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続・変化球 机上の空論

 誰が読むのかわからないが、自分の備忘録のために、机上の空論の続きを書く。

 あれから各球種の練習を続けてきて、自分の明らかに苦手な球種が三つあることがわかってきた。
 サークルを作るシンカー、横変化のスライダー、そしてフォーシームだ。
 フォーシームが荒れやすく苦手だなんて致命的だが、自分はどちらかというとツーシーマーなのではないかと感じ始めている。単純に身体的な性質として。ツーシームは、なぜかコントロールが安定しやすいのだ。

 そこで、ツーシームを起点として、いくつかの球種を加えてみることにした。変化球を覚えていくのは、まるでカードゲームのデッキを組んでいくような感じかもしれない。キーとなるカード(私の場合はツーシーム)があって、そこを中心としてコンボを決めやすいカード(変化球)を考えていくようなイメージだ。

 まず、ツーシームはこう握っている。いつもは軟式球を投げているが、見やすいように硬式球で写真を撮ってみた。

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 人差し指と中指はぴったりくっつけることで、ただでさえ足りない球速を補っている。

 次に、苦手なスライダーに代わる横変化として、カッターを練習している。握りはこんな感じ。

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 やはり、二本指はぴったりくっつける。そして、リリースの瞬間に名称通りにボールを切る。これなら横のスライダーのように左に払う必要もなく、個人的には投げやすい。中指と薬指の間を空けているのはカットする距離をイメージ的に長く取りたいからで、問題はどうしてもリリース後に親指が下になりにくいので肩肘に負担がかかってしまっているであろうこと。ここは改善すべきところだと考えている。

 そして、苦手なシンカーについては、ゼロ地点のツーシームから中指を開くことで代替ができないかと考えている。

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 人差し指と親指はシームにかける。この握りで、リリース後に親指が下に来るように人差し指で左に切りながら押し込むと、ツーシームよりは球速が遅く、回転数が少なくて落ちやすく、シュート方向に沈む球が投げられる……ような気がする。まだまだ習得には程遠く、それこそ机上の空論、たんなる仮説に過ぎない。おそらく人によっては、これをスプリットだと称したりもするのだろう。その辺りの区別も素人にはよくわかっていない。
 この球は、おそらく日ごろからのイメージトレーニングが生命線ではないかと考えている。リリースの感覚にいちばん気を遣う球種だ。だから、暇なときにふと思いついたら、握りとリリースの感覚をイメージするようにしている。

 そしてもうひとつ、サークルチェンジもパラシュートチェンジも苦手なので、自分なりに投げやすいチェンジアップを模索している。
 いまのところ、なぜかこの握りだといちばんコントロールがいい。

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 人差し指と中指で投げていた、個人的に最も得意な縦スライダーを、指一本ずらして中指と薬指で投げるようなイメージだ。中指と薬指の指先はそれぞれ縫い目にかけている。人差し指は畳んで、爪から第一関節の硬い辺りをシームに当てる。親指も縫い目にかけて、対角線上で支えている。
 この握りは、いつだったか、たしか巨人のC.C.メルセデス選手が投げているチェンジアップのスロー映像を見て、自分なりにピンとくるものがあって盗んでみたものだ。腕の振りもリリースもとにかくツーシームと同じであろうと意識し、特別なことはしない。そうすると、なぜかカーブ方向にうまく抜けた球が行く。回転が少なく、ナックルに近いのかもしれない。
 この球を練習するにあたっては、ティーバッティング用のウレタンハードボールを使っている。

https://item.rakuten.co.jp/bbtown/ff-fhub-20/

 非常に軽くて縫い目がなく、かんたんに風に流されるボールだ。
 回転が少なければそれだけ風のあおりを受けて、ボールが右に左に不規則な動きを見せる。本当にナックルを投げているのかと錯覚するほど面白いようにボールが動いてくれるので、遊びながら回転数を落とす意識を高められる練習法だと思う。同じウレタンボールでバックスピンを意識して真っ直ぐを投げてみることで、軌道の差別化を図ったりもできる。

 ちなみにこの方法は、川上憲伸さんがピンポン球でカーブの練習をしたという話に着想を得て、試してみたものだ。

 探究は続く。

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