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映画Log「TENET」

こんにちは。しそゆかりです。

2022年最後を締めくくる映画として、大みそかに「TENET」を観ました。前評判で「見終わった後すぐに2周目が見たくなる」と聞いてはいたものの・・・例に漏れずわたしも2周目に突入し、あやうくそのまま年を越すところでした。笑

以下、ネタバレありの考察です。

1周目はオペラハウスで何がどうなっていたのか大混乱でした。見始めてそんなに時間が経ってないのに、わたし何か重要シーン見逃した??(困惑)
アマプラで見ると映画に集中し始めるまでラグがあるので、その集中しきってない時間帯に何か見逃したんじゃないかと疑心暗鬼になるくらいには話が全然分からなかったです。

映画を一時停止してあらすじを読むべきか迷ったのですが、「これはメメントみたいにラストまで見て、そこで初めて”これまでのこと”を理解するやつだ」と割り切ることにしました。なんてったってクリストファー・ノーラン監督作品です。インセプションも途中で設定が追えなくなったけど最後まで楽しめました(楽しむことと構造を理解したかどうかは別)。そう、諦めが肝心。
そんなわけでニール可愛いよニールの気持ちで楽しんでまいりましょう。

ニールが可愛いんだ・・ (TENET公式サイトより)

ニールについてはボンベイヨットクラブでの登場時、ここまで中核人物だとは思わず「この顔が良い人は中盤でさくっと死んじゃうんだろうな・・」と思っていました。
わたしなりに(既にニールが好きなので)ニールが死んでしまったときの予防線を張ろうとしていたのですが、「あれ?中盤で死ななかったから最後まで生きてるんじゃない?」からの怒涛のラストは・・・本当に・・・。

悲しすぎてラスト付近2周目は見れていませんが、考察サイトめぐりで出会った《ニール=マックス説》について考察してみようと思います。

※ニール=マックス説が信じられそうなものは〇、そうでなければ×

①名前の綴り→×

多くの考察サイトで取り上げられている、Maxの正式名を逆さから読むとNeilになる、というもの。(MaximilienとNeil
タイトルや主要キャラクターの名前が回文になっていることもあり、Neilの名前にも何らかの意味がありそうということに大いに頷いていたのですが、

  • マックスの正式名称は明かされていない(Maximilienは推測)

  • Maximilienはフランス綴り(イギリス綴りはMaximilian

というところから、これはちょっと微妙なように思います。

②キャットに関わろうとしない(コンテナ内)→△

ロータス社コンテナ内での主人公、ニール、キャットの会話。

キャット「(ニールに向かって)あなたは?」
ニール「では物理学の講義を始めようか」

先に主人公が「(ニールを指して)ニールだ」と紹介しているとはいえ、一言も挨拶しないのは違和感。ニールは愛想が悪いタイプでは無いので、相手にさして思入れがなくても適当に挨拶ぐらいはしそう。それなのに話の矛先を自分から逸らしているのは引っ掛かりました。
ただ(主人公へも含めて)自分の存在を必要以上に開示しないようにしているので、この対応もありうるかなとも思います。

③キャットに関わろうとしない(最終戦直前)→×

一方で、最終戦の前にキャットに挨拶しないのは別に引っ掛からなかった。
マックス=ニール説でいくと、キャットとの接触を避けたように見えるけど、マックス≠ニール説ならニールにとってキャットは特別な存在ではないので(主人公にとってキャットは特別だけど)別にお別れを言いに来る必要は無いかなと。

というか主人公の中でのキャットの特別さはどこからきてるのでしょう?キャットの苦しさと主人公の苦しさが合致しているかもしれないけど、主人公の背景が見えない(描かれない)のでキャットへの入れ込みが不明でした。
オペラハウスで聴衆を巻き込まないようにするやや暴走気味の正義感はあったけど、キャットへの感情は正義感だけでは説明できないように思います。

④回収されないニールの言葉→△

ボンベイヨットクラブでの主人公とニール。

ニール「子どもか女を人質に取る?」

この台詞、特に回収されないんですよね・・。違和感のある台詞は全て回収されるのに、この台詞だけ唐突に出てきて回収もされなかったのが気になりました。
would you take a child hostage (間)or woman? 
最後の"or woman?"が後付けぽかったのと、なんとなくニールが単純に聞いてみたかった問いのように思いました。

⑤ニールの持ち物としてのお守りの異質さ→○

くずした着こなしスキルも含めてあれだけ洗練された服を着ているニールが、どちらかと言えば野暮ったいお守りをリュックにつけているのは違和感がありました。例えば子ども時代に誰かからもらったとか、エピソードがないと・・・と思って考察サイトをめぐってみると、5円玉のようなお守りはインドの1パイス銅貨であると特定されていました。
・・・ってマックスがボンペイ遺跡行ったのに紐づくんじゃない!?
(というかどこであれが1パイス銅貨って識別できるの??考察班の腕が巧みすぎて怖い)

まとめ

セイターが「(自らの)唯一の間違いは子供を設けたことだ」と言ったり、祖父殺しのパラドクスをニールが語ることからも匂わせ感はあるのですが、ニール=マックスであるということは、親の業を子どもが背負わされるということで・・それってなんなん(怒)

ラストでニールが主人公に「これは美しい友情の終わりだ」と言っているように、親の業とか責任に影響されない美しい友情だと信じたいのです。


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