フローラS反省会
百発百中で当てられたら、そりゃ楽しいんですけどね。
競馬というのは、ままならなさを楽しむ遊びでもあります。
先週日曜日に行なわれたフローラステークスで、こんなふうに概観を書きました。
血統だけでなくさまざまなデータから強い馬であることは予想できましたから、レース直前には本命のオヌールが逆転して一番人気に。
ところが結果は無情にも8着の惨敗でした。
完敗です。
もう一回カンパイにしませんか。
いやでもね、なにをどう書いても言い訳がましくなりますが、ちゃんと善戦はしているんですよ。
勝ち時計は2:00.0を切ってくることが予想されます。
と書いたとおり、勝ち時計は1:59.4でした。
ただ、パープルレディーは2:00.1、オヌールは2:00.2と、2分フラットの壁を切れなかった。
思ったよりペースが上がらなかったのも敗因のひとつです。
テン3ハロン(最初の600m)35.2は遅い。1,000m通過が1:00.2でなんとかミドルペースで流れてくれるかと思ったら、12.9-12.8-12.6とだいぶスローダウンしたラップを踏んでいます。これだと、前にいる馬が疲れないので、後ろにいる馬が不利になります。
結果、勝ったクールキャットがコーナー通過順4-4-4番手、2着スライリーが3-2-2番手と、ぜんぜん垂れてくれませんでした。垂れていったのは10番と16番だけ。この番手から上がり33.4じゃあ、勝ち目はありません。唯一頑張ったのが上がり最速33.2のユーバーレーベン。この馬は次走、人気が少し落ちたら狙い目ですよ。
とはいえオヌールもパープルレディーも数字を見ると、しっかり頑張ってはいるんです。パープルレディーは13番手から上がり33.5で6着ですから、もっとペースが流れていたら複勝圏内はありえた。オヌールはペースが速くなったところでまとめて躱せる脚ではありませんでしたが、馬体が8kg減っていたので、輸送の影響があったのかもしれません。それでも上がり33秒台は踏んでいるので、もう少し短い距離なら十分に勝機はあると思います。
それにしても、1着2着の血統を見てびっくりしました。
どちらも3代前の父母にサンデーサイレンスを持っています。
つまり、3×3のクロス。
5代血統表でクロスする血統はインブリードとも呼ばれています。
血が濃いきらいがあるので、私はつい、こういう馬を敬遠しがちなんですよね。血が濃すぎると体質が弱かったり、気性が荒かったりするといわれています。
ただ1着クールキャットは半兄に重賞3勝のトリオンフがいるので、軽視するべきではなかったですね。
しかも最近は、強烈な近親配合でも偉大な結果を残す馬が出ています。
たとえば凱旋門賞を連覇したエネイブルという馬は、サドラーズウェルズの3×2。じつに37.5%もサドラーズウェルズの血を引き継いでいました。にもかかわらず、日本馬が一度も獲れていない凱旋門賞を2度も獲ってみせた。とんでもない馬です。
父父のガリレオがまた、お母さんも凱旋門賞馬という超良血の素晴らしい種牡馬なんですよね。日本では、その仔フランケルが種牡馬としてモズアスコット、ソウルスターリングといったパワフルなG1馬を出しています。
あれこれ予想はしても決着はほんの2分足らずで、本当に、ままならないものです。
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