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漫画を読んで貰えないなら自分でお届けすればいいじゃない

人生いろいろあった。
完治しない病気にもなった。
心身共にボロボロだった時、とある編集さんが
漫画家としてのデビューを助けてくれた。女神の様な人だった。
残念ながらその編集さんは途中で担当を変わられたのだけど。

初めての連載は目の前の仕事をこなすのに精一杯で
SNSを始める余裕もないほど忙しかった。

それでも人生初の単行本が出た日にはドキドキしながら書店に行った。
そしてコミックスのコーナーに向かうにつれて
徐々に気持ちが沈んでいくのを感じた。

誰が読んでくれるのだろう、と。

店内にはずらりと有名なコミックスが並んでて
自分の本を探しに来たというのに
見た事のある漫画や読んでる漫画に目を引き付けられた。
無名の新人の作品を読んでくれる人がいるとは思えなかった。

ションボリしながら帰ったら
ししゃもがいつもの様に尻尾をピンと立ててお迎えしてくれた。

それからたびたびネットの反応を探ったけれど
マインド・リバーシという漫画についての
感想や読んだというコメントは見つけられなかった。

未だにAmazonのレビューが付いていないのだから
自分の漫画はきっと読まれてないのだろう。

制作の努力が報われない事より
自分の作品を信じて連載に導いてくださった
編集さんへの申し訳なさが一番にあって
現状に対する自分の無力さを痛感していたら
ふと以前読んだ、ある漫画家さんが作品を宣伝する為に
自費でアニメPVを制作なさったという記事を思い出した。

物凄い行動力と作品への愛情。

同時に自分の様な実力も経験もない新人が
多くの方に本を知って読んで貰う為には
それくらいの覚悟と情熱が必要なのだと思った。

なにか自分に出来る事はないのだろうか。

そうだ、漫画を読んで貰えないなら自分でお届けすればいいじゃない。

駅前でチラシを配る様に、コミックスが出たので読んでみてくださいと。

だってこの作品は自分がどん底にいた時期に編集さんが
あなたの描く漫画は面白いと言ってくれて共に始めた物語だから。
埋もれさせたくはなかった。

書店で誰の目に留まることなく棚のすみっこで眠ってるくらいなら
自分で買って、本が欲しいと言ってくれる方に贈りたい。
お話を好きになって貰えるかどうかも
まずはお手に取っていただかないと始まらない。

根底にあるのはやはりあの時、救い上げてくれた編集さんに
恩返しがしたいという気持ち。
自分を漫画家にしてくれた方だから。

そしてもし読んでくれた方の心に自分の作品が響いたら
それは自分が漫画家として存在する意味になると思う。

だからやろう。
駅前のチラシ配りをTwitterで。

一人でも多くの方に
マインド・リバーシという作品を知って読んで欲しいから。

ここまでnoteをお読みいただいた方へ。
1話を読んでもし興味を持っていただけたら
1巻をお受け取りいただければ幸いです。


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