本棚は段ボール Vol.35 『みんな蛍を殺したかった』/ 木爾チレン
なんでも、「持っている人」は「持っていない人」の気持ちがわからない。
だから、「持っていない人」は「持っていない」に加えて持っている人から理解されず、責められたり努力不足と思われたり、思われているのではないかという不安と戦わなければならず、二重苦となる。
逆に、「持っている人」で、自分は「持っていない人」の気持ちがわからないと自覚していて、かつ持っていない人からの嫉妬や、苦しめているという事実、そして搾取や我慢にさらされると、本当に苦しい。
持っていても、持っていなくても苦しいことに変わりはない。
そしてこの対立は、どう頑張っても相手の気持ちや苦しみが理解できない以上、お互いに愛し合うことはない。
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