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ICANより公開された1000万人のコロナワクチン接種者の健康データ(デマに注意)

ICANが取得したデータとは?

Informed Consent Action Network (ICAN)というインフォームドコンセントの実施を求める団体がアメリカ疾病予防管理センター(CDC)から訴訟により情報公開を勝ち取りました。

公開されたデータはv-safeという携帯電話を使った健康チェックのアプリであり、CDCはこれでワクチン接種後の健康データを1000万人近いのボランティアから取得していました。

ICANはCDCを相手取り二度の訴訟を経て、このv-safeのデータの一部を獲得し、ウェブサイトに公開した。さらなるデータの公開も予定されています。

今回公開されたデータでは、非常に高い率で日常生活に影響が及んだことが分かります。

Among numerous alarming results, out of the approximate 10 million individuals that registered and submitted data to v-safe, 782,913 individuals, or over 7.7% of v-safe users, had a health event requiring medical attention, emergency room intervention, and/or hospitalization. Over 25% had an event that required them to miss school or work and/or prevented normal activities.
その結果、v-safeに登録しデータを送信した約1000万人のうち、782,913人(v-safeユーザーの7.7%以上)が、診察、救急処置、入院を要する健康被害に遭ったことが判明しました。 また、25%以上の人が、学校や仕事を休んだり、通常の活動ができなくなるような出来事を経験しています。

ICANのアナウンスより

This first batch of data includes the responses v-safe users provided to pre-populated ‘check-the-box’ fields. It does not include data from the fields that allowed free-text responses
この最初のデータには、あらかじめ入力された「チェックボックス」フィールドに対するV-Safeユーザーの回答が含まれています。 自由形式の回答が可能なフィールドからのデータは含まれていません。

ICANのアナウンスより

今回公開されたデータはこのYes / No形式の質問文への回答のみとなります。したがって25%という数字はおそらく学校や仕事を休んだり、影響があった Yes / Noというものへの回答になりそうです。したがって休んだのは半日程度?一日?一週間?休職願い?など幅があります。自由形式の回答の部分に、どの程度重症だったかの情報が含まれていると思われますが、プライバシー保護の観点から公開は容易ではないでしょう。


8日にはHighWiresで特集をするそうですので、それを待ったほうが良さそうです。

デマに注意

JAROは嘘、大げさ、紛らわしい広告について審査しますよね?嘘は明らかにいけませんが、大げさな主張、紛らわしい主張も問題です。

同じICANから公開されたデータについて、科学とは。さんが以下のように要約をされて、ツイッターでバズっているのですが、誤解を招く表現です。

日常生活を送れなくなった人:120万人
学校/職場に行けなくなった人:130万人
医学的治療を必要とする人:80万人

科学とは。さんより

これの出典はもしかしたらInDeepのこちらの記事かもしれません。

・接種後に、通常の生活ができなくなった 120万人
・接種後に、仕事、学校に行けなくなった 130万人

InDeep記事より

同じ主張がされていますね。


上で指摘したように、学校/仕事に影響があったかどうかのYes / Noでの質問では、その影響の深刻さがわかりません。上の要約では大勢の人が休職・休学する羽目になったような印象を受けてしまいます。本当でしょうか?大袈裟・紛らわしいではありませんか?

「医学的治療を必要とする人」についても、イブプロフェンを一錠でも飲んだのならばYesと答えるでしょうし、「日常生活を送れなくなった人」も内訳には階段登るのが接種後数日は辛かっただけでもYesになるでしょう。

科学とは。さんにはツイッターで引用付きRT1回、バズっているツイートへの質問3回をして修正を求めましたが、主張を繰り返すのみで、修正はありませんでしたので、失礼ながらこちらで指摘させて頂きます。


ICAN v-safe ダッシュボードによる重特性による件数変化の検証

上の懸念を検証するために、メールを登録してICAN v-safe ダッシュボードにアクセスしてみました。すると1分で簡単な検証ができましたので如何に追記します。

Symptomsのタブへ移動するとSeverityが選べますね。ここからMild(マイルド), Moderate(中程度), Severe(深刻)の報告についてフィルターできるようですので、件数変化を見ていきましょう。

Severity = All
71,299,666件
Severity = Severe(深刻)
4,195,130件で5.88%
Severity = Moderate+Severe
27,535,114件で38.6%

一枚目がMild(マイルド), Moderate(中程度), Severe(深刻)の3つすべてを選んだ時、71,299,666件のデータが出てきました。

二枚目はSevereだけを選んだ時、4,195,130件となり全体の5.88%となります。

三枚目はModerateとSevereを選んだ時、27,535,114件で38.6%です。

つまり120万人(1010万 8273人の11.87%)が「接種後に、通常の生活ができなくなった」のではなくて、その5.88%程度の7万560人(全体の0.69384%)が生活に深刻な影響があったと推測できます。

120万人というのは軽度のもの(身体に痛みがあり、体育の時間を一度休んだなど)も含めたものではないでしょうか?

接種者の12%が職場・学校を離脱となると非常に嘘くさい主張になります。私の周りにも3回接種してピンピンしている人がたくさんいますので、感覚とあわないなーというのが第一印象でした。

3回接種してピンピンしている人が健康だといっているのでもありません。コロナワクチンには各種の技術の粋を集めた免疫抑制が施してあります。アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェンを使用したら熱が下がって楽になっても、それは健康になったわけではありません。病気の時の苦しみは免疫機能から来ます。免疫機能を止めたら楽になりますが、病気は進行します。心筋炎、ガン、神経性の病気が増えているのはそういうことでしょう。しかし、これはじわじわと時間をかけてきますし、ワクチンに関係があると自覚する人はわずかでしょう。このアンケートにはほぼ出てきません。

0.5%問題との関連

前述のInDeep記事より

「ワクチン射ったけどなんともなかったよ!反ワクチン派は、デタラメをやめろ!!」という一般の感覚には根拠があります。なぜなら、製造ロットごとに副反応・有害事象の頻度が全く違うため、大多数の人の身の回りの体験としてワクチン後遺症はおとぎの国の話だからです。

それを説明するのがこの0.5%問題のグラフです。

基本的に規制当局が認可した薬の中身を製薬会社が勝手に変えることはできません。なので専門家もワクチンの中身は一定不変であるという常識をもって薬害や有害事象について考えます。

しかし、有害事象とロット番号の関係を見る限り、成分にばらつきがあるのではないか?という疑いには十分な根拠があり、規制当局が乗り出して調査を開始するべきです。

現実には、規制当局は見てみぬふりをして、できるだけ接種数を増やしたいようですので、まだ問題にはなっていませんが、被害にあった人が増えるといずれ調査をしないといけないような圧力が上回るでしょう。

さて、先程の検証で深刻な影響は0.693%と試算できました。0.5%に非常に近くありませんか?

こうやって、数字をクロスチェックすると、検証結果の妥当性にもあたりが付けられますね。

飛びつきたいネタが来たときこそちょっと待って確認!

InDeepや科学とは。さんがやったようなセンセーショナルな要約は、SNSではバズりやすいです。そして既に反ワクチンの思想を持った人は、ほれみたことか!とあまり内容を確認せずに共有しますので、一般の印象は反ワクチン派は馬鹿ばかりになりがちです。

反対のことを信じているひとにメッセージを届けるのは簡単ではないのです。うっかりミスを連発しているような人には信用はありません。

本気で真実を追求している人がどんなに注意を払っても、敵はそれをうわまわる数のうっかりなインフルエンサーを送り込んできます。

情報戦とは常に、信用を削るために工作員をまともな人の10倍くらいになるようにして、一般の人を惑わす努力が行われます。巧妙な工作員とは味方のフリをしてすり寄ってくるものです。情報の出し手も受け手も注意しないことには先に進めません。


本記事は、わしメにも投稿した内容の転載です。

わしメでは、味方のフリをした工作員からのニセ情報にも厳しく追求していきます。