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【エッセイ】金魚とメダカの子どもたちは共存できるのか

我が家に金魚の卵が来た翌日、
大量に孵化した稚魚のために
メダカ水槽の水草を入れた。

数週間後、

水槽に違和感を覚えた。
影が動いている。
実態が見えないまま。

最初は
キラキラしたのが漂っていて
綺麗なゴミかなと思った。

じっとみたところ
とても小さな稚魚だった。

遅く生まれた金魚の
稚魚かなと思ったが、

しかしどう見ても、
小さい。

そして、背中が光っている。
金魚の稚魚は、透明感はあるが
光りはしない。

泳ぎが緩慢な金魚の中で
ビュンビュン泳ぐ。
ああこれは、メダカの泳ぎだ。

メダカの稚魚であると断定。

不思議なのは、
金魚の稚魚が日々減りゆく中で、
自力で生まれて今日まで自力で
生きていることである。

メダカの親と一緒にいると食べられてしまうが、
金魚の稚魚と一緒にしたらどうなるのだろう。
そう思って、実験的に一緒のバケツでの飼育を続けた。
金魚6匹、メダカ2匹のバケツ水槽である。

大きさがわかりやすいように別の器に入れて撮影。


発見時には自力で餌を食べていた
ということはこのメダカは
針子時代をスルッと抜けて自力で
稚魚の大きさに成長していたのだ。

何て逞しいんだろう。

感動していたら、
もう1匹光った。

2匹いた。

流石にもう驚かない。

自然界で生きるとは
こういうことなのだと
教えられた思いだった。

金魚とメダカの稚魚を
同じバケツで飼育している人は
どのくらいいるだろうか。

私も初めての経験で
善悪も分からずただ
毎日観察をしている。

見つけてから2週間が
経過した。

今日もメダカの稚魚は
金魚の稚魚と生きている。

金魚は喧嘩をしない。
メダカは2匹で戦っている。
メダカは金魚とは戦わないが、
メダカ同士の対戦で
勢いが余って金魚に
突っ込んでいくことがある。

金魚はそれを
「え、何すか❓」
というアフレコが
ぴったりな仕草で
回避している。

金魚が実に平和的で
笑った。

この平和の中にいれば、
メダカも元気に生きるだろう。

ちなみに、近々
金魚たちを発達段階ごとに
水槽を分けて同じ大きさの子を
同じクラスにする予定である。

メダカはその時に専用の水槽に
移して、実験は終了。

お互いの健やかな成長を考えると
それが一番良いだろう。





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