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【気ままな読書日記】奇書の世界史

世界で「奇書」とされる本の多くは、作者自身が「奇書たるべし」として書き上げたものです。-中略ー
ですが、私が「奇書」として紹介したいのは、少し趣が異なります。
私はむしろ、狙って「奇書」としては書かれていない書物に興味をくすぐられます。作者自身の計らいを超え、いつの間にか「奇」の一文字を冠されてしまったもの。あるいはかつて「名著」と持て囃されたのに、時代の移り変わりのなかで「奇書」の扱いを受けるようになってしまった本ーーー。
つまり数奇な運命を辿った書物です。

はじめにより


私は、現実と、謎・不思議が接点を持つ(もしくはそのように見える)ミステリーが大好き。
だとえば、オーパーツ! ピラミッドの秘密や徳川埋蔵金にも心踊るし、バミューダトライアングルやマリーセレステ号事件なんかにも興味津々だ。

『奇書の世界史』は上記のモノたちとは少し系統が違うのだけれど、それでもやっぱり手に取ってみずにはいられない気持ちになる。
隣市図書館の検索データの中にこの本をみつけた私は、娘の送迎ついでにウキウキとK市へ向かったのであった。


中世魔女狩りの手引書『魔女に与える鉄槌』、稀代のペテン師が妄想で書き上げたインチキ『台湾史』、『ヴォイニッチ手稿』、明治時代のアンチ野球論『野球と其害毒』ーーー

なんとも強烈な本ばかり。
インチキ台湾人のイラストの中に、マントを羽織ったアキラ100%を発見した時は笑ったが。

各項目の一番最初のページに添えられている偉人の一言、これもまた興味深い。

本を焼く者は、そのうち人間も焼くようになる。

ハインリヒ・ハイネ

悪魔が存在しないとすれば、つまり、人間が創り出したのだとしたら、人間は自分の姿かたちに似せて悪魔を創ったんだ。

ドストエフスキー

9/200

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