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獣医師 給料の真実

医者とは違う報われない職業

現在臨床獣医師をしている私が獣医療従事者の給料をバラしていきたいと思います

これから獣医師になろうとしている獣医学生の皆さん

またこれから勉強を頑張って、憧れの獣医大学に入ろうとしている中高生の皆さん

決して落ち込まないでくださいね


生きていく上でお金は最も重要といっても過言はありません

偏差値は医学部と同等?かやや下回る獣医学部

むしろ獣医学部の方が偏差値が高い大学もあるくらいです

それほどなるのが難しい獣医さん

学費は医学部に比べれば安いですが、他学部と比較するとべらぼーに高いです

(国立大:350-400万円、私立:医学部 1,800-4,500万円、獣医学部 1,300-1,600万円)

医学部は卒業後の平均年収が1,200-1,800万円なのに対し、獣医学部は500-600万円程度だそうです。。。


大変な思いをしてやっとのことで国家試験に合格しても、

お医者さんの1/2-3程度の給料しかもらえない

定時に上がることはほぼなく、急患対応、夜勤、残業代なしなど、

労働基準法を厳密に満たしている小動物臨床の動物病院など存在しません

薄給で重労働の獣医さんは具体的にどれくらいお給料をもらっているのでしょうか?


年収ではなく、時給で仕事の価値を測る

筆者は新卒で一次診療の動物病院で勤めた時の初年度年収は350万円程度でした

ボーナスはほぼないような職場だったので、

月収は29万円程度、手取りは25万円程度でした

一般的なサラリーマンと比較して、そんなに悪くないじゃん!

と思ったそこのあなた

それは大きな間違いです


実際の勤務状況は・・・

①当直制度あり(週2−4回で、当直明けも一日中働く)
②残業代ほぼなし
③基本給は12万円で8時間労働以外は見込み残業
④働いているスタッフは疲弊しており、現状のおかしさに気づいていない
⑤溢れるほどの仕事量を解決するために、手当の出ない残業を増やすことで対応している
⑥週休1.5日(基本的に夜勤明けの休みなので労働基準法はどこに行った?って感じ)

基本給が12万円で額面月収が29万円ということは

週休2日で(実際は1.5/wkだったけど)月に22日間働いたと仮定すると・・・

基本給が12万円なので、一日当たり約5,500円が基本給です

中学生のラーメン屋のバイトか?

そして残業代は17万円なので、1日当たり約7,700円です

・・・

残業何時間やってるの?って話になります

そして基本給より残業代が高いってどういうことなのでしょうか・・・

実際は朝8時に出勤して、毎日家につくのは21時半くらいでした

そして週に3回程度は夜勤で病院に泊まっていました

夜勤を除いたとしても一日13.5時間働いているので

時給はなんと970円です(夜勤除いてる もう怖い)

筆者が大学生の時にバイトしていた河合塾では時給が1,200円でした

大学生以下の生活

東京都の最低賃金は1,041円です

最低賃金以下

やばいですよね笑


腕の良い獣医になるために

多少劣悪な環境でも腕のいい獣医になるためにはある程度の残業、薄給、パワハラ、モラハラなどは仕方ないと

当時の筆者は考えていましたし

当時の動物病院を司っていた院長たちはまさに

上記のような劣悪な環境を生き抜いてきたドブネズミのような人たちです(口が悪い)

※実際、ほぼ毎日職場にいて、夜も病院に泊まっていたので、当直や入院管理などは本当にいい経験になりました

石の上にも3年とはよく言ったものですが、筆者は4年石の上にいました

同期で小動物臨床の道をやめていった人はたくさんいます

石の上に3年が辛かったら、

とっとと他の石に移ればいいものの

辞めたら辞めたで問題のあるやつなのではないかと勘繰られるのもありました

その判断って難しいですよね

でも筆者はある程度技術を盗んでから辞めようと思い、日々耐えました

そして辞めました

バイバーイ

ちなみに1年経っての昇給は月の給料が5,000円上がる程度でした(泣)

→年収換算でいくと、+6万円 →20年勤めて年収は+120万up程度

一生働ける職場ではないですね・・・


小動物臨床獣医師の道

小動物臨床獣医師の進み道は大きく分けて2つあります

それは開業 or 勤務医です

開業医はたくさん稼げますが、それだけリスクも大きい選択です

そしてそもそも動物の病気を治す技術がないと開業しても潰れてしまいます

なので、勤務医から始めて、開業する人はそれなりの年数が経ったらする人が多いと思います

では勤務医にはどんな種類があるのでしょうか

  1. 一般開業医

  2. 企業病院

  3. 大学病院

  4. 大学病院以外の2時診療施設

などが挙げられます

一般開業医の闇はすでに述べましたがその他の場所ではどのような環境なのでしょうか


企業病院は日本にはいくつか存在していますが、それぞれ母体が大きい会社であることが多いために

就業規則はきちんとしているところが多いです

当然残業代は出るし、基本給が12万なんてことはありません

筆者がアルバイトしていた企業病院は時給が2,000円以上が当たり前でした


大学病院はその大学と、大学のどのポストによるかで給料が変わります

大学病院の最下層にいるのは研修医という人種ですが、

日本の獣医大学で一番給料がいい研修医は麻布大学と東京大学です

どちらも額面で25万円程度が支給され、時給換算で1,400-1,700円程度です

当然研修医は勉強させてもらう立場なのでそんなにたくさんもらえないのが当たり前の世界です


大学以外の2時診療施設は都内には多く存在していますが、給与形態は不透明なところが多く

臨床5年目程度の臨床医で年収が500万円程度みたいです

やっと皆さんの想像しているくらいの年収になりましたね

当然2次診療施設に勤めるにはそれなりの資格?経験?が必要なので当然給料も高くなるわけです


何を目的に生きるか

獣医師だけではなく

仕事に生きる社会人の皆さんにとって

これが、どんな仕事をするのかの選択に直結すると思います

僕の大学時代お世話になっていた研究室の先生はこう言っていました

お金を稼いでもそれを使う時間がなければ意味がない

やりがい、働きやすさ、お金

などの要因のうちどれを優先し、目的に生きるかで仕事観って変わりますよね

皆さん自分の生き方、考え方などを大切にこの社会の荒波を乗り越えていきましょう

ちなみに筆者はお金が一番大事です(◞‸◟)

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