円/週ほど節約できそう)

2.19時・20時前の閉店間際の半額セールに行くことがなくなった(例え家から徒歩5分圏内でも)

3.多くを摂取しなくても何も辛くないことに気がついた

4.どんなに健康食に気をつけていても、その量が多ければ意味がなく、整腸作用が整わないと蓄積してしまう

5.夕焼けの明かりに手元を照らされながら料理を作り、またその自然の明かりの中で食事を終えることに幸せを感じた


一番心配だった、お腹が空くのではないかということはほとんど起こっていないのが不思議だ。それは「適度です」という胃腸からのオッケーサインと捉えている。


改善点

それは昼食の時間と量である。

最初の方はこのタイミングと量に苦戦した。いつものように13時半を過ぎて、空腹だろうとしっかり摂ってしまったことで、あと3時間後にまた一日の最後の食事を作って摂らなければならないと焦り、なんだか食事の美味しさやありがたみを享受し損なった気がしたことがあった。

それを踏まえて、例え12時前後に勉強や作業が捗っていたとしても、一旦手を止め、軽くでもいいので食事を摂ってしまうことにした。また、以前のように食事間が空くわけではないので、その量も3割ほど減らすようにしている。人によってはこの8時間のうち食事回数は2回とすることもあるようなので、自分の変化やペースに合わせながら、お昼ご飯の内容についてはもう少ししっくりくる質と量を検討したい。

以上のように、私の現在の1つ目の9時5時は、「食事を摂る時間」として区切られている。


2つ目の9時5時(21:00〜5:00)

今までのこの時間は、無意識に近い時間だったかもしれない。夜ご飯を終えて、勉強を再開したり、映画を見たり、洗い物をしていると、あっという間に0時近くになり、急いで布団に入り、携帯を見て1時前には寝る時間。5時なんていうのは熟睡の真っ最中で、空がやんわり明るんできたことを片目に確認して夢の世界に戻る時間でもあった。

それが、今や21時にはベッドに入っており、そのまま寝付くことが出来れば自動的に5時過ぎに目覚めることができるようになってきたのである。最初は小学生以来だじゃないか、と21時にはベッドに入ることすら新鮮に思えたが、人の身体は疲れが取れれば8時間で本当に目覚めるのだ。ブラインド越しに明るい空を確認して、白湯を作り、枕元にある本を手に取り、本を読む。二度寝に入ることもあるが、明るくなる空を見ながら9時までゆったりとした時間を過ごしている。

このように2度目の9時5時は、「眠る時間」に変わった。


変化をじっくり捉えるのもいい

コロナ危機の中、多くの人が当たり前の日常が戻る日を願いながらも、手当たり次第、試行錯誤しながらそれぞれが日々を楽しもうとする時間が世界中に溢れている。自分の周りの人、物、時間のコンパスの尺は以前に比べて小さい範囲になっている一方で、それぞれと向き合いながら繰り返す時間により、その深さや濃さを増す日々があることも事実である。一日を終わることだけで精一杯の人も多くいるだろうが、当たり前の日々の中にも試行錯誤しながら組み込む「主体的な変化」が、前向きにこの期間を過ごす一つの光のようにはならないだろうか。自分や身の回りのそれぞれに興味を持って実験のようなことをするのだ。そんなことを続けて見つけた心地よい発見が、コロナが収束した時の小さな「当たり前」に変わっていたらーーーそれは新しいドアを開けた未来になっているのではないか、というのが、今数少ない未来への「希望」のようなものかもしれない。私はそう信じて、もっともっといろんなことを自分に試す期間にしたい。

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静水庭🌿






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