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2025年の壁量計算はどうなる?その2

前回の記事を読んでから見ていただくとわかりやすいです。

前回、壁量に加算できるものに「準耐力壁等」等が加えられると話しましたが、ここを具体的に解説します。

「準耐力壁等」は2000年の品確法制定時に、品確法の壁量計算が定められて、垂れ壁や準耐力壁などを壁量に加えられるようになりました。あくまで品確法の耐震等級を計算する場合に使われ、基準法の耐力は、準耐力壁以外で満たさなければならないルールがあったはずです。つまり準耐力壁等は、建築基準法の壁量を満たした上での加算でした。また構造計算でも同様に加算できるようになりました。

しかし今回の改正で、建築基準法の壁量計算で加算できるようになりました。もちろん条件はありますが。これでだいぶ使いやすくなるかと思います。

準耐力壁とは、せっこうボードなどで、桁まで打ち込めないものの横架材相互間の垂直距離の80%をカバーすれば加算出来る壁です。幅は90㎝以上です。垂れ壁は幅が90㎝以上2m以下で高さが36㎝以上のものです。垂れ壁と腰壁のセットものは腰壁も36㎝以上あればこちらも加算できます(腰壁だけでは駄目)。通常の耐力壁より耐力は少ないですが加算できることで、壁量の増加の影響を一定レベルで軽減できます。ちなみに垂れ壁・腰壁は、両側に耐力壁か準耐力壁があることが条件で、単独では加算できません。また基準の倍率の高さによる補正を行った後の0.6倍なので、やはり耐力的には大きくはありません。

壁量計算が複雑になるので、現状では、準耐力壁等の割合が小さい場合、N値計算やバランスの検討では、準耐力壁等を入れないで検討して良いことにする方向のようです。

そして、準耐力壁等は必要壁量の1/2を超えて算入する場合は柱の安全性の検証等を行う必要があり、実質は1/2までと考えた方が良さそうです。


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