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去る者への言葉

こんにちは。プロ野球はレギュラーシーズンが終わりました。

各チームがシーズンを戦い抜き、そのうち半分となる6チームがクライマックスシリーズに進み、各リーグを制したヤクルトとオリックスはファイナルステージに向けて準備を進めます。
その一方で、残る6チームには戦いがありません。我らが埼玉西武ライオンズは上位に入るどころかまさかの最下位となり、順位表の一番下でシーズンを終えることになりました。

そして、この時期は「行く人・去る人」がフォーカスされます。ドラフトで入った新人、チーム構想から外れた選手、自ら去ることを選んだ選手。
この記事では、ライオンズの「去る人」たちのキャリアを振り返ります。
(戦力外通告報道時に「育成再契約の予定」と報じられた選手は除く)

<投手>

#18 松坂大輔

2021年成績: 1試合 0勝0敗0S 防御率0.00 0奪三振
通算成績: 377試合 170勝108敗1S 防御率3.53 2130奪三振

レジェンドの引退は、仮に思い入れが無かろうと寂しさを感じます。横浜高校での活躍、1998年のドラフトで入団した西武で幾多の伝説を築いたピッチング、MLBでチャンピオンにも輝いた功績、日本代表としての2度のWBC制覇...挙げたらキリがありません。
それだけに西武復帰後の登板が最後まで実現されないほどに怪我に悩まされた事が悔やまれますが、最終登板での最速118km/hのボールからはどこか潔さも感じられました

#29 小川龍也

2021年成績: 5試合 0勝0敗0S 防御率9.00 1奪三振
通算成績: 187試合 8勝5敗1S 防御率2.69 102奪三振

クビにしちゃうんだ...と特に驚いた人。今年は二軍暮らしが長く、戦力として貢献できなかったことは事実ですが、2018年に金銭トレードで中日から加入して以来、左のセットアッパーとしてタフに投げ抜いてきた印象からするとちょっと信じられない気持ちが大きいです。対左のワンポイントとしては及第点ギリギリでしたが。
2019年にはキャリアハイの55試合に登板して防御率2.58と安定感があり、まだ30歳なのでもうしばらくは活躍できるでしょう。どこが拾うかな?

#30 榎田大樹

2021年成績: 出場なし
通算成績: 237試合 29勝25敗0セーブ 防御率4.16 414奪三振

驚いた人・パート2。今年は打球処理の際に手を骨折するという不運に見舞われたこともあって一軍登板はありませんでしたが、時に見せる老獪で小気味いいピッチングは職人の域でした。昨年はシーズン最終カードで登板すると7回途中までノーヒットに抑える快投を見せ、谷間の先発として役目を果たしたあたりにベテランの意地を感じ取ったものでした。
2018年に阪神から加入し、先発として11勝を挙げ優勝の立役者となったこともあり、何かポストを与えられるなら是非そうしてほしいところ。

#43 吉川光夫

2021年成績: 5試合 0勝0敗0セーブ防御率16.62 0奪三振
通算成績: 219試合 55勝70敗3セーブ 防御率3.96 745奪三振

前の2人が惜しい選手ならば、こちらは言っちゃ悪いですが何も感慨深さがありません。それは今年来たばかりだからなのか、偶然見たホーム初登板が散々なものだったからなのか、夏場に二軍で大炎上を重ねているのを知っているからなのか。理由はどうでもいいですが、前2人を切るなら吉川も切れよ、と思ったので辻褄合わせにはなったでしょう。
とはいえ二軍ではローテにブルペンにフル回転していたので、感謝すべき人ではあるでしょう。

#50 中塚駿太

2021年成績: 登板なし
通算成績: 9試合 0勝0敗0セーブ 防御率9.31 9奪三振

あと少しコントロールが良ければ、その言葉が常に付きまとうような投手でした。191cm/102kgの大きな身体から150km/hを超える速球で打者を手玉に取るという前評判でしたが、この手の御多分に漏れずノーコン。本人が語っていた初登板の「2球で2アウト→12球連続ボールで満塁」のようなシーンも多く、なかなか活躍の場を得るには至りませんでした。
昨年は終盤戦で5試合に登板するなど期待を受けましたが、今年は怪我などで球速が低下。フェニックスリーグにも帯同していましたが、無念。

#118 多和田真三郎

2021年成績: 登板なし
通算成績: 72試合 29勝21敗0セーブ 防御率4.17 304奪三振

彼に関してはこれといったコメントが見当たりません。2018年はチームが優勝した中で16勝を挙げ最多勝に輝きましたが、翌年急激に成績が下落。彼に待ち受けていた試練は「自律神経失調症」というもので、結果として2020年に育成選手として契約したものの支配下登録には戻れませんでした。
なぜそうした状況に陥ってしまったのか、どうにかケアして後押ししてあげることはできなかったか...は触れるべきではないのかもしれません。野球を続けることを希望しているようなので、そっと見守りたいです。

#126 大窪士夢

2021年成績: 登板なし
通算成績: 登板なし

大変申し訳ないのですが、大窪投手はあまり見た覚えがありません...。長身をもう少し活かせたらなーって感じたような記憶はあるのですが、どんなボールを投げていたか、どんなピッチングをしていたかはこれといった印象を持つ前に退団になってしまいました。
ただ、今年は独立リーグ・武蔵ヒートベアーズに派遣されていたことから「期待を受けているんだろうな」と感じていたので、ちょっと残念。育成選手というルールの厳しさでもあります。

<野手>

#62 駒月仁人

2021年成績: 出場なし
通算成績: 7試合 打率.143 1安打 0本塁打 0打点 0盗塁

京都・塔南高校からプロ入りし、外野と捕手をこなせるユーティリティさを武器とした選手でした。なかなか出番を得ることはできませんでしたが、2019年は第三捕手としてシーズンの大半を一軍で過ごし、優勝メンバーに名を連ねた中でプロ初安打を放つなど活躍を見せました。
どうしても正捕手・森友哉を中心として構成することになるチームですが、こうしたバックアップの存在は重要です。今後もライオンズに残るようなので、ブルペン捕手として彼の姿を見られる日が来ることでしょう。

#63 綱島龍生

2021年成績: 7試合 打率.000 0安打 0本塁打 0打点 0盗塁
通算成績: 7試合 打率.000 0安打 0本塁打 0打点 0盗塁

プロ入りから僅か4年、キャリアの幕を閉じました。今年は開幕直後に外崎が骨折で離脱したことで一軍デビューを果たしましたが、7試合・3打席で安打を放てず、守備でも信頼を得られなかったことで再び二軍暮らしに。7月にはフレッシュオールスターを腰の故障で辞退しており、怪我に悩まされた中で限界を感じたのかもしれません。
個人的には同年代・生年月日が近いので親しみを持って応援していたので残念ですが、セカンドキャリアもしっかり応援していきたいと思います。

#99 エルネスト・メヒア(~7月)

2021年成績: 16試合 打率.143 3安打 1本塁打 3打点 0盗塁
通算成績: 738試合 打率.242 562安打 142本塁打 406打点 4盗塁

正直、メヒアには語りたいことが多すぎます。2014年に途中加入ながら本塁打王を獲得し、その後も中軸として長く活躍...とはいかず、大型契約とは裏腹に成績は下降線を辿る期間が続きました。ここぞの場面で見せる勝負強さはありましたが、スイングの鈍さから伝わる衰えは隠せず、今夏の中断期間をもって退団となりました。
いつも球場に行くときは99番のユニフォームを着てタオルを首に掛け一際強い思い入れがあっただけに、未だに喪失感があります。2019年終盤、優勝争い中に放った2本のサヨナラ打、ホーム最終戦での劇的なサヨナラ本塁打は忘れることはないでしょう。
エルネスト・メヒアという選手を応援できて幸せでした。

あとがき

一人一人の選手に対しての思い入れは、言葉に表せないものも多々あります。思いの大小はありますが、変わらないのは「次の舞台でも頑張れよ」という気持ちです。

彼らの次なるキャリアに幸多からんことを。

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