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Exhibition Information "24H PARIS"

現在、BOOKMARC原宿では、パリを拠点に活動する写真家・Karl Hab (カール・ハブ)の写真展"24H PARIS"が行われている。(会期:1/22〜1/31)

デザインやファッション、音楽、最新のトレンドやライフスタイルまで、幅広いジャンルに飽くなき探究心を持つ写真家・Karl Habは、DiorKENZOSacaiなどのコレクションショーの撮影や、アンダーグラウンドシーンで活躍するアーティストのポートレイト撮影を中心に活動している。更に、過去にはYe(カニエ・ウェスト)Louis Vuittonで行ったコンサート映像の撮影を務めた経験も持つ。

実際に探究心だけには留まらず、Yeをはじめ、Off-Whiteの元デザイナー・Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)や、アーティストのPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)など、数々の著名人との交流もあることが彼のSNSから伺える。常にさまざまなシーンにアンテナを張り続ける彼が行う個展『PARIS 24H』は、どういった内容に仕上がっているのだろうか。


タイトルの通り、活動拠点のパリで過ごす24時間をテーマとし、彼独自の視点とタイミングで撮影された作品が展示されていた。彼は今までに他にも24時間をテーマとする作品を発表している。作品集の出版に伴い行われる本展『24H PARIS』は、過去作品の『24H HONGKONG』、『24H LOS ANGELES』に続く第三弾だという。


撮影の時系列に写真が並べられた本展は、パリの象徴でもあるエッフェル塔の写真からスタートした。朝日が登り始める頃に撮影されたエッフェル塔は、紺碧とオレンジのグラデーションが織りなす幻想的な空をバックに、まだその姿を鮮明に表すことなく、静かな佇まいを見せている。

First hours


続く写真は日中に撮影されたパリの景色やスタジアム、カフェを撮影した爽やかな作品。お昼時ならではの光の差し方や、感じられる穏やかさ、柔らかさがとても心地よい作品であった。その中でも私自身がお気に入りだったものは、『La GOLF』と『Slice of light』というタイトルの作品。

La GOLF
Slice of light


この時間でしか見ることのできない、車のフロントガラスに映る景色と、この瞬間でしか捉えることのできない、建物に映る日差し。きっと、同じ場所でも違った時間に撮影すれば違ったものが見えてくる、またはその瞬間以外全く見られることがない情景になるという面白さを感じた。何気ない日常の一瞬が切り取られた作品ではあるが、いつ頃撮られたものかを明確にされることによって、より『時間』というものを意識して観るようになる。そこから、日常のナチュラルとリアルの中に"その時にしか見られない"というちょっとした特別感を得られるような気がした。

その後展示は、夕方頃に撮影された作品へと移り変わっていく。薄いピンクオレンジのヴェールを纏った写真は、一日が徐々に落ち着いていく様子が想像できるような、優しく、静穏さを感じる作品であった。

Rooftops
Golden hours

そして、最後に見えたのは日が落ちた後に撮られた作品。日中の自然光が際立つ作品と対比して、暗がりと共に建物や乗り物の人工的な光が増えていく。それらが活かされたドラマチックな作品となっていた。

Night
Paris by night


この個展と共に出版された写真集では、時系列順に並べられた写真のそれぞれ全てに写真が撮影された時間が書かれている。写真は朝の6:00に撮影されたものからスタートし、23:48のもので締められていた。24時間とはいえど、おそらく、彼が就寝している23:49から5:59までの写真が載っていないという部分から、タイトルに相応しいリアルなパリの24時間を感じられる仕上がりとなっていてとてもよかった。

会期は1/31まで。是非とも個展に訪れてパリへの脳内トリップを味わってほしい。

Karl Hab作品集 "24H PARIS"
¥8,800(tax in)
BOOKMARC原宿にて販売中。
1/27(金)にはサイン会を実施予定。


Karl Hab【24H PARIS】
会期:1月22日(日)〜1月31日(火)
会場:BOOKMARC HARAJUKU
住所:東京都渋谷区神宮前4-26-14 B1F
開廊時間:12:00 – 19:30
休廊日:なし

Karl Hab | (カール・ハブ)
写真家であると同時に、航空エンジニアの資格を持ち、旅に出ていないときは主にフランスのパリを拠点に活動。航空、デザイン、ファッションの愛好家で、仕事で頻繁に世界中を訪れ、国際的なファッション、ストリートカルチャー、旅行への情熱を個人的なプロジェクトに込めている。世界中を飛び回る生粋の旅行者であるハブは、15年以上も撮影を続けていて写真家としての評価も高い。


文・写真/木村星来

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