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「わかる」韓国語から「使える」韓国語へ#2: -던

 連体形語尾の -던 について解説します。-던 の意味、用法の全てを網羅しているというよりも、あくまでこの連体形語尾を避けて通らずに、自分でも使ってみるきっかけになるように説明するつもりです。
 この連体形語尾は、正直なところ絶対に使わないと困るような語尾ではありません。以下に挙げる用法のほとんどは過去の -았/었- を入れた -았/었던- で言ってしまっても問題はありません。つまり、おおまかに過去を表す連体形は -(으)ㄴ と -았/었던- の区別さえつけられればやっていけるようなところがあるのですが、それでも -던 を使いこなしてみたいという人向けの説明ということです。

① 過去にある程度続いていたことを表す

 まずは過去にある程度時間の幅を持って行われていたことを表す場合です。 -았/었던- で言い替えても問題ありませんが、-던 が好んで用いられる用法の一つです。

(1)
나랑 같이 회사 다니던 동기인데 전부터 동료 의사 소개시켜 달라 그랬거든요. 한번 만나
봐요...
わたしと同じ会社に勤めていた同期なんですけど、前から同僚のお医者さん紹介してくれって言ってたんです。一度会ってみてくださいよ。

[슬기로운 의사생활 ep. 8]

② さっきまでしていた行動が中断していたことを表す

 -았/었던- ではなく -던 を使ってみるならまずはこの用法ではないでしょうか、という用法です。直前までしていたけど、一時中断されていた行動について述べる場合です。
 この例では、話の途中でワインを勧めたソクホに対してテギョンが「さっきまでしていた話を続けよう」と発言しています。

(2)
석호: 와인, 와인 한잔 어, 같이 안 할래요? 응?
태경: 싫어요. 우리 그냥 하던 얘기 계속해요.
ソクホ :ワイン、ワイン1 杯一緒にどうです?
テギョン:いりません。さっきの話を続けましょう。 

[기상청 사람들 ep. 15]

③ 否定形で、前までしていなかったことを表す

 これは否定形 안, -지 않다 を伴って前まではしていなかったけど、するようになったことを表します。② の用法の逆のような感じです。

(3)
뭐여 안부가 궁금했으면 우리처럼 전화를 꼬박꼬박 드리든가. 왜 생전 안 하던 효자 노릇
을 갑자기 할라고 하냐?
なんだ、(両親が)元気か気になってたなら、うちらみたいにマメに電話するとか。なんで今までしてなかった親孝行を急にしようとするんだ?

[스타트업 ep. 13]

④ 時を表す名詞 때, 날, 시절 の前で使われる

 これはあまり会話で積極的に使われるわけではないですが、知っておいてよい -던 の使いどころという感じです。
 この例では時を表す 날(日)の前で -던 が使われています。-던 を単純に「〜ていた…」として考えているとよく理解できない例ではないでしょうか。

(4)
이대로 내가 싱가포르에 가 버리면 영원히 묻히잖아요, 언니가 죽던 날 도대체 무슨 일이
있었는지.
このままわたしがシンガポールに行っちゃったら永遠に闇の中じゃないですか。先輩が死んだ日に一体なにがあったのか。

[작은 아씨들 ep. 6]

 また、그러던 어느 날(そうしていたある日)という言い回しもよく

⑤「なかったことにする」

 これは慣用的な言い回しで、「なかったことする」と言う場合よく 없던 걸로 하다, 없던 일로 하다 などと言います。ドラマでは頻出の用法ではないでしょうか。

(5)
미주: 우리 사이에 남은 기타 등등은 그냥 없던 일로 합시다‎
선겸: 없던 일로 안 한다고 하면 줄게요.
ミジュ  :わたしたちの間に残っているその他もろもろは、もうなかったことにしましょう。
ソンギョム:なかったことしないって言ったら(預かっていたモデルガンを)返します。

[런온 ep. 5]

⑥「〜しようとしていたところだ」

 これは厳密には -던 と言えないかもしれませんが、-려던 참이다 という形で「〜しようとしていたところだ」という言い方は頻出です。

(6)【電話口で】
혜준: 운동해?
정하: 아니?
혜준: 왜 이렇게 숨차?
정하: 아, 나가려던 참이었어.
A:運動してるの?
B:いや…
A:なんでそんなに息切れてるの?
B:ああ、出かけようとしてたところだったの。

[청춘기록 ep. 4]


 上にも書いたとおり、まず -던 を使ってみるなら②の用法で、例えば誰かに声をかけて、作業を中断させてしまったときなどに "하 일 계속하세요"(してたこと続けてください)なんて言ってみるのはどうでしょうか。そうしてだんだん -던 の使いどころをマスターしていってください。


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