『友だち』シーグリッド・ヌーネス著

古書西荻モンガ堂さんにて、表紙の白黒の犬が可愛いなと買い求めました。

主人公(わたし)の友人である作家(あなた)が自殺し、友人が遺した大型犬を引き取って、と話は進んでいきます。

小説なのか日記なのか、不思議な作品でした。ノーベル賞作家のアレクシエーヴィチ氏にも触れられる箇所がありますが、ノンフィクション的フィクションとしても読める部分があると思う一冊でした。
また、書くこと、読むことに関して、痛い所を突かれることが多く、本を読むという行為を見直す一冊にもなりました。

全12章から成る作品ですが、解説を読んで初めて、最後の二章を私は逆の意味で読んでいたことに気付きました。
死が生よりリアルに感じられ、意味が反転してしまったのかもしれません。

自分の知らなかったものをすっと取り上げてくれる、古本屋さんの魅力を改めて感じました。