30年間の片想い、はじめての出会いと突然の幕切れ -特別編-
僕には30年間恋い焦がれていた相手がいた
そう・・昨年の秋まで。
あれは確か僕が中学生の時、思春期真っ只中の頃だ
その店で会える事は知っていた、すでにあの子の名前も知っていた
最初に出会った時、僕が待たされた時間はおよそ20分、思春期の小僧が妄想を膨らませるにはちょうどいい時間だ
すると当時の僕にはいくらか刺激の強い香りと共に、あの子は奥からやってきた
僕は思わず息をのんだ
「!!」
「ぼ、ぼくには・・・・まだ早いっ!」
「こんなのムリだ!」
しかしそこで退くわけにはいかなかった
さてどうしよう、、どこから手を出せばいいのか。
今思えば全てを貪ってしまえばよかったのだろう、だけどそこかしこに見えるぼく以上にまっ白なあの子の肌が、それを許さなかった
そのまっ白な肌が僕のクチビルと交わるまで、ほんの数秒だった
そこからはよく覚えていない、我を忘れて最後まで突っ走った
ふと我に返った時、さっきまで目の前にいたあの子は消えていた…
確かにいた形跡はある、場も散らかっていて、僕の身体は火照り、のけぞるほどの満ち足りた感もある
あの子はどこに消えた?
まさか・・ぼくは・・
それからしばらくあの子のことで頭がいっぱいだった
まさに虜となり、度々あの熱く濃い衝動に駆られた
友達に教えようと思ったが、同じ良い思いはさせたくない、あの子は僕が独占したい。ほんとは他に知ってヤツらがいることを僕は知っていた
けど、黙っておきたかった。
2ヵ月後、僕はどうしてもあの子が忘れられずつい店の前まで来てしまった
もう一度・・たのむもう一度・・
体が言うことを聞かない、店の中に入りまた"約束"してしまった
また20分待たされ、あの子は2ヵ月前と全く同じ様子で僕の前に現れた
僕は聞こえるか聞こえないかわからないような声でつぶやいた
「・・・やぁ。」
それからというもの、僕は一方的にあの子に想いを寄せている
2ヶ月に1度、いや1ヵ月に1度
30年もの間、昼を共にした
30年間、あの子は全く変わらなかった
白い肌、シュッとした細長い足
ずっとずっと僕の期待に応え続けてくれた
しかし結局あの子から僕に「会いたい」という言葉は無く、話しかけてくれることさえ1度も無かった
・・30年間もだ!!
けどそんなこともうあきらめるしかない
昨年の秋、突然いなくなってしまったね
だから君にはもう会えない
疲れちゃったのかな、君ももういい年だもんね
これで良かったのかも
僕だっていつまでも若くはないから・・
家族もあるし、
体に気を遣いたいから・・
もう、一人で食えないから・・
ということで最後に、
30年間僕が想いを寄せたお相手をご紹介します
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嗚呼…麗しのイカのバター炒めちゃん
僕はこの店の「イカバターライス」が本当に大好きでした
そこのお店が辞めちゃったんです
え〜、今回は賛否ございましょうが…
お時間を取らせました。
お後がよろしいようで、、
読んで下さいましてありがとうございました。サポート頂けましたら幸いですm(._.)m