少女

いつも歩く川沿いの道
何気なくすれ違った少女
ふと遠い記憶のどこかで
子供の頃憧れたあの子を思い出す

名前も顔も思い出せないけど
あの浅くかぶった帽子に当たる夕日
長く伸びた影が僕の足に重なって
ちょっとだけ嬉しかったんだ

声を掛けたかったけど
川の音に負けないように大声出すのが怖くて
そのまま見送ったあの日

突然に蘇った記憶に
あの淡くせつない気持ちを思いだす

何も起こらない毎日の何気ない一瞬が
小さな一輪の花をくれるんだね
小さな輝きを思い出させてくれるんだね

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