導火線 ๑詩

8月が始まる
導火線にはもう火がついていて
瞬きをするたびに、輝きが遠くへと伸びてゆく

必死に追いかけるけれど
どうにもこうにも届かない

でも、それは、足を止める理由にはならないのだ

導火線に沿って進んでいくと、広い広い海に出た
はるかむかし、
私が私であることに気づく、もっと前
砂浜を歩くと、海の中で息をしていたときのことが、ちりりと頭の隅をよぎる

そのことを、
強く抱きしめるためにここにいるの

導火線は消えない 私が消さない限り

その事実が、ひどく愛おしくてたまらないの

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