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チョっと、ハッと、させられた英語

1月末から継続していることの一つに「英語の勉強ブラッシュアップ」がある。

具体的には、最初の3週間ほどは、時事記事や興味関心のある英語の記事をひたすらあたり、分からない単語を調べて文章全体を理解することに費やした。これには、おおまかな全体の意味は分かるけれど、推測している細部の上級(中級?)レベルの単語(触れなければ一生触れないような言葉)をちゃんと詰めておきたい、という理由があった。

それがひと段落すると、今度はBBCサイトのEnglish Studyページにしばらく続けられそうなセクションを見つけた。「6-minute-English」という、あるトピックに対してのリスニングと、そこから学べるボキャブラリーを得ることにコツコツ時間をかけた。全てのトピックは網羅しなかったが、前回同様に興味あるトピックに加え、きっと話されたら分からないだろうトピックも選び、毎日4テーマほど聞いて、書いて、調べて、という作業を1日1時間半ほど継続してきた。


さて、話は長くなったが、今のご時世にマッチするようなストーリーや単語があったので、1つの造語と、1つのイディオム(慣用句、言い回し)について、考えたこととともに紹介したい。考えたことを書く理由は、語学を学ぶときには、単語帳を開いて順に記憶するのでは意味がなく、その言葉を使い、その背景に自分の記憶や考えを生み出すことが本当の語学=言葉を使うということではないか、と経験上思うからである。


1.Microadventure

この言葉は、一ヶ月半勉強して出会うことができて一番嬉しかったものである。ぜひ紹介したい。

先日のnote投稿に、身近な地元を旅する提案をしたが、その翌日にこのトピックに出会ったのである。啓示のようなものを感じずにはいられなかった。

その意味は、

Micro (マイクロ=とても小さな) +adventure (冒険)

…小さな冒険?そんなかんじだ。この造語を作り、ひとつの旅のスタイルを提唱している人がいた。

彼の名は、Alastair Humphreys。イギリス人で、冒険家でありながらも10冊の著書も出版している。

その中の、彼の著書「MICROADVENTURES」の中にMicroadventureについて、こう定義づけられている。

‘So a microadventure is an adventure that is close to home: cheap, simple, short, and yet very effective. It still captures the essence of big adventures, the challenge, the fun, the escapism, the learning experiences and the excitement.’

まさに、私も先日感じた「家のドアを開けるドキドキ」を旅のワクワク感と捉え、遠くにいかなくとも旅ができることを伝えている。旅で得られる高揚感や発見、経験、逃避などは実は家の近くでも得ることができるのだ、と。

一方、同時に読んでいた沢木耕太郎さんの「旅する力」の冒頭では、大槻文彦の『大言海』での引用を通し、旅とは何か、についての一つの答えを得ている。

《家ヲ出デテ、遠キニ行キ、途中ニアルコト》

沢木耕太郎氏は、「途上にあること」を強調し、旅とは、始まりがあり、終わりがあり、その途中にあることだ、と述べているが、この「遠キニ行キ」というところに、「近キデアッテモ」と付け加えることも十分可能だと気付かされた。

自分とその身の回りの人を守るために積極的に外に出られない現在だからこそ、足元にある小さな冒険をして日々を楽しむことも十分に可能で、それは単なる長距離移動の旅の代わりとしての気休めではなく、また別の一つの旅の世界が開ける経験になるのではないかと感じている。

「Microadventure」という書物はまだ翻訳されていないようだ。写真も美しく読みやすい本のようなので、自分なりに翻訳して読んでみたい。

その他、このトピックに関連する単語を下記に。

まさに自分のことかな?思いながら、wanderlust(放浪癖、旅欲)という字面がどこかクールな単語を覚え、on your doorstep(close to where you live)に出かければ、a little frisson of adventure(ゾクゾクするような小冒険)に溢れているという、彼の提唱に頷いてみるのもいいかもしれない。


◉彼の出版著書リスト↓

◉BBC 6-minute-English 

https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/features/6-minute-english/ep-180322

◉また私の先日の投稿もよろしければ。



2.Every cloud has a silver lining.

Meaning: In every BAD situation something GOOD exists, even through it may not always obvious.

意味: どんなに悪いことがあっても、目には見えないいい面が必ずある。

Liningは日本語でいう「裏地」。銀色の裏地。Silver Liningとは、このような雲の後ろから溢れる光の線のこと。

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「不幸中の幸い」というと偶然の出来事の要素が大きいが、一見大変なことにもいい面が必ずあると考えると、未来に対する希望が生まれる。日本語では、「災い転じて福と為す」や「人間万事塞翁が馬」などもそう言えるのではないだろうか。

「人間万事塞翁が馬」は私の座右の銘なので、この英語のイディオムもすぐに気に入った。こちらの方には良いことにも悪い要素が含まれるという意味も含んでいて、さらに真意な気がするが。

今このコロナ騒動の中にも、必ず「結果的によかった」という小さな試みや解決策に、生きやすくなる未来があるのではないかと思っている。人間の活動を自粛したことで、中国の大気汚染が緩和されたり、水の都ベネチアの水路に透明度が戻ってきているという。また、ここまでならないと出来なかったテレワークや家庭での共同家事、平日の公園に行くこと、思いがけず出来た平日お昼の一人の有効時間。反対に、経営不振にまでも左右されるインバウンド事業。地域の手助け、地元産業の支援。それぞれの立場でのそれぞれの課題があり、ひとつの問題解決に向けて、小さく素早く動くしかないのが今の状況である。いよいよ収束した時には、それを継続できる社会であって欲しい。


語学を勉強しながら

この2つが、今回のこのタイミングで出会い、考えさせられた英語であった。語学を学ぶことは大変でもあるが、得られるものもとても多い。村上春樹の小説には「やれやれ。」という言葉がよく出てくるが、最近観た2つの洋画の日本語字幕にはどちらにも「やれやれ。」と表示されいたが、実際発された言葉は、一つは「Whatever.」であり、もう一つは「Life goes on.」だった。このニュアンスの違いを同じ日本語で表すことが出来る不思議。こんな些細な面白さが言葉を知る喜びにつながる。

また、今回Alastair Humphreysという著者にまでたどり着くことが出来て、私にとっての6-minute-Englishの価値は6分以上のものになった。どんな生き方であろうと、「自身」を確立し、柔らかさを備え、弱さを認めた上で、客観視しつつも主観的に生きていることー それがすごくカッコいいと感じている。また新たな著書を知り、次の英語の勉強につながっていく喜びも受け取れて内心小躍りしている。

今後もしばらくは、籠る時間は勉強し、ドアの外の身近な旅を精一杯楽しみたい。


静水庭🌿


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