食養その1
食養とは
正しい食事を摂ることで、命を養う、つまり健康を増進すること、病気からの回復を助けること。
現代栄養学に不足していること
現代栄養学は、ヒトとして必要な栄養素はなにか、必要量はどのくらいか(年齢、体格、健康状態を考慮して)を教えていますが、個人の体質(陰性体質、陽性体質)、年齢(年齢に基づく先天の気の低下)、季節(寒い、熱い、湿気など)、住んでいる環境(身土不二:生まれ育ったところで採れた物がカラダに良いとする考え)に対する考慮が不足しています。こういう考え方は、時に、非科学的と批判されることもありますが、数千年の経験に基づく叡智を、軽んじることはもったいないことです。
食養の原則とは
1)陰陽を考慮する
陰性体質の人は、陽性に分類される食材、調理法を選択する。陽性体質の人は、陰性の食材、調理法を選択する。
2)食べ過ぎない。
3)排泄を促進させること(デトックス)は、必要な栄養素を摂ることと同様に重要である。
4)水毒に気をつける
陰性のものを摂りすぎたり、水分を摂りすぎると、カラダに水(細胞外液)が増えすぎ中国医学で言うところの、水毒という症状が起きる。むくみ、冷え性などは当然として様々な症状に関係している。詳細は、次回に説明する
陰陽とは
古代の中国あるいはインド哲学に由来する考え方で、自然界に対する見方とも言えます。
体質の陰陽とは
1)陰性体質:平熱が低い(36度以下は明らかに低体温ですが、36.5度以下は、理想的ではないとも言えます)。筋肉量が少なく、皮膚が青白い、活動的でない。平熱が低く、血圧も低い。尿は薄く、便は柔らかい。
2)陽性体質:筋肉量が多く、固く締まっている、皮膚は赤黒い。活動的。平熱が高く、血圧も高い、尿の色は濃く、便は固め。
以上のような傾向があります。現代医学的に言えば、交感神経優位な人が、陽性体質に近く、副交感神経優位の人が、陰性体質に近いとも言えます。ただ、副交感神経は、腸管の働きを高め、排泄をうながし、リラックスさせることで免疫も高めるので、陰性体質の人は、交感神経を興奮させればいいというわけではありません。体温を高めつつ、血圧も低すぎず、なおかつ副交感神経を適度に働かせることが、陰陽のバランスをとるということです。
食べ物の陰陽とは
からだを温める食材が陽性、冷やす食材が陰性。陰性の食材でも日光(干物、干し柿)、熱(チャーハン)、塩(沢庵)、圧力(おにぎり)を加えたり、発酵(チーズ、納豆)させると陽性化する。
1)陰性の食べ物、陽性の食べ物(矢印の前が陰:青、白、緑の食物が多い。後が陽:赤、黒、黄色が多い。)
①葉野菜(キャベツ、白菜、レタス)↔根菜類(人参、ごぼう、山芋、玉ねぎ、レンコン)
②白米、白パン、うどん↔玄米、黒パン、そば、ラーメン
③大豆↔小豆、納豆
④白ごま↔黒ゴマ
⑤白砂糖↔黒砂糖、はちみつ
⑥牛乳↔チーズ
⑦洋菓子↔和菓子・チョコレート
⑧南方産果物(バナナ、パイン、みかん、レモン、メロン)↔北方産果物(リンゴ、ブドウ、サクランボ、プルーン)
⑨白身魚、脂身肉↔赤身魚、赤身肉エビ、イカ、タコ、貝、明太子
⑩酢、マヨネーズ↔塩、味噌、醤油、佃煮、つけもの
⑪ビール、白ワイン↔黒ビール、赤ワイン、梅酒、日本酒、焼酎お湯割り
⑫緑茶↔紅茶、番茶、ウーロン茶、ハーブティー
現代人が注意すべきこと
白米、白パン、白砂糖、洋菓子、霜降り肉などの食べ過ぎで体質が陰性化しやすい。したがって多くの人は、陽性の食物を食べるように心掛けると良い。
それとは別に、猛暑の時は、陰性の食べ物を適度に摂るのは理にかなっている(スイカ、メロン、オレンジジュースなどなど)。
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