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心がえぐられた瞬間

介護をしている母の
片側のお尻の
足との境くらいの所が
痣のように黒ずんでいて

お尻の痣について
介護関係の方から何度か聞かれたり
ドーナツ枕を使うようにとか
色々と言われて
使うようになったが

気づくとドーナツ枕が
お尻からずれていることが多く
本人の使い勝手もよくないようで
段々と使わなくなっていった

お尻の痣については
いつからできたものかもわからず
母も特に痛みを訴えていなくて
うちの家族は気にもかけていなかったから

介護関係の方が
それほどまでに気にする意味が分からず
心配もしていなかったが

母のお尻の痣は
家族の虐待のせいだと思っていたと
介護関係の方から
かなり後になってから知らされた

様々な事例を扱う
介護現場の方からは
そんな風に思える状態
だったのかもしれないが

虐待をしていると思ったと言われて
その言葉の意味が
どういうことか理解できず
しばし、ぽかんとしていたが

思考がやっと追いついて
母のお尻に
私たち家族が虐待をしていたから
痣ができた
そういう事かと
言葉の意味が理解できた時が

長い間介護をしてきた中で
自分の心が
一番えぐられた瞬間だった

後になってからも
母を虐待していると
ずっと思われていたのかと
そんな考えが巡ってくると

なんだか
とてもやるせない気持ちが
襲ってきた


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