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今日は労働生産性について。

日本の労働生産性は低いとよく言われます。ドイツ人は全員定時で帰る、ということを書いた本を時々見かけますが、私がドイツの設備メーカーと取引した時の話を書きます。

15年くらい前になりますが、世界的に有名な設備メーカーと初めて取引をしました(自分の初の設備導入が海外メーカーだった、という件はまた別の記事にしたいと思います)。初めての設備を買う時はまずはテストから入るのが普通なんですが、まずビビったのはトライ費用が高いこと。日本のメーカーを競合として検討を進めましたが、日本のメーカーはトライに使う道具だけお金を払うけど、トライはただでやりますよ、というスタンス。けっこうそういうメーカーはあります、日本のメーカーの場合だと。買ってもらうためならそれくらいやらないと、という思いがあるんでしょうね。

それに対してドイツのメーカーはめっちゃ高い。テストするのを躊躇してしまうくらい高い金額が出てきました。しかも、トライ用の道具なのにマジモードの物を作ってきます。量産で使うわけでもないしトライなんだからちょっとケチって・・・という発想がないんでしょうね。トライだからこそ、良い結果を出したいからこそ金をかける。そういう発想なんだろうなと思いました。

結果、日本のメーカーはうまく要求仕様を満足させることができず、ドイツのメーカーは成功し、その設備を購入することになりました。輸入費用なども含めてなので一概には言えませんが、日本のメーカーの倍の金額でした。それでもその設備を買わないと作れないんだから、買わざるを得ないんです。

設備の作りもそうです。力をうまく受けられるような、理にかなった作りになっている。ぱっと見、作りにくそうだなー、って思う形状をしているのですが、よくよく考えると理にかなっている。そんな考え方が設備や道具、ツールに至るまで浸透していると感じました。

一方の日本のメーカーさんは、とにかく小手先のテクニックに走ることが多いです。日本の設備メーカーは世界的に見ても優れた物が多いのは間違いないですが、なんというか、ケチくさい物が多いような気がしています。低価格、あるいは中価格くらいまでは日本の設備メーカーが強くても、高級設備、これじゃないと作れないという設備は今でもヨーロッパのメーカーが多いのではないかと思います。

つまり、ヨーロッパのメーカーは金をかけるところにはしっかり金をかけている、ということだと思うんです。金をかけるところにはかけ、余計なトラブルを起こさないようにする。多少高くてゴツくても、安定した加工精度を出せる作りにする。日本の場合は、できるだけ余分なことをせず、理屈よりも作りやすい形状にして、あとは人の力でなんとかする。そんな感じがしています。

それは設備だけではなく、組織の運営や会社の運営にも表れているんじゃないかと思います。コストダウンが最上の活動とされる工場で、見た目には改善されているように見えて、実は裏では作業者や監督者がヒーヒー言いながら物を作っている。金をかければもっと楽にできるのに、投資対効果ばかりを重視する。

経営者から見ると安く済ませるというのは当然のことなのかもしれませんが、当たり前の金の使い方をしたら労働生産性はもっと上がると思うんですけどね。そうでもないのかな。

ということで、こういう本を買いました。早く読みたい。読んだらええやん。でも労働生産性が低いので、毎日帰りが遅いのです(涙)


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