ヒマワリ・リインカネーション

その日、俺は妹と心中した。
許されぬ関係という奴だ。その上妹が不治の病で余命幾許もなしとなれば他に選択肢もなく、俺たちは自らの意志でそれを選んだ。

そう目の前の神様だか死神だか閻魔大王だか判然としない奴に告げると、では機会を与えましょうとそいつは言った。活かせるかは俺たち次第だと。



その日、ヒト族の空軍研究施設を、一人のオーガ族が強襲した。
ただの無謀は、しかしセキュリティの大半がヒトへと反旗を翻す振る舞いを始めて重大インシデントへと発展する。
「イヤーッ!」
「アバーッ!」
目的の大型機体周辺にいた最後の一人を豪腕で文字通り叩き潰すと、そのオーガは自動で開いた扉からエントリーする。
「悪い、待たせた」
『兄さん遅い』
スピーカーから合成音の返事。
「すまん」
『主砲でハッチを吹き飛ばして強制離陸するよ、掴まって!』
それは、ヒト族の新型生体メインフレームへと転生した妹の声。
前世での名は、ひまわり。

【続く】

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