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#2 朝起きて、ふと自分はうつなのでないかと思う


うすうす気付いてはいた。
確か昨年末ぐらいから、どうにもこうにも具合が悪く、抑うつ気分が抜けなかったのだ。

あんなに楽しかった山登りに行く気がしない

クリスマス直前にひどいギックリ腰をして、自分でパンツを上げることさえ困難になり、趣味だったひとり登山を暫く休むことにした。

最近になって腰はだいぶ良くなり、気候も寒さが和らいで春めいてきたのだが、一向に山を登ろうという気持ちにはならなかった。

ベビ子👶「母さん、山行かないの?」
私「うーん、今年、冬眠してないクマ多いらしいよー…」
ベビ子👶「へー、てか、もともとクマたくさんいるような山登ってなくない?」
私「いや、クマなめちゃいけないよ、日本中どこでもいるからね…」
ベビ子👶「ふーん」

あ れ 、な ん か へ ん だ。
私は思った。

熱心に打ち込んでいた小説が書けない

もう一つの趣味だった、小説やシナリオも、全く書けなくなっていた。

小説は中国がゼロコロナ政策の折に、一切の企業活動ができなくなり、なんかしら好きなことをしようと思って始めた趣味の活動だ。

たまたま最初に書いた長編作品がある賞の候補作に残ったこともあり、三年くらいは本気で小説家になれるかもしれないと(中学生の時、ファンレターを書き続けたら真田広之と付き合えるんじゃないかと思ったくらい)ポジティブな妄想をして、年に2〜3本、熱心に書いていた。

しかし、世の中そんなに甘くはなく、今のところ結果は残せていない。
そう簡単には小説家になれないし、真田広之にも抱いてもらえないのである。

とは言え、何者になれずとも、書きたいものが自分のうちにある限りは、書き続けようと思っていた。
書くことで、自分が何かしらの癒しを得ているのを感じていたから。

ひとつの作品を書き終えるたびに、うす暗い部屋にランプの灯りがポワッとともるような温かさを感じた。
このまま書き続けていたら、部屋はもっともっと明るくなるのではないかというような気がした。

なのに今、ペンを握る握力は0なのだ。

ついに心療内科へ行くことにする

朝起きて、同居のふとこさん(母)のご飯を作る気力すらない私は思った。
自分ってもしかして、うつなのではないかと。

とりあえず、ネットの無料うつ診断をしてみた。

「重度のうつ傾向が見られます」

ふむ、なるほど。

そうして私は、今日今すぐに診てくれる新宿のメンタルクリニックに行くことにしたのだった。

つづく

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