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Keychron K8 日本語配列を改造した話:その1

経緯と関連記事

筆者がこの記事執筆までに至った経緯は以下の記事を参照いただきたい。日本語配列のキーボードが使いたいけど、キーボードのカスタムもしたい人は、ぜひご一読いただければ幸いです。
※本記事のAliexpress URLはアフィリエイトリンクです。


キーボード選びのこだわり要件

 まずは、これまでのキーボード変遷に見られた、自分が欲しいキーボードの最低限の機能要件は以下である。ただし、「現実的な予算で」は大前提で。
①2台以上の無線接続ができること
 →これは、前の記事で説明した。私用と仕事用のPCを行き来するため。
②特殊配列でなく日本語配列であること
 →これが意外と大事。仕事場のキーボード、ノートPC等は全て日本語配列であるため、HHKBのような変態配列、US配列に慣れてしまうと切り替える時に非常に面倒になると踏んだ。
③デザインがかっこいい
 →テンションと所有欲を高めるため
④もちろん、打鍵音・打鍵感が気持ちいい
 これらにプラスして、前記事で問題提起した、以下2つの要件を追加。
⑤キーキャップがABS素材と呼ばれるもので、えげつないくらい安っぽく、打鍵音もイマイチ→PBT素材のキーキャップとする
⑥K2の日本語配列は少し特殊で、上方向矢印が単独キーでなく、使いづらい
→矢印キーやその他各種機能キーが押しやすい


 そこで、ちょうどよくKeychron K8の日本語配列が登場した。しかも、Hot-swappable対応で配送料込み$109(10%ディスカウント)だった。渡りに船である。ちなみに、海外サイトの公式ストアで購入して、発注から7日程度でDHL→佐川経由で届いた。

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Keychron K8日本語配列のいいところ
・Bluetooth、有線で計、4台接続可能
日本の技適が認可されていること
 →かなり大事。購入しても無線が使えなきゃ意味ない
・買っている人が多いので、情報が多い
・ Hot-swappableであること
 →長期的に使用するとなると、故障した際のメンテ性も重要。
 →好みのキースイッチに変えることができる
・TKLレイアウトであること
 →筆者は、Delete、Home、Endキーを多用するため
・デザインと品質が優れている

 Keychron K8を購入することで、要件①②③⑥は自ずと満たしてくれる。ただし、K8のキーキャップはK2とほぼ同じモノなので、依然として要件⑤は解決できていない。また、Hot-swappableなんていうから、要件④はカスタマイズしていきたい。しかも、現実的な予算で。そこで、キーキャップ探しとキースイッチ探しの旅に出る。これがまた長いのである。。。

要件④の改善ポイント キースイッチ
打鍵感
・打鍵感を現状より向上させる
・指の疲労感を軽減する
打鍵音
・目指すはコトコト

要件⑤の改善ポイント キーキャップ
・PBT素材であること
→ABS素材とPBT素材では、打鍵感や手触りがまるで違う
・デザインが好みであること
・日本語配列を再現できること
→これが最難関。純粋な日本語配列がない。

日本語配列ためのキーキャップ検討

 そもそも、日本語配列のキーキャップの候補が極めて少なく、FILCOかコルセアぐらいしか、日本語配列のキーキャップを売っていない。ただ、FILCOはABS素材だし、コルセアはデザインが好みでない。英字配列のキーキャップは山ほどあってデザイン、形状共に豊富である。したがって、通常、自作キーボード界隈では英字配列のキーボードを選択する場合が多い。日本国内の有名なキーボード専門ショップの遊舎工房さんでは、以下のようなPBTかつ日本語配列の貴重なキーキャップセットも売っている。が、1.3万円とかなりお高い。
https://shop.yushakobo.jp/collections/keycaps/products/2658

 そこで、Aliexpressである。Aliexpressでは、なんだかさまざまなキーキャップを謎の安さで売っている。大変ありがたいが、日本語配列が無いのには変わりない。そもそも、英字配列と日本語配列において、以下の大きな違いがある。
A:エンターキーの形状
B:エンターキー周辺の記号の配置
C:上部数字キーの記号の配置
D:スペースキーの長さ
E:その他機能キーの長さ

 Aに関しては、ISO配列のキーキャップを選択すれば、見慣れた大きなエンターキーが手に入れる。が、その他B〜Eの違いが吸収できない。そこで、ISO配列のキーキャップをベースに、オプションキーがたくさんついているキーキャップセットがあれば、記号が合っていない部分の不自然さをごまかせるのでは?と考えた。

実は、この方法で、B、C、Eは解決できる。しかし、Dのスペースキー問題が一番大変だった。日本語配列にしばしば利用されるスペースキーの長さは、通常のアルファベットキーの4.5個分の長さ(4.5uと呼ぶらしい)なのだが、基本的に、海外では6u、6.25u、7uを使うことがほとんどで、4.5uのスペースキーの供給が少ないらしい。

 そこで、Aliexpressで、「4.5u spacebar」と検索すると、なんと、単体で売っているではないか!!
https://ja.aliexpress.com/wholesale?catId=0&initiative_id=SB_20211103040008&SearchText=4.5u+spacebar
ただ、このスペースキーたち、後述で実物写真を紹介するが、白かグレーしかない上に、何やらキーキャップの形状が1つしかない。

 ここで、初めてキーキャップのプロファイルというもの認識した。詳しくは以下のブログがわかりやすい。

 先ほどのスペースキーはXDAプロファイルと言って、どのキーも形状と寸法が同じものらしい。一方、Keychronについていたキーキャップは、OEMプロファイルというポピュラーなもので、キー配列の段数によって、キーの形状が異なる。
 ここで、筆者は閃いた。XDAプロファイルにすれば、キー同士交換しても不自然じゃないじゃん!!(そもそもOEMだと、先の作戦が破綻していた)

ということで、キーキャップ選定の条件を改めて整理しよう。
・XDAプロファイル
・XDA4.5uのSpacebarの色味にマッチするデザイン
・ISOレイアウトでオプションキーがたくさんついているもの
・PBT素材
こんな都合のいいものがあるのかとほぼ諦めかけで探していたら、意外と合ったのである。

PBTのキーキャップは最高

 このキーキャップはMelGeek MDA Big Bone Custom PBT Keycap Setというキーキャップのレプリカのようである(ちなみに本家でBigboneセットを買えば、4.5u supacabarもあってびっくり)。
 実際に届いたものは以下。これが、思っていた倍以上に品質が良くて笑いが止まらない。デザインもさることながら、PBTで昇華印刷。手触りも良く印字も綺麗だった。(しかもかなり安い)

※22/3/7追記
この記事掲載当時は無知ゆえに上記のキーキャップを購入していますが、クローンキーキャップは賛否両論のようです。本来は、オリジナルデザインに敬意を払い、オリジナルを購入すべきだというのが、日本の自作キーボード界隈の雰囲気のように感じます。また、クローンは品質的にイマイチなものも多いようです。一応のところ、普通はオリジナルデザインを推奨します。

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ちなみに、4.5uのスペースキーも一緒に購入した。

届いたものは以下。グレーを購入し、普通に品質がいいと思う。

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 ちなみに、配送はどちらもAliexpress  Standard Shippingを選択した。筆者の場合、注文してから7日〜8日程度で着荷した。Aliexpressでの買い物にしては相当速く、運が良い方らしい。ストアの信頼性をチェックしと配送費をケチらないのが安全な買い物と配送を早めるコツらしい。

 ようやくキーキャップ選びが終了し、擬似日本語配列を検討した。大括弧[ ]の2つは、英字配列では隣同士だが、日本語配列にならって並べ替えた。その他の記号は、キーキャップセットについていたオプションキーでお茶を濁す。
 また、数字キーは本来ならば記号が印字されているが、これも日本語配列に合わないので、テンキーの数字キーを採用。(数字に紐づけて記号の配置を覚えているので問題ない)。このように自由にキー配置を取っ替え引っ替えできるのは、XDAプロファイルの賜物である。

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これで、なんとか好みの日本語配列レイアウトにできそうである。記事が長くなってきたので、本記事はここまでとしたい。次の記事では、キースイッチ探しと、改造内容をお届けする。

次回



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