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夏の甲子園「1票の格差」解消のアイデア

 今回は高校野球の話です!全国高校野球選手権が6日に開幕しました!今年も甲子園を舞台に日本一を懸けた熱戦が繰り広げられています!

 今大会も地方大会を勝ち抜いた全国49代表が出場していますが、甲子園出場に至るまでの道のりは地域によって大きな差があります!

 私は以前から思っているのです……

甲子園の地方大会って、もっと「1票の格差」を是正すべきじゃないの~⁉

【1票の格差】
 甲子園出場を懸けた地方大会って、参加チーム数が地区によってまちまちですよね!100チーム以上参加する県もあれば、数十チームしか参加しない県もあります!しかし、参加チームの多少にかかわらず、甲子園切符は各地区等しく1枚ですよね!

それじゃあ大きな「1票の格差」が生じるじゃんよ~!

 では今夏の地方大会の参加チーム数を北から順に見てみましょう!(合同チームがあるため、学校数ではなくチーム数です)

北北海道=73
南北海道=100
青森=48
岩手=56
秋田=40
山形=42
宮城=62
福島=62

茨城=89
栃木=59
群馬=60
埼玉=145
千葉=148
東東京=129
西東京=123
神奈川=167
山梨=33

新潟=68
長野=72
富山=40
石川=43
福井=28
静岡=107
愛知=173(最多)
岐阜=66
三重=61

滋賀=50
京都=73
大阪=159
兵庫=156
奈良=35
和歌山=36

岡山=57
広島=83
鳥取=23(最少)
島根=38
山口=54

香川=38
徳島=29
愛媛=50
高知=23(最少)

福岡=135
佐賀=36
長崎=49
熊本=55
大分=43
宮崎=46
鹿児島=64
沖縄=60

 参加チーム最多は愛知の173。対して最少は鳥取と高知の23です!

 1票の格差は7.5倍!選挙なら違憲状態です!

 この格差、本来なら極力解消に努めるべきでしょう!

【区割りの見直しを!】

 格差を是正するとなると、やはり選挙と同様に「区割り」を見直すのが一番です!

 参加チームの多い地区を分割するのはどうでしょう?参加チームが150以上の神奈川(167)愛知(173)大阪(159)兵庫(156)あたりを2枠に分ければ、格差も緩和されるはずです!

 過去にも2018年には第100回大会を記念して、上記4地区に埼玉・千葉・福岡を加えた7地区を二分し、56校で甲子園を開催しています!

 遡って2008年の第90回大会と1998年の第80回大会も埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・兵庫の6地区を二分して55校で開催されました!

 この10年に一度の記念大会の増枠を毎年採用してはどうでしょう?

 仮に埼玉・千葉・神奈川・愛知・大阪・兵庫・福岡の7地区を分割した第100回大会の区割りに今年の参加チーム数を当てはめると、参加最多は東東京の129になり、1票の格差は5.6倍まで是正できます!

 ただ、問題は日程です!例年は49代表48試合で行われる甲子園ですが、56代表55試合となれば試合数が7試合増となります!7試合増えるということは、日程も2~3日は伸びることになります!

 ご存じの通り、夏の甲子園の大会期間中は、甲子園を本拠とする阪神タイガースに遠征に出てもらうのが毎年恒例ですよね!

 しかし、仮に日程が2~3日延びるとなると、阪神にさらに1カード遠征に出てくださいという話になってしまいます。阪神の負担が増すことを考えると、簡単にOKが出る話ではない気がします(泣)

【少数区の合区】
 では逆に、参加チームの少ない地区を合併して、格差是正を図るのはどうでしょう?

 現在の地方大会の区割りは都道府県に準じていますよね!その中で学校数が最多の東京を東東京と西東京に、面積が最も広い北海道を北北海道と南北海道に二分しています。そのため、47都道府県+2で全国49代表となっています!

 とはいえ、そもそも区割りが都道府県に準ずる必要があるの?という話です。

 そもそも都道府県というのはあくまで行政区分です!行政上の線引きです!別に高校野球の区割りが行政区分に準ずる必然性って……実は特にないですよね!スポーツの地方大会の区割りが県境の線引きと違っても、特に差し支えはないと思うんです!

 なので参加チームの少ない地区は、県境をまたいで隣県と地区統合しちゃってもいいんじゃないでしょうか⁉

 いわば参院選の「合区」みたいなものですね!

 例えば参加チームが30未満の地区は、隣接する中で参加チーム最少の地区と合区するといいのではないでしょうか?

 ちなみに今大会で参加チーム30未満は福井(28)鳥取(23)徳島(29)高知(23)の4県です!

 この4県を、それぞれ隣接する中でも参加チーム最少の地区と合区してみますと~⁉

福井(28)+石川(43)=71
鳥取(23)+島根(38)=61
徳島(29)+高知(23)=52

 こうして合区することで、参加チーム最少地区は山梨の33になります!

 すると参加チーム最多は愛知の173、最少は山梨の33となり、1票の格差は5.2倍まで是正できます!

【歴史に逆行?】
 ただ、甲子園の区割りの歴史を振り返ると、県境を越えた合区は逆行する感も拭えません。

 出場枠が少なかった時代は複数県で1枠の地域が大半で、戦前に単独で1枠与えられていた都道府県は北海道・東京・大阪・兵庫だけでした。

 その他の地域は奥羽・東北・北関東・南関東・山静・東海・信越・北陸・京津・紀和・山陰・山陽・四国・北九州・南九州のブロックに分けられ、複数県で1枠でした。

 その後、戦後に入って1948年に神奈川・愛知・福岡が独立したのを皮切りに、学校数の多い県から徐々に単独で1枠を与えられるようになりました!

 そして最後まで2県で1枠となっていた青森&秋田、群馬&山梨(隣県同士じゃないじゃん!)、富山&石川、福井&滋賀、奈良&和歌山、鳥取&島根、徳島&高知、佐賀&長崎が1978年に分割され、全都道府県に1枠(北海道と東京は2枠)が付与された現行の区割りに落ち着いたのです!

 こうして各都道府県が独立した枠を得るに至った流れを踏まえると、今さら1票の格差を理由に再び合区に戻すのは難しい気がします!

 また、主催者の事情もあるでしょう!

 ご存じの通り、夏の甲子園は高野連とともに朝日新聞社が共催しています!

 全国紙である同社は全都道府県に支局があり、各都道府県に地域のページがあります!地域のページに夏の地方大会や、甲子園に出場する地元代表校の情報を掲載することが、夏場の部数獲得のための重要な販促材料となっているはずですよね!

 もし区割りを合区すると、代表校不在となる県が生じますよね?そうなると、代表校不在の県では地域版で報道する代表校がいなくなってしまいます!それは同社にとってはプラスになりません。主催社の都合も鑑みると、やはり合区は現実的ではないでしょう。

【不公平感解消A案】
 恒常的な増枠も難しいし、合区も難しい。そうなると1票の格差を是正するのは困難ですよね(泣)

 それでも、何とか参加チームの多い地区と少ない地区の不公平感を解消したい!と思っているのですが……

 そこで提案です!

参加チームの多い地区の代表は、甲子園で2回戦から登場にしよう~!

 甲子園は全国49代表が出場します!そのうち34代表は1回戦、15代表が2回戦から登場します!

 ならば、1回戦からの登場は参加チームの少ない地区の代表にして、参加チームの多い地区の代表は1回戦を免除して2回戦の登場にしませんか~⁉

 当然ながら、参加チームが少ない地区の代表は、地方大会での試合数も少ないはずですよね!逆に参加チームが多い地区の代表は、地方大会での試合数も多いはずです!

 地方大会の試合数を考慮し、参加チームの少ない地区の代表を1回戦から、参加チームの多い地区の代表を2回戦からの登場にすれば、地方大会から甲子園の決勝に至るまでに要する試合数が均等に近づくはずです!

 まずは各地区を参加チーム数の多い順から並べてみましょう!

愛知=173
神奈川=167
大阪=159
兵庫=156
千葉=148
埼玉=145
福岡=135
東東京=129
西東京=123
静岡=107
南北海道=100
茨城=89
広島=83
北北海道=73
京都=73
……………
長野=72
新潟=68
岐阜=66
鹿児島=64
宮城=62
福島=62
三重=61
群馬=60
沖縄=60
栃木=59
岡山=57
岩手=56
熊本=55
山口=54
滋賀=50
愛媛=50
長崎=49
青森=48
宮崎=46
石川=43
大分=43
山形=42
秋田=40
富山=40
島根=38
香川=38
和歌山=36
佐賀=36
奈良=35
山梨=33
徳島=29
福井=28
鳥取=23
高知=23

 このように、参加チーム数上位15位の京都までの15代表を2回戦から登場、16位の長野以下の34代表を1回戦からの登場にすれば、地方大会から甲子園決勝までの試合数が均等に近づけられるはずです!

【不公平感解消B案】
 上記の案は妙案だと思うのですが、一方で難点もあります!

 それは、毎年同じようなカードになりがちなところです!

 各地区の参加チーム数は、毎年大きく変わるものではないですよね!そうなると、上位15地区と残る34地区は、毎年同じような棲み分けになりがちです!

 棲み分けが偏ると、毎年同じような地区同士のカードが組まれがちになってしまいます!常連校の出場が続けば、カードもマンネリ気味になります!

 そんなマンネリ防止のため、B案を考えました!

地方大会で試合数が多かった代表を、甲子園で2回戦から登場にしよう~!

 B案は各地方大会の参加チーム数に基づく線引きではなく、甲子園出場校が地方大会で戦った試合数そのもので線引きする案です!

 まずは今年の49代表を、地方大会での試合数が多い順に並べてみましょう!

専大松戸(千葉)7
浦和学院(埼玉)7
慶応(神奈川)7
履正社(大阪)7
社(兵庫)7
九州国際大付(福岡)7
……………
クラーク(北北海道)6
北海(南北海道)6
土浦日大(茨城)6
前橋商(群馬)6
共栄学園(東東京)6
日大三(西東京)6
東京学館新潟(新潟)6
上田西(長野)6
浜松開誠館(静岡)6
愛工大名電(愛知)6
大垣日大(岐阜)6
立命館宇治(京都)6
広陵(広島)6
川之江(愛媛)6
神村学園(鹿児島)6
……………
八戸学院光星(青森)5
花巻東(岩手)5
仙台育英(宮城)5
ノースアジア大明桜(秋田)5
日大山形(山形)5
聖光学院(福島)5
文星芸大付(栃木)5
東海大甲府(山梨)5
富山商(富山)5
星稜(石川)5
いなべ総合(三重)5
近江(滋賀)5
智弁学園(奈良)5
市和歌山(和歌山)5
立正大淞南(島根)5
おかやま山陽(岡山)5
宇部鴻城(山口)5
英明(香川)5
徳島商(徳島)5
鳥栖工(佐賀)5
創成館(長崎)5
東海大熊本星翔(熊本)5
明豊(大分)5
宮崎学園(宮崎)5
沖縄尚学(沖縄)5
北陸(福井)4
鳥取商(鳥取)4
高知中央(高知)4

 地方大会で試合数が最多は専大松戸・浦和学院・慶応・履正社・社・九州国際大付の7試合!対して最少は北陸・鳥取商・高知中央の4試合!地方大会の試合数が3試合も違うのに、甲子園で1回戦から登場する枠も2回戦から登場する枠も引っくるめてフリー抽選になっているのは不公平ですよね!

 現に今大会でも、地方大会7試合の浦和学院・履正社・社が1回戦からの登場で、逆に地方大会4試合の北陸が2回戦からの登場となりました!

 仮に地方大会から甲子園決勝まで勝ち進むと、北陸はトータル9試合で決勝まで到達できますが、浦和学院・履正社・社は13試合を要します!実に4試合もの差が生じ、不公平感は拭えません!

 逆に北陸が1回戦から、浦和学院・履正社・社が2回戦からの登場なら、北陸は地方初戦から甲子園決勝まで10試合、浦和学院・履正社・社は12試合となり、その差は2試合に!不公平感も緩和されますよね!

 以上の理由から、地方大会の試合数が多い方から15チームは1回戦を免除して2回戦から登場、残り34チームを1回戦からの登場にするのが良いかと思います!

 さて、このB案がA案と異なるのは、上から15番目と16番目の境界線を「○位タイ」がまたがるところです!

 上記のように、今回の49代表は地方大会の試合数が多い順から、7試合=6チーム、6試合=15チーム、5試合=25チーム、4試合=3チームとなっています!

 6試合の15チームは7位タイとなるのですが、この7位タイの15チームが、1回戦を免除して2回戦からの登場にしたい「15位以上」と、1回戦からの登場にしたい「16位以下」「境界線」をまたぐことになります!

この「タイ」が「境界線」をまたぐところがミソなのです!

 この境界線をまたぐ7位タイの15チームを、A案の課題だったマンネリの解消に活用したいのです!

 私が考えた抽選案は以下の通りです!

地方大会の試合数に応じて「地方大会7試合の6チーム」「地方大会6試合の15チーム」「残り28チーム」に分ける。

❷まず地方大会で7試合の6チームが、2回戦15枠から抽選。

❸次に地方大会5試合の25チームと同4試合の3チーム、計28チームが1回戦34枠から抽選。

❹最後に地方大会6試合の15チームが、残る2回戦9枠、1回戦6枠の計15枠から抽選。

 この方法なら地方大会6試合のチームが年によって1回戦に入ったり2回戦に入ったりすることになり、A案に比べてカードのマンネリが生じにくくなります!

 このB案なら、地方大会初戦から甲子園決勝に至るまでの試合数を均等に近づけることができ、なおかつカードのマンネリ化も抑えることができると思うんです!なかなかの妙案だと思いませんか~⁉

 A案でもB案でもどちらでもいいんですが、とにかく私が願うのは…

「甲子園への道のり」や「日本一への道のり」の地域格差を極力解消しよう~!

地域によって不公平の生じない甲子園にしよう~!

 頑張っている球児たちのために、実現するとイイなあ~!

と素人ジョシは思うのでした!

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