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猫の伝染性腹膜炎にモルヌピラビルは

最近「猫伝染性腹膜炎にモルヌピラビルが効くよね」とか

  

「猫伝染性腹膜炎にモルヌピラビルを使ってみた」

と言う話をよく聞くようになった。


確かに効果が出ている症例もいるみたい。


モルヌピラビルがFIPに効くって言われると


猫伝染性腹膜炎ウイルスを殺してくれる薬って、勘違いしちゃう人もいると思うんだけど


モルヌピラビルは、猫伝染性腹膜炎ウイルスを殺してはくれない。


ここを勘違いしちゃうとモルヌピラビルがどんなFIPでも効くんじゃないかと思ってしまう。


モルヌピラビルって言う薬がどうやって効くかなんだけど


モルヌピラビルは、ウイルスが複製して増えるのを抑える薬なんよ。


抗ウイルス薬の作用は


1.ウイルスが細胞に感染するのを抑える薬
2.ウイルスの複製を阻止する薬
3.ウイルスの細胞からの放出を防ぐ薬

4.ウイルスに感染していない細胞を防御する薬


の4つあって、モルヌピラビルは、2のウイルスの複製を阻止する薬になるのさ。


なので猫伝染性腹膜炎ウイルスを殺してくれるわけじゃーない。


猫伝染性腹膜炎ウイルスが感染してたくさん増える前なら効果がある可能性があるけど


すべに体の中に猫伝染性腹膜炎ウイルスがいっぱい増えていたら効果が落ちる。


なので使うタイミングが重要な薬。


FIPなら何でも効くわけじゃーない。


モルヌピラビルはどうやって、ウイルスの複製を阻止するかと言うと


ウイルスの遺伝子に入り込んで、偽物をどんどん複製するんだけど

偽物は所詮、偽物なので増えても悪さはしないし

偽物は他の猫にも感染できない。

なので感染防止にもなる。


そういう意味ではいいんだけどウイルスの遺伝子に入り込むということは


猫の体の細胞の遺伝子にも影響を与える。

これは、注意しなくちゃいけない。


薬がどういう作用で、どうやって効くかによって、どう使うのかが違う。


FIPになると藁にもすがる思いになると思うけど


モルヌピラビルはどんなFIPにも効果があるわけじゃーないのさ。

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