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息子の空耳アワー

三歳になった息子の言葉はたどたどしい
他の子に比べるだいぶ舌足らず
いわゆる「発語が遅い」というやつだ

然るべき施設に通い療育などもしているが
正直なところ私はさして不安ではない
何故なら私自身が三歳まで一切喋られなかったからである

確かに、息子の言葉を全て完璧に理解できているかと問われれば、答えはNOだ
彼は一生懸命いろいろなことを話してくれているのに、その全てを汲み取れないのは非常に心苦しく思っている

息子との会話は毎日が「空耳アワー」だ
絶対こんなこというはずないのに、そうとしか聞こえない

「タンバリン」が「サブマリン」に聞こえるし
「ラーメン」が「アーメン」に聞こえる
「ヨーグルト」はなぜか「たわし」だし
「たたち」に関しては最早なにを指しているのか未だに理解できていない

そんな空耳を家族みんなで首を傾げながら解読していく
理解できればスッキリするし、もうそうとしか聞こえない

思わぬ言葉が聞こえてくれば時に笑ってしまうこともある
私たちが笑えば息子も笑う

それが私たちのコミュニケーションなんだ

遅い遅いといわれても、日に日に息子の言葉は上達している
息子の空耳アワーも終了する日はそう遠くないだろう

だって、大好物の「サーモン」と「すじこ」だけは流暢に要求してくるのだから



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