魔弾の殺し屋と魔女の末裔

上からガキが殺意丸出しで飛び降りてきた。
咄嗟に俺は後ろに跳び下がりながら右手の引き金を引く。
咄嗟の反撃のため急所は狙えず。左上腕部を削る。血が一瞬噴き出し、だが傷口周囲の肉が歪に形を変えると止血してしまう。
「ふむ、お前が『魔女』か」
俺は標的と思しきそいつに話しかける。依頼内容から想像していたものとだいぶ違う。殺す前に情報収集が必要と判断。
俺の胸板くらいの身長、腰まで伸びた金髪、一番の特徴はぐるぐる巻きの包帯で隠された左目だろう。だが俺の注意を引いたのは青色の右目だった。
「殺す」
視線がどす黒い殺意の形をなして俺を刺す。その顔立ちはまだガキだってのに。
「知ってること洗いざらい吐かせて殺す」
「俺もお前を殺しに来た」
会話の継続は無理と判断。俺は左手にもう一つの銃を構える。こっちが本命だがどこまで通用するか?

…俺たちの出会いは最初から殺伐で、でなければ交わることもなかっただろう。

【続く】

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