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ん?ぼくが鬼?!

これは節分の話ではなく、僕が転職で経験したエピソードだ。


僕は今の会社に前任者退職のため代わりに入社したのだが、引き継ぐ業務量に対して設定されていた引き継ぎ期間があまりにも短かった。
そのためいつもは人の話を聞いてばかりの僕も、珍しく毎日不明点を質問しまくっていた。

後から思えば、僕がもっと配慮していれば良かったのだが、前任者はとにかく話好きかつ仕事を感覚的に行なう人であったため、僕が連投する理詰めの質問の山に辟易していたようだ。
(業務が個人に依存しており、またマニュアル化なども全く行われてないような状態だった)


さて無事引き継ぎも終わり、働き始めてしばらくしてびっくりする出来事があった。

当時ほとんど話したことのなかった別部署の先輩から
「あれ?お前全然鬼じゃねーじゃん。むしろどこが鬼なの?」
と言われたのだ。

「ん?」である。
いや、僕鬼のつもりないです。というかいつの間に僕鬼になった???

話を聞くと、どうやら前任者が辞める前に僕の知らないところで「アイツは鬼だ。信用しない方が良い。」と皆(取引先にまで)に言っていたらしいのだ。


僕は元来怒りがほとんど湧かないタイプの人間で、やはりこの時も怒りはなかった。

それよりも僕が感じたのは、人がうわさを信じてしまうことの怖さだった。
前任者にとっては、ひたすらに質問ばかりぶつけてくる僕が本当に鬼に見えたのだろうけど、他の人にとって僕が鬼なのかは別だ。

僕はうわさやステレオタイプなものの見方など、自分が実際に感じていないことを信じるということがあまり好きではない。
だからこの出来事に驚きはしたが、その考えをより深めただけに終わった。


さてその後どうしたかと言うと、実は何もしていない。

僕と話して「鬼じゃねーじゃん」と言った先輩のように自分で感じた通りに思ってくれたら良いと思う。
もしかしたら僕と接して「やっぱり鬼だ」と思う人もいるかもしれないし。


しかし、入社早々これはどえらいビハインドを背負ったな、という感覚があるのは確かだ。

今でもたまに、ほとんど接触した覚えもないのに妙に僕にだけ畏まって話しかけてくる人などを見ると”あ、噂信じてるタイプの人?”と内心思う。
元々僕の配慮不足が招いたところもあるから、ある意味自業自得だと納得してはいるけれど、やっぱりうれしくはないと思ってしまうのだ。


ーー
名古屋弁使いました、わざと。
僕にユーモアと勇気があれば、スーパーにある節分の鬼のお面でも被って仕事したいところだ。

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