目の前のものを味わう

教員志望の大学生と話す機会がありました。
来年、教育実習を控えた彼女に
「今からどんな準備ができますか?」
という質問をもらいました。

子どもたちにわかりやすい授業をしたい
そのために、専門的な知識を身につけないといけない。
そのために、ITCをつかいこなさないといけない。
そのために、思春期の子どもたちの心理を理解しないといけない。

たぶん、しないといけない事柄はたくさんあるのかもしれません。
授業をするにおいて、専門的な知識があることは前提でしょうし、対象とする子どもたちの学習段階に合わせた方法を選択することも必要です。

でも、そのとき一緒にいた 小学校の先生が言った
「目の前の子どもたちと一緒にいる時間を味わってほしい」
という言葉が心に染み入りました。

目の前にいる人とコミュニケーションをとる
そのやりとりの中で子どもたちの考えを言葉にしたり、相反する意見に対して考えてみたり
自分の考えが変化したり、相手の考えが変わったり
そういうやりとりがわたしはたまらなく好きだし。

それこそが他者とつながりを感じる時間であって
目の前に他人がいるからこそ成立する学びだと思うのです。

他者が目の前にいることで起こる化学変化。

一人では起こらない変化する時間を楽しむこと
生徒とのやりとりを面白がることが 
大事なのだと考えさせられた一言でした。

もちろん、下準備を入念することも大切。


ただ、やってきた準備にこだわって 自分の思い通りに時間を進めようとすると、目の前の人とのコミュニケーションが切れてしまう。

あえてひとつの場所にたくさんの人が集まってひとつの物事を学ぶという状況を最大限に生かすために
自分にできることは何か。


「その場を面白がること」じゃないのかなと思います。

その場を肌で感じること

ライブ感を味わうこと

頭で考えるんじゃなくて
目の前のものに集中することで見えるものがあるんだろうと

友人の言葉に考えさせられました。

そんな次の日の授業は
目の前に生徒たちがいる喜びと
彼らと話せることがたまらなく愛しくて
とんでもなく楽しかったのは、

やっぱり、
友人の言葉に本質があったからだと思うのです。


あなたが目の前の人を幸せにするためにできることは何ですか?



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