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あ・い の国 に かえってきた


日本全国の緊急事態宣言が解除されて、外出自粛が緩和された今週。

わたしは在宅勤務が続いていて、今日は雨。早朝からの虚無仕事が一息ついた。


西洋かぶれのわたしは、音楽とファッションに憧れてロンドンを目指していた。

なんども縁があったけれど、2012年晩秋に、日本にかえってきたのだった。


今日紹介するのは、高橋昭八郎『あ・いの国』(私家版、1972年)。

わたしが生まれたこの国のあこがれのすべてがこの本の中にある。

ボール紙の函に三角で折紙された詩片が入っている。

絵のような文字、辞書の破片、幾何学、記号、おもちゃ箱のような詩集。

創造性とあそびごころと想像力と、いにしへのかなしみと。

***

母の音

かなしみは聲になって                           たかく とおく 舞っている                         夜明けのひばりよ                             そんなに空に近づきたいのか
あなたの目も尾も見えなくさせるよ                     セッションは翼になって                          わたしは大きくなり小さくなった


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