コンサルティングのマウンドに立つ資格。

コンサルタントとして、完成には程遠い自分が、仕事をさせてもらっていること。投球フォームが固まっていない自分がピッチャーマウンドに立つ資格はどこにあるんだろうか、と考える。
結局、コンサルティングはお客さんが役に立つと感じてくれるかどうか、に尽きると思う。そのためには、お客さんと課題を共有し一緒に「ありたい姿」を実現することを考える、という原点に、これまた尽きると思う。
できることの全ては、今持っている最良のボールを出し惜しみせず、時間と能力の制約一杯まで使って投げること。労働時間規制でゲームの条件は従来よりも厳しくなったが、その中でもどれだけ、気持ちの面で逃げずに戦えたか。
何となく怒られない程度に仕事をする、というボールを置きにいく行為はしない。気分を害するかもしれないけど本質的なことに触れるのを避けるような逃げのピッチングもしない。
野村監督が「原点能力」といって、外角低めのストレートがピッチャーの原点と言っていた。コンサルティングも多分、ストライクゾーンなんだけどバットが出ないような「外角低め」があって、ムカつくけれど本当のこと(課題)、そして指摘してお終いでなく一緒にその壁をどう乗り越えるかを真摯に誠実に考えること、で鋭さと優しさがあるような遣り取りを、全身全霊で続けていくことが大事なのかな、と。
その先に、経営者が引退するときに本当に良い仕事人生を送れたと満ち足りた思いで卒業できること、従業員が卒業するときに良い職業人生が送れたと満ち足りた思いで卒業できること、そして、その家族や友人や次世代の人が仕事をすること、働くことは捨てたもんじゃないな、と思えること、それを希求すること、その内なるコミットメントが自分がピッチャーマウンドに立つ条件なのかな、と今は考えている。

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