ツバメ風鈴の音

先日スーパーで、風鈴の音がバックミュージックとして流れているのを耳にした。

それを聞いていたら、しばらく前に贈り物で頂いた、風が吹くと音が鳴る風鈴のようなツバメの飾りのことを思い出した。

家に帰ってからクローゼットを漁って発見したそれを、
蒸し暑いある夜、窓際に下げてみた。

南部鉄製のツバメ…ツバメだよね？

しばらく待っていると
弱い風が吹き、
ツバメがゆらり、ゆらりと舞う。

すると羽やしっぽの先同士が
わずかにぶつかり、
チリン、キーンと高い音が小さく響く。

風が止むと、
響いていた音が
だんだんと小さく細くなり、
やがて辺りの空気に吸い込まれるように消えていく。

そしてまた弱い風が吹き、
チリン、キーンと音が響く。

この音を聞いていると、
蒸し暑い夜なのにほんの少しだけ風の涼しさを感じる。
風鈴の音を聞いて涼しさを覚えるのは日本に住む人だけ、と聞いたことがあるような気がするけれど本当だろうか。

それなら日本に住む人でよかったと
きれいな風鈴の音とわずかに吹く涼しい風を肌で感じながら、しみじみと思ったのだ。