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売買の実態を見る「大口・小口売買データ 2022年4月度」

1.はじめに

投資をしていて、理解できない値動きに振り回されることはないでしょうか?

良いものと思っていた材料で下がったり、特に何もないタイミングでストップ高をしたり、色々とあります。そういったときには"出尽くし"などと解説されるものですが、結果的にはそれらしい理由が後付けされただけ、というのはよくあることです。

ロウソク足チャートをもとに、理論を重ねた解説があったりもします。
しかしながら、その一本の陽線がたったひとつの機関で作られたものだった場合、それは本当に信頼のできるものなのでしょうか。
たった1本の線では、正直全く読み取ることができません。データが丸められていますし、これを利用してチャートを壊しに来るひともいるでしょう。

ですので、その売買の実態を見ようと、1秒ごとの大口・小口の売り買いをすべてまとめたもの。うまくいけば、底値買いや仕手の動きを知ることができるのが「大口・小口売買データ」です。


2.売買の実態を見る

具体的には、刻々と更新される売買データを1秒ずつまとめ、直前の株価から値上がりしたら「上げ」、値下がりしたら「下げ」とします。そして、その瞬間の売買代金ごとに分けることで、売買の主体を探ってみようということをしています。(「変わらず」はカウント外)

例えば、場中に↓の値動きを目にすることがあるかと思います。成行売りをしたかのような、13:54:14にある4,000株、約600万円ほどの売りです。

値動きからすれば、おそらく「1秒でも早く処分したい」か、「値を下げたい」という時にこういった成行売りがするのではないかと思います。ただ600万円ほどの投げ売りを普通の個人投資家がするというのはなかなか考えられないでしょう。資金力の全く違う存在がやるようなことです。

この売り方は、「1秒でも早く処分したい」理由なら理解はできますが、そうでない場合はあまりお得とは言えません。1,527円で全て売れる可能性もあったためです。
さらに言えば、取引の多い9時台に売ればいいですので、取引の細った13時台にわざわざ600万円の成売りを出すというのは、「値を下げたい」意図が含まれていることを疑わないといけません。

つまり、"値を動かそうと買い上げるor売り叩く"アクションを見ようとしているのが、このデータであるという事なのです。

そして、同時にですが、「今すぐに売りたい」という弱小個人の投げ売りも見え隠れすることになります。つまり安値の時、売買代金の低いところで売り先行になると個人の弱気が見える可能性があります。また、売買代金の高い所が買い先行とすると機関買いという事になるでしょう。当たり前と言えば当たり前なのですが、実際にはあまりにも早い取引が繰り広げられるので、実際にはそこまで見ている余裕が無いのが実情です。

だからこそ、その早すぎる取引を集約してまとめてみたものがこのデータです。手に取って頂いた方にとって、「誰が買っているか、誰が売っているかを見えるようにできるデータ」になると思っています。


3.中身について

このデータの中身についてですが、
 「①数日の動きをまとめたグラフ」
 「②グラフの元データ (日別、時間別、10分別、1分別)」
というように構成されています。

上図が「①数日の動きをまとめたグラフ」ですが、ざっくり言うと
・"株価”、”指数”の推移(折れ線)
・"売買代金が1000万円以上/1秒の時の買い:売りの比率”、同400~1000万円、同100~400万円、同100万円以下(棒グラフ)
という形にわかれています。
見ればわかりますが、株価・指数(折れ線)が下がっている中で、赤棒(1000万以上)、黄棒(400~1000万)がずっと下を向き、青棒(100万以下)がずっと上を向いています。これは売買が高額になればなるほど売り優勢であり、加えて、少額になればなるほど買い優勢という構図になります。
パッと見、”機関が売り、個人が買い”ということを見て取ることができます。

続いて、↓の図が、「②グラフの元データ」になります。

この表は、日別・時間別・10分別・1分別と、ほぼ同じ構成のものが4つ並んでいます。先ほどの①のグラフは、割合を示しているので、一見100%になっていますが、「買い1件:売り0件 → 買い100%」という形で、データが少ないために%が極端になっていることもありますので、
実際には”下げ”列、”上げ”列にある実際の回数も見る事もお勧めします。

ちなみに、日別の方では相関係数と売買代金も併せて載せています。これは、
相関係数:「銘柄とマザーズ指数の各1分ごとの値をもとにした相関(1だと相関性が高く、0だとほぼ相関が無い)」
売買代金:「秒足で上がった時、下がった時、変わらないときの売買代金の合計」

を表しています。上の図からは下げ相場がほぼマザーズ指数と連動しているとみる事が可能です。


4.実際の使い方

では実際使えるのか?という話になると思います。

結論から言えば、役に立つとは思っていて、投資家はだれしも、底だと思って買えばさらに下がり、天井だと思えば上がっていくという経験はあると思います。(当然自分もある)
そういったときにこそ、立ち位置を見失わないという意味で、このデータは大きな意味を持つことになります。

何もない状態だとチャートに線を引いて、底かどうかを判断したりするのですが、実際には当たることもあれば、下方向へ突き抜けていくようなこともあったり...
そんな中で信じられない値動きに嫌になり、すべて投げてしまうような取引をしたことがあると思います。

そんな時に、「これは機関の売りだから自分も撤退する。」「個人の投げ売りだから少し待とう。」と思えたらどうでしょうか?
今起こっている値動きを客観的に見ることができ、そもそも自分の考えが正しいのか、それとも間違っているのかを確認できるのは非常に大きいことです。

そこで、このデータに関連する、考え方について2,3個ご紹介していきたいと思います。もちろんこれに限られることはないと思いますので、皆様思い思いの戦略を考えて頂ければと思います。

戦略① 個人の投げ売りを見る

これは非常にシンプルです。
先ほどもすこしお話しましたが、具体的には
「安値かつ、売買代金100万円以下のところが売り優勢になるとき」
この時に、個人の投げ売りと判断する考え方です

機関がさらに売りをぶつけてくる展開があったりするので、底かどうかの判断は難しいですが、100万以下エリアは、個人投資家が多いせいか、買い先行となることが多いです。そういった中で、安値&売り先行となるのはそれなりに心理が出てくるのではないかと思います。

銘柄によって、パーセントの度合いは違うと思いますので、そこは銘柄の特徴を踏まえて考えていきましょう。


戦略② 機関の買い上がり、売り焼かれを見る

売買代金の大きい所、例えば1000万円以上/秒で取引をするのは資金の無い個人には不可能です。

そして、この辺りでの売買は大体株価に対して支配的な動きをしてきます。もちろん数が少なければ、400-1000万円台の取引が主役になりますが、このあたりが買い先行なら株価も値上がりとなってきます。そして、いままで下がってばかりだった銘柄が、いきなり直線的に上がり続けたらそれはおそらく機関の買い上がりでしょう。

そのような中で、売り先行なのに株価が上がっていたら要注目です。2021年はグローバルウェイがそうでした。小さいとこは買い続け、大きい所は売っているにもかかわらず、株価は上がり続ける…といった具合に2021年を代表する大相場に発展していきました。完全に機関が焼かれる格好になっていたという例です。(最終的には本尊が抜けて暴落しましたが)

まだ試験的な試みが強いのですが、このデータはそういった動きをつかむことができるかもしれません。銘柄を増やす必要があったりしますが、これについては作者自身もよく検証していきたいと思います。


戦略③ 不審な値上がりの理由を見る

"仕手"という言葉をご存じでしょうか。
特定の個人または組織が株価を釣り合げて、高値で売り逃げるという行動のことを指します。この辺りは事例を重ねてみないとわかりませんが、先のグローバルウェイ(3936)の場合、
初動に当たる7/27-8/2まで、1000万円/秒のエリアはほぼ買い先行でした。そしてその後はほぼ売り先行。不思議ですね。

たまたまなら結構ですが、値を上げたい意図が存在するなら話は別です。
このデータではそういった意図もひょっとすると読み取れる可能性をもっているかもしれません。
つまり「1000万円台で初動買い、その後売り」という仕手の動きを可視化できるのではという考え方です。

ただ実際には、極端に売買代金の少ない銘柄の時には、100万円/秒が買い先行なだけでストップ高になったりもします。その辺りは普段の売買の様子も加味する必要がありそうです。


5.最後に

ということで「誰が買っているか、誰が売っているかを可視化して、投げ売りや仕手を見つつ、売買戦略を考えるデータ」として、"大口・小口売買データ"を紹介しました。

もし興味が湧いてみたら、一度購入してみてください。
正直、数百円を惜しんで、投資の世界で何万、何十万とお金を失っていては元も子もありません。私自身も、このデータを投資に導入し始めていますが、今まで分からなかった部分が見えるようになってきて結構いい感じです。

あと、投資の勝ち負けのほうがはるかに大きいので、有料にする意味は薄いのですが、趣味と実益を兼ねたことをやってみたいと思い、このような形にしてみました。何かを作って売るっていいですよね。そういうことをしたかったからこそ、このnoteなんだと思います。

という事で長文となりましたが、読んで頂きましてありがとうございました。このデータを使って、皆様の投資により良い結果がもたらされるよう願っています!


6.サンプル+対象銘柄

※サンプルとして2月に話題になった「4592 サンバイオ」を無料公開!

※対象銘柄 53銘柄まで拡大しました!
(日経バイオテク:バイオベンチャー株価週報+新日本科学、コスモ・バイオ、JCRファーマで構成)
2160 ジーエヌアイグループ
2191 テラ
2342 トランスジェニック
2370 メディネット
2385 総医研ホールディングス
2395 新日本科学
2397 DNAチップ研究所
2929 ファーマフーズ
2931 ユーグレナ
3386 コスモ・バイオ
4263 サスメド
4552 JCRファーマ
4563 アンジェス
4564 オンコセラピー・サイエンス
4565 そーせいグループ
4570 免疫生物研究所
4571 ナノキャリア
4572 カルナバイオサイエンス
4575 キャンバス
4576 デ・ウエスタン・セラピテクス
4579 ラクオリア創薬
4582 シンバイオ製薬
4583 カイオム・バイオサイエンス
4584 キッズウェル・バイオ
4586 メドレックス
4587 ペプチドリーム
4588 オンコリスバイオファーマ
4591 リボミック
4592 サンバイオ
4593 ヘリオス
4594 ブライトパス・バイオ
4596 窪田製薬HLDGS
4597 ソレイジア・ファーマ
4598 DELTA-FLYPHARMA
4599 ステムリム
4875 メディシノバ・インク
4880 セルソース
4881 ファンペップ
4882 ペルセウスプロテオミクス
4883 モダリス
4884 クリングルファーマ
4888 ステラファーマ
4889 レナサイエンス
4974 タカラバイオ
4978 リプロセル
6090 ヒューマン・メタボローム・テク
6190 フェニックスバイオ
7096 ステムセル研究所
7707 プレシジョン・システム
7774 ジャパン・ティッシュ・エンシ
7776 セルシード
7777 スリー・ディー・マトリックス
9212 GREENEARTHINST

諸注意

※対象銘柄、更新頻度、枠組み等は、今後修正が入る可能性がありますのでご了承ください。
※内容は投資で必ず勝てるというものではなく、投資戦略を作るうえでの参考情報としてご利用頂き、投資は自己責任でお願いします。
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