居場所は作るもの

使い古されたことだけれど、最近とみにかんじることがある。

自分についてどうだろう。
30半ばになっている中で、自分はミュージシャンとしてやれることを増やしてきた。
シンガーからシンガーソングライター。
それから今はVoミックスとVoエディットと共にレコーディングエンジニア、自宅でのレコーディングスタジオの経営、今年は編曲もやりだした。

経歴としてはいろいろできて良いね!ぐらいのことだと思うのだが
自分としてはあまり誇れる経歴ではない。

これらはひとつひとつの諦めが積み重なって今に至っている。

まずシンガーであったらアレンジャーなりに楽曲を書いてもらわないことには、オリジナルとして発表ができない。
ここにいたるには事務所であったり、個人で作家にお願いしたりという形になる。
そのシンガーがよっぽど好きではなければ無料での楽曲提供というのは基本的にありえない。仕事であるわけだから労働の対価である以上ギャラは必要になってくる。
1曲に対して5万なり10万なりかかってくる。
シンガーというのはこれらを事務所がバジェットとして準備してくれるか本人がまるまる身銭でもって支払うことになる。
5万円で10曲入りならば50万。そこにプレス代(時代ではないが)、広告費、ジャケットのデザイン代などが乗っかってくる。

群雄割拠のシンガーの界隈でこれは絶対に生き残れない。
早い段階で自分はシンガーソングライターへの鞍替えをすべく曲を作り始めた。(概要としての説明のため温度が低く聞こえるがシンガーソングライターにはなりたくてなった)

楽曲のリリース費用はわかった。
ではシンガーソングライターはどうやってお金稼ぐのだろう。

その多くはライブハウスをはじめとする現場での奮闘であり、その中でのCD、グッズ、投げ銭、チケットバック(ノルマの説明は今回は省く)などの販売によってそれを黒字にさせながら日々活動をすること。

自分にしてみればラッキーな方でライブハウスでの活動を通して、ひとつ大きな規模でのリリースをすることができた。
コロナショックの中ではあるが、

ただそれがびっくりするほど売れなかった。
コロナからのライブハウスでの活動の中で現場への客足は遠くなり、赤字が続き、サポートを要する活動を行った結果とうとう首が回らなくなった。

ライブをやめよう。
しかし曲は作りたい。作家としての活動も行っていこう。
作家としてやるなら仮歌だ。カバーをやりながら、宅録に特化していこう。

それが現在2024年から今年にかけての潮流となっている。
結局エンジニアというのはライブハウスでライブをするよりも遥かに稼げる。
意気揚々と練習を重ねて向かったライブハウスの客が一人もいないことだってある。ほぼ半日が予定として抑えられる。
その間に何ができたか。いろいろ考える部分である。
もしかしたら、まったく違う方向で生き残る方向があったのかもしれない。
気づいていない抜本的な方法があるのかもしれない。
とはいえ今自分の居場所はライブハウスではない。

SNSでのライブの告知をおこなう友人や知り合いのアーティストを見ると羨ましい気持ちになる。
今後ライブハウスに戻る可能性もあるのかもしれない
だからこそ自分は今年の編曲の中で曲を作り出し、自分の名義でリリースを重ねるという形で再起を図っている。
制作費から逃れることはできないし、良いものを作るなら制作費は必要だ。
制作費を作る方法はバイトであったり本職であったり資産運用であったりなんでも良い。
それはそれだが、これまで音楽をやってきて音楽で稼ぐことに無頓着すぎた。

自分が音楽家として今後息を長く音楽をやるには今の作家として、完パケで音楽を作れるという能力が必要不可欠であり、その技術を得ることでチャンスはもっともっと増加する。
エンジニアとしての活動もそうだ。

肩書きが増えて何者かわからなくなる。
しかし自分の居場所は自分で作る。
友達じゃない同志を作ることができたら嬉しい。

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